悶々デイズ(57) | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

ドラマティックなことは、人生において起こらない人間であるぼく。 

しかし、萌ちゃんの生活はなかなか波乱にとんでんいる。 

それがどこまで真実かは計り知れないが。

フーゾクデビュー1か月でお店のNo.1になり、2か月目には妹さぇちゃんをお店に入れて姉妹フーゾク嬢としてお店のファンサイトで大きな話題になる。 

しかし、おじいちゃんの急激な体調悪化により、隣県の病院からお店へ通うという忙しい日々が彼女を襲う。 

しかも生理とのWパンチ。

先月の生理は大いに彼女を苦しめ、フーゾク生活のせいでいつもと違う出血に病院に駆け込んだほどだった。

そんな生活をしながらも、時折ファンサイトに降臨する彼女はまるでエロスの求道者でAV研究の報告なんかをして、客を煽り続ける。 

で実際に会うと部屋を顔がわからないくらいに暗くしていたりする情緒不安定ぶりだ。 

1週間の音信不通のあとの営業メール。

やっと会える。 

でも心は踊らない。 

「お待たせしました。
どうぞ!」

カーテンの向こうで萌ちゃんが待っていた。 

「あっ、メールくれれば良かったのに」

メールはきのうまでほぼ毎日送っていた。 

それはまるで無視されていた。 

「直接会えるからしなくていいかと思って…」

例によって部屋はどんよりと暗かった。 

「部屋暗いね」

「そう?
わたしおかしいかな」

明らかにおかしい。 

こんな暗い部屋にいたら気が滅入る。 

「なんか元気ないね?」

あなたのせいだ。

「ずっと連絡なかったから心配してた」

「ごめんね。
わたし友達いないから自分の携帯あんまり見なくて。
仕事がらみのことはお店のケータイ使ってるの」 

萌ちゃんにぎゅっと抱きつかれる。 

「ごめんね心配かけて…」

気持ちは高まらないが下半身だけは熱くなってきた。