
マヤ暦の終末の予言映画「2012」のローランド・エメリッヒ監督の新作が、その終末の予言日の翌日に公開というのがなんだかちょっとおかしいです。
そんなエメリッヒ監督の新たなテーマはウィリアム・シェイクスピアの真実の姿。
役者で劇作者だったシェイクスピアは直筆原稿を残していなかった。
それは作品を彼自身が書いてなかったから…
その正体を知るのはシェイクスピアの最初の作品集に献辞を寄せたベン・ジョンソンだけだった。
物語はベンが何者かに追われグローブ座に逃げ込むところから始まります。
グローブ座は焼かれ、彼はいぶり出されるが、その地下にあるものを隠していた。彼が必死に隠したものは…
ここから先は政治能力が残念な貴族エドワード(シェイクスピアの中の人)の物語に。
彼は得意な戯作で世相を反映した「リチャード三世」を作り無料上演。その芝居で庶民を焚き付け、革命に向かわせる。
しかし、狡猾な王家の番人セシルに出し抜かれ、反乱軍は返り討ちに…
実働部隊を指揮していたエドワードの息子たちは囚われの身となり、処刑されることに!
しかもその息子は女王エリザベスの隠し子でもあった。息子を救う為にエリザベスがとった行動は…
シェイクスピアの正体に迫る文系なサスペンス寄りの映画と思ったら、エリザベスの次の王座を狙う男たちの「柳生一族の陰謀」みたいな映画でした。
最初のグローブ座炎上とか、ロンドンの昔の街中での市民の蜂起とか、エリザベスの壮大なお葬式とかスペクタクルな見せ場もちゃんとある、やっぱりエメリッヒな映画じゃんという仕上がりでした。
エメリッヒはこの作品で、もっともらしい顔してシェイクスピア別人説を描いているけど、これもマヤの予言同様に壮大なホラ話なんだろうなあ。
とにもかくにもエメリッヒの新たな魅力は見られるし、お正月らしい派手さもあるなかなかの映画でした。
おしまい。