女王様とぼく23 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

ぼくにとって浜崎あゆみ似の19歳の彼女は、かけがえのないものだということを実感し、彼女にとっても自分が多少なりとも必要な存在であることがわかった。(新しい店で早々とナンバー1になるための客としてだけど)

しかし、同時に他の男が彼女に自分以上に近い存在としていることも知ってしまった。

彼女と同世代のチャラい男と張り合って勝てる点など、きっと収入くらいのものだろう。

同世代の男性よりはかなり低いけど。

彼女の態度からもそれは解る。

解りながらも自分に求められるものが、それしかないことに失望するでもなく、受け入れることでしか彼女と関係をもてないのなら、その役割をきっちり果たすしかないのだ。

とりあえず3日と開けずまた新しいお店に顔を出した。

プレイ自体にもはや新しい試みをやったりということもなくなりつつあり、変わったことといえば店内の景色と彼女の制服ぐらい。

たまに彼女を待つ間に他の客の為にマジックミラーの中にそのお店の女の子達が並ぶとついつい見入ってしまった。

この中の別の子でもかまわないんじゃないかと思う。

思いながらも彼女と比べると、誰も彼女を超える魅力を持つ子がいないというところに落ち着く。

そしてプレイルームで彼女に会い、彼女の制服を脱がせ、彼女の全身をくまなくマッサージしているとあっという間にプレイ時間の半分が過ぎる。

だんだんプレイ時間に奉仕する時間がフーゾク嬢の彼女よりぼくの方が長くなってきていた。

そんなことをもんもんと考えるぼくとは対象的に、彼女はマンガ「ミナミの帝王」に夢中になっている。

この温度差はなんなんだろうか?

彼女はぼくが彼女のことを考える10分の1もぼくのことを考えていないだろう。

いやもっと少ないかも。

でもそれは仕方ないことだ。

ぼくに十代のかわいい女の子を夢中にさせる魅力などないのだから。



家に帰ると女子アナになった十年来の女友達から結婚報告のハガキが来ていた。

彼女は花嫁にもかかわらず黒いドレスでチャペルの前でナンチャン似の年下亭主と写真に納まっていた。

黒いウエディングドレスがあるなんて知らなかった。

そんな結婚式を望む人がこんなに身近にいるとも思ってなかった。

このセンスを受け入れるダンナもきっと苦労するんだろうなあとか思っているとケータイが鳴った。

黒いウエディングドレスで微笑む写真の彼女からだった。