今観るとバブル当時の記憶が蘇ってくるし、全然違う面白さが発見出来る「ロボコップ」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。



リメイク作品が近日公開なのでブルーレイで観返しました。

デトロイトで警察すら経営する大手企業オムニ社。

その社長はデトロイトの旧市街地にデルタシティという新たな都市の建設を夢見ていた。

しかし、その計画には大きな障害があった。
それは凶悪犯罪の横行。

オムニ社の副社長ジョーンズは24時間犯罪と戦うロボットED209を開発し、社長の前でお披露目するが誤作動を起こし社員を惨殺してしまう。

そんなジョーンズの失敗をチャンスとばかりに若きプロジェクトリーダーのモートンが社長に自らのプランを売り込み承認される。

デトロイトではクラレンス一味による警官殺しが続き、殉職した警官の代わりに南署からマーフィーが着任。

なんとマーフィーは初出動からクラレンス一味に出くわし全身に銃弾を浴びせられ命を落とす。

ところが彼は再び目を覚ます。

彼の身体は鋼鉄のボディに作り替えられ、顔のみがマーフィーのままだった。その顔にも鋼鉄のマスクが。

彼は記憶を消されサイボーグ警官ロボコップに生まれ変わっていた。

これこそがモートンの新たな計画だった。

ロボコップはハイテクを駆使し犯罪を次々と撲滅。

モートンの評価は急上昇しヤングエグゼクティブとしてのしあがる。

モートンになめられた形のジョーンズはクラレンスを使いモートンを抹殺。

さらにロボコップの破壊も命じる。

一方ロボコップはマーフィーだった記憶を取り戻し、自分の命を奪ったクラレンスの存在を知り復讐に向かうが、クラレンスから意外な黒幕の存在を知らされ…

昔観たときは残酷シーンや派手なアクションが印象的でしたが、今見るとオムニ社の重役ジョーンズとイケイケ若手社員モートンの権力闘争が楽しかった。

80年代にはヤングエグゼクティブ略してヤンエグという言葉が流行りましたがモートンはまさに当時の若者の憧れのヤンエグそのもの。

イケイケの若手が老獪な副社長ジョーンズにやり返される展開とか会社ドラマとしての見応えすら感じます。

近未来を舞台にしながらも当時の空気をヴィヴッドに掬い上げ、単なるヒーロー物じゃない大人の鑑賞にたえる作品になっていました。

近未来だけど、テレビがブラウン管でダイヤル式のチャンネルだったりでなぜか懐かしい。
携帯電話はないけど、GPSは出てくる。いびつな近未来になっているけど、違和感を感じさせないのは、世界観にマッチしているからだと思う。

とはいえ、アクションだって過激だしオリジナリティあるしで全く飽きさせません。

SF映画としてもED209とかのガジェットが見事で、CGなき時代の技術、コマ撮りアニメで表現されたEDの味のある演技が最高です。鳴き声も動物だったりでかわいい。

でも一番はマーフィーやクラレンスやジョーンズやモートンといったキャラがしっかり描かれていること。

いろんなパートのいろんなスタッフや出演者が最高の仕事をしていると思える傑作でした。
いずれにしろ、今観ても夢中にさせられる傑作であることはガチ。