市内の中心部に大型書店があった。
あるとき店頭にかなりの人だかりがあり、どうやらそれはサイン会らしかった。
集まった人たちには、若い男女からおばちゃんまでおり、幅広い客層の中心にいる人をのぞき見た。
加藤鷹だった。
真っ昼間の書店の店頭で、AV男優がさわやかな笑顔でサインし、そのゴッドハンドでおばちゃんに握手。
こうらくえん遊園地で
ボクと握手!
と同じくらいのライトさで。
AV男優がここまで市民権を得るようになっていることにちょっと衝撃を受け、それ以来AVを見るときは、男優の方にも注目するようになっていた。
ななちゃんにマウントをとられたボクは、まな板の上の鯉だった。
ななちゃんの表情は、
イタズラする前の子どもみたいな笑顔。
薄暗さと視力の悪さで、自分の下半身がどういう状態なのか目で確かめられなかったが、徐々に圧迫されあたたかさに包まれるその感じは挿入のそれにそっくりでハッとする。
ガチガチになる。
セックスを超える快感に身を任せる。
でもまだ終われない。
ボクは手を伸ばし、彼女を抱きよせ舌を絡ませた。
今までで一番気持ちをこめたキスだった。
そのまま上下逆転し、ボクが上になり、彼女の身体の山々を舌で撫でアップダウンを楽しみ、よりみちしてじらしながら目的地に到着。
彼女の両腿をゆっくり開きイジリーの舌で刺激する。
加藤鷹の人差し指と中指が中へ滑り込む。
セックスなら挿入し頃になっていた。
すんなり二本の指は、中に滑り込み彼女の欲するところを探す。
ドント スィンク! フィ~ルッ
頭の中でブルース・リーが、
加藤鷹の人差し指と中指を絡めるポーズで構えている。
按摩さんのマッサージしている感じはこういうのかなと思う。
指先の感覚とその場の空気を感じて気持ちいいところを探る。
ななちゃんの身体にグッと力が入り脱力する。
それが断続的に何度か繰り返された。
ベッドに敷かれたタオルに染みが出来ていた。
ななちゃんは放心していた。
狭いベッドから落ちないように身体を寄せて、彼女を抱きしめた。