丑三つの村 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

DVDが発売になり早速買って観ました。

津山30人殺しにどれだけ忠実な内容かはわかんないですが、製作が奥山和由というところをみると日本の「タクシードライバー」的な感じにも見えてきます。

村一番の秀才といわれていたのが徴兵検査に落ちて、ごくつぶし呼ばわりされ村八分状態に。

それまで自分に好意を持ってくれていたり、ヨバイかけたりしてた相手に冷たくされ、自分の戦場はこの村だと村人全滅作戦を実行するというなかなか日本映画にはなかった破壊的な内容で、性描写がけっこうすごい。

ラストの30人殺しは数が多いだけにあんまり凝った撮影ではないけど、頭の懐中電灯に照らされて逃げ惑う村人の描写は迫力あり。

今リメイクするとすごいことになりそう。

主人公と二人暮しのお婆ちゃん役の人は演技賞ものの頑張り。

田中美佐子は、かなり幼く見えるが当時24歳。

裸にもなるけど、裸なしでも名演。

とくに30人殺し中の主人公に会うシーンの大木にすがりついて号泣するあの顔は、すこぶる映画的。

あまり語られないキワ物映画だけど、ドラマもしっかりした傑作でした。