キネ旬ベスト1だから観た。あの国のことはよくわからん「かぞくのくに」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

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去年知らない間に公開されていて、すっかり見落としていたら、アカデミー賞で日本代表にされていたり、キネ旬ベストテン1位になってたりしたので、あわてて再映を観に来ました。 

井浦新も安藤サクラもヤン・イクチュンも好きな俳優だけど、すっかり観忘れていました。

在日朝鮮人の家族の長男が帰国事業で渡った北朝鮮から脳腫瘍の治療のため、3か月限定で東京の実家に帰ってくる。  

しかし、日本の病院では3か月だけでは治療できないという検査結果に…

妹は他の病院で治療を受けさせるために手をつくすが、北朝鮮から兄へ明日帰国するように命令が来る。 

兄の脳腫瘍は悪性で治療が必要だけと、かの国からは問答無用で帰国しろという命令。 

妹は兄を返したくないが、兄にはかの国に妻や子どもがいる。 

帰らなければ、妻子に危害が及ぶかもしれない。 

東京の父も祖国の組織で働く一員で、息子を祖国に送った張本人でもあるので、祖国の命令には絶対服従するほかない。 

いろんな立場の人間が兄の脳腫瘍の治療をどうすることも出来ないもどかしさに震える映画でした。 

ちなみにヤン・イクチュンは兄の見張りの北朝鮮人役。 

ひたすらタバコをふかし、つかの間の休息にはホテルでアダルトチャンネルを観ている…そんな人でした。 

北朝鮮の現実がどうかわからないし、この物語がどこまでリアルなのかわりませんが、兄が妹を工作員に勧誘しようとしたりするくだりとかが、あまりに自分の日常とはかけ離れていて気持ちがついていきませんでした。 

とはいえキャストの皆さんが素晴らしいことはしっかり伝わりました。

特に安藤サクラ的には代表作になりそうな感じさえします。

ただこの映画がアカデミー賞の日本代表に選ばれながら、外国語映画賞にノミネートされなかったことには、そりゃそうだろとも思います。

ハリウッドの人にこの複雑な背景は理解出来ないよなあと。

おしまい。