「ふたりのベロニカ」のイレーヌ・ジャコブがモデル役で主演していたことしか覚えてなかったけど、改めて観るとこれが一番面白かった。
モデルのヒロインが車で犬を跳ねてしまい、とりあえず首輪に書いてあった住所に犬を届けにいく。
そこには気難しそうな老人が。
彼に冷たい態度で犬を押し付けられ病院へ。
犬の傷も癒え改めて老人に会いにいくと彼が近所の盗聴をしていることを知ってしまう。
モデルと盗聴老人との奇妙な関係がここから始まり、着地点の見えない物語が展開していく。
なんかちょっと不思議な雰囲気でひきつけら続けます。
ヒロインの隣人が説明もなく登場し、ヒロインと老人とニアミスしていくのですが、彼が老人の過去とも見事にリンクしてジャック・ドゥミの「ローラ」におけるセシル的な効果を出してます。
映像的にも美しいシーンが多く、イレーヌ・ジャコブと相まって「ふたりのベロニカ」を彷彿。
今回はラスト近くに「青の愛」「白の愛」の面々が登場し物語を意外な形でしめます。
トータル的にこれが完成度も一番高くてなんで今あまり顧みられないのか不思議な傑作でした。