わりとリア充なのがらしくないけど、アクションは向上「アメイジング・スパイダーマン」 | キネマ画報

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一番の謎はなぜあんなに大ヒットしたサム・ライミ監督版の「スパイダーマン」シリーズをやめて、新たに「アメイジング・スパイダーマン」にリブートしたのか?

と書きながらすぐ答えが出ました。 

問題は主人公を演じる俳優の年齢。 

スパイダーマンは最初高校生で、多分に青春モノの要素を含む物語であるということ。 

しかし、シリーズも3作を重ねると俳優は立派な大人になり、ウジウジ悩む青年ピーター役に合わなくなる。 

でリブート。

今度は監督が傑作青春映画「(500)日のサマー」のマーク・ウェブで、主演は「ソーシャルネットワーク」のアンドリュー・ガーフィールド、さらにヒロインはエマ・ストーンというドラマ重視ともとれる布陣。(と書きながら前作も俳優は演技派ぞろいだったと思い出しました。ただ監督のサム・ライミはホラー出身で視覚的な演出にも優れた人。オリジナルのヒーロー物「ダークマン」とか凄かった。今回のマーク・ウェブも「サマー」で視覚的な遊びが多かったので、不安なし)

そして、前作との一番の違いはこの映画が3D作品であるということ。 

3D化は旧シリーズとの差をわかりやすくしているとは思います。

でも多くの客はもはやメガネがゴツくて不快な上に高い料金が必要な3D映画をありがたがったりしません。

とはいえ3D映画ということ以外にネガティブな要素は観賞前に見当たらないほど、安心感のある作品です。  

前置きが長くなりました。でここからが観賞後の感想です。 

ヘタレでカメコ(カメラ小僧)な高校生のピーターが凄いクモに噛まれてスーパーパワーを身につけ、コスチュームを自作し、夜な夜な悪党を退治しにいくという基本ベースは前シリーズと同じ。 

でも今回はピーターの父に関するエピソードが追加されます。 

そして、今回の敵もオズコープ社の科学者。 

カート・コナーズという右腕のない博士が自らの研究でモンスターに変貌します。 

しかもその博士はピーターの父の研究にも関わる人物でした。 

オズコープに潜入するピーターの前に現れたの気になるクラスメートのグウェン。 

彼女こそ、MJに替わる新たなヒロイン。

ピーターはわりとすぐにグウェンと仲良くなったりして、ヘタレっぽさがなく、意外にリア充な青年になってました。 

つまりは今作のスパイダーマンは、旧シリーズの中二病っぽくてDT感いっぱいなオタク野郎ではなく、スマートさもある若者だということ。 

これが旧シリーズとの最大の違いです。 

個人的には共感ポイントが減って残念。 

カメラ小僧的な面は薄まり、旧みたく新聞社に写真を売りにいったりとかもなし。代わりにグウェンのパパをはじめとする警察とのカラミが増えてます。

博士はなんやかんやあってトカゲ野郎になって、人類トカゲ化計画を成し遂げようとします。(博士は世の為、人の為や!と思ってやってます)

でスパイディとトカゲ野郎の戦いになっていくわけですが、このシンプル過ぎる話が意外に退屈しませんでした。 

その理由の一つは意外な脇役。 

ピーターのおじさんがマーチン・シーンだったり、おばさんがサリー・フィールドだったりするだけでも凄いけど、スパイディに息子を助けられる高所作業員のおっさん役が「アウトサイダー」や「ヒッチャー」のトーマス・ハウエルなのに胸熱。 

あと予想以上に良かったのがアクションシーン。

スパイダーマンがビル街の夜景の中を飛翔するシーンとかかなりいいです。 

スパイダーマン自体もかなり見栄えのよいフォルムになってます。 

ポーズがいちいち決まっていて、格好よさは格段にアップ。

ただ「これ、すげー面白いわ―」って気分になれないのはトカゲのオッサンが悪役になりきれていないところなのかも。 

悪役が微妙なことが、唯一この作品の弱点のような気がします。 

スパイダーマンの原作にはバットマンのジョーカーみたいにキャラの濃い敵ってないんでしょうか?

終わりの方に次回作を思わせるシーンもあったけど、次は何と戦うのか気になります。