「大日本人」も「しんぼる」も心から楽しめませんでしたが、見終わってからも尾をひく作品でした。
両方の作品ともわかりやすい方向性を提示しながら、終盤一気にひっくり返し、客をぽかんとさせていました。
なんという大胆な、危険な作家なんだろう。
「大日本人」は巨大特撮ヒーローをリアリティを持たせる試みとして、擬似ドキュメンタリーの手法で始まりながら、変身後のCGではリアリティのないナンセンスな怪獣ショーになり、ラストは着ぐるみショーまで落ちていく。
今回の「しんぼる」は「CUBE」的なソリッドシチュエーションスリラーのパロディになっていた。
それだけなら多くの人が楽しめるコメディだったのを後付けのオチに合わせ肉付け。
その結果、見るものほぼ全てをがっかりさせるオチがついてしまった。
白い部屋でのおかっぱ男の悪戦苦闘はわりとちゃんとコントになっていて楽しめた。
しかし、そのシチュエーションを成立させる為の仕掛けが、わかりやすい後付けだからたちが悪いのだ。
放送作家じゃない脚本家と協力すればもっと映画らしいケリがつけられたと思います。
TVでやってる作家と考えてもTV的な発想を抜け出しのは難しいかも。