
デビッド・フィンチャー監督作品は「ファイト・クラブ」だけが好きです。
その他の作品も毎度観てますが、いつも途中で眠りに落ちます。
そんなわけで、FACEBOOKがなんであるかすらよくわかってないけど、「ゾンビランド」のジェシー・アイゼンバーグが主演なら観てみようという気持ちだけで観に来ました。
ハーバード大在学中にSNS「フェイスブック」を立ち上げ、最年少億万長者になったザッカーバーグが訴えられた2つの訴訟を通して彼の人となりを描く映画でした。
訴訟を起こしたのは、ザッカーバーグに自分たちが考案したSNSの立ち上げの実務を依頼したら、それがより洗練された「フェイスブック」になっていて手柄を奪われてしまったハーバード大の双子漕艇選手・ウィンクルボス兄弟と、フェイスブックの立ち上げに協力したザッカーバーグの唯一の友達エデュアルド。
ザッカーバーグは自らが考えるクールなSNSの終わりなき拡充にとりつかれ、人間関係をどんどん犠牲にしていきます。
天才的な才能の持ち主だけど、関わった人間はふりまわされて、捨てられていく。
それも彼自身に悪気がないからたちが悪い。
彼を導くIT業界のトリックスター、ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイクが助演男優賞もんの演技を見せてます!)がなかなか強力にいやな奴で、日本でいうとホリエモンみたいな感じ。
訴訟を起こす最初のパートナーのエデュアルドは、パーカーの登場でフェイスブック事業のかやの外に置かれ、ザッカーバーグを訴える。
友情が破綻する瞬間の場面のホロ苦さが青春してます。
訴訟を起こしたエデュアルドも双子もハーバードという伝統ある大学の生徒であることを誇りに思い、そのブランドにこだわっているのに対し、ザッカーバーグは学校になんの思い入れもないのが対照的。
そのことが天才と凡人の違いを表しています。
双子が学長にザッカーバーグにアイデアをパクられたことを訴えに行って、学長から「それを越えるアイデアを出して見返せ」的なことを言われ、その上親のコネで面会に来たことをののしられ追い返されるところがちょっと痛快でした。
この映画、事実を元にしているとはいえ、映画関係者はこの登場人物の本人たちを取材出来なかったそうです。(逆にいえば事実に縛られ過ぎることを避け、距離をおいた)
訴訟の結果からすれば、この作品が出来ること自体おかしいし、どこまで事実に忠実かもわからないけど、映画としては面白いので全然ありだと思います。
あとエデュアルド役のアンドリュー・ガーフィールドが次のスパイダーマン役だと知ってびっくり!