【動画は地獄の落とし穴!さだこ~ぉ】内容は貞子スカウトキャラバン「貞子3D」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

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「貞子3D」観てきたぜぇ~。

3Dメガネかけなかったぜ!

ワイルドだろ~

…嘘です。ごめんなさい。

ちゃんと3Dで観ました。

のっけから奥行きからの飛び出し展開でした。

それはそうと「貞子3D」…すごく割り切った感じのするタイトルです。 

そして、すごくお金の匂いがするタイトル。 

昔は「ジョーズ3」とか「13日の金曜日パート3」が3D映画だったし、時系列的には「リング3D」でもいい気さえします。

が、やはりここは「リング」観ていなくてもいけますよお客さん!的な感じに「貞子3D」なんだと思います。

ちなみに原作小説のタイトルは「エス」。(本屋さんには原作の他にノベライズ版もあった!映画と内容がかなり違うのかも)

読んでないからタイトルの意味はわかりませんが、たぶん貞子のイニシャルでS?

「リング」シリーズは原作が「リング」「らせん」「ループ」「バースデイ」「エス」と続き、映画は「リング」「らせん」の後に映画オリジナルの「リング2」が制作され、その後「リング0/バースデイ」があり、「貞子3D」です。 

一般の人には「リング」より「貞子」の方がわかりやすいし、「貞子3D」というタイトルなら誰もがあのブラウン管からこんにちわする貞子が思い浮かぶはず。(あの場面は映画オリジナルのアイデアらしい)

当時はまだ液晶テレビが普及していなかったし、貞子登場の媒体となるのが呪いのビデオテープだったことを思うと、なんか少し前のつもりが結構前だったことを思い知らされます… 

最近、ホラー映画を観に行くと中高生のお客さんの多さが目をひきます。 

最後の「バースデイ」で12年前ということは、中高生たちはすでに「リング」シリーズをリアルタイムで映画館で体験していない世代。 

そんな学生たちにとっての初めての映画館での貞子体験がこの「貞子3D」になるのです。

そんなこんなで呪いのビデオテープを介してブラウン管から登場するのがデフォだった貞子はいかにアップデートしたのか? 

注目はそこです。

で案の定ネット上の呪いの動画から登場という展開。

うん、わかりやすい。裏切らない。  

でも動画の内容が旧シリーズの呪いのビデオテープとは全く違うということにびっくり。あと1週間後に死ぬ設定もなし。 

その呪いの動画はある男の自殺中継で、その男は死ぬ前に伝説の貞子を復活させようと、多くの女性たちを生きたまま井戸に投げ入れていた。

正直、この男の行動の方が呪いの動画にまつわる話より猟奇的でヤバいし怖いんですけど、そこらへんは軽やかにスルー。

そして、貞子はそんな彼に呼応して呪いの動画を観た人間からある人材を探していたのです。

そんなわけで新たな呪いの動画から、というかパソコンやケータイのモニターから爆音とともに貞子がきっと来る~します。(あの曲は流れないけど、すごい効果音がドーン!ここは旧作と同じですが、被害者の死に様は今回の方が悲惨)

今回の貞子は、かなり振り切っていて、3Dらしく派手に立体的に登場して、出るぞというところで必ず出てきます。うん律儀。

そして実にわかりやすい。

さらに今回のヒロインは特殊能力を持つ女教師(「リング」より「SPEC」に出てきそうなキャラ)で、同じく超能力を持っていたばかりに悲惨な運命を背負った貞子は、彼女こそ求めていた人材とノリノリで彼女に執着します。

で後半は井戸の中で増殖した貞子モンスターとヒロインのバトルでJホラーというよりバイオハザード的な見せ場が展開。「リング」ではありえない流れです。

終盤になってようやく話題の橋本愛(「告白」でバラバラにされる子)による新貞子の登場です。 

彼女の登場が遅すぎるし、出番も少な過ぎ。彼女だけを観に来たのに―!きー!!

ま、いいか。 

なんかもういろいろと旧「リング」シリーズと違い過ぎると思いつつ、だから「貞子3D」なのかと納得。 

ちなみに旧シリーズから続投しているスタッフは音楽の川井憲次だけっぽい。 

だから貞子登場の爆音だけが同じなのか…

ちなみに劇場から帰るお客さんたちのリアクションがすこぶる良くて、みんな大満足な感じでした。 

たぶん、昔のスタッフはこの成功に歯ぎしりしてるだろうなと思うくらい昔の「リング」とは別物でした。

真面目なことを書くと旧シリーズの立役者である高橋洋が脚本に参加していないのが、違和感の原因であり、今ヒットすることの要因になりそうな予感。

個人的には異形のものの悲しみが背景にある旧シリーズの方が入り込みやすかったけど、メインターゲットの若いお客さん向けには今回のような割り切ったアプローチで正解だったみたい。

監督が「ハンサム☆スーツ」や「高校デビュー」の人というのが、ホラーとコメディは紙一重であることを教えてくれます。