イブ・メルキオーの「THE RACER」を読みました。
人口増加が問題となっている未来では命掛けのカーレースが大人気のショーになっていた。
前年の優勝者ウィリーは、今回自己記録を上回る結果をだすことを目標にレースに参加していた。
このレースの見所は通行者を跳ねることで得られる犠牲点。
その残酷さに反レース派の妨害にあうことも少なくなかった。
今回のレースでタイムによるポイントで苦戦するウィリーは犠牲点での巻き返しを狙う。
そしてオクラホマ郊外の映画館で記録的なポイントを稼いだ彼はルール違反を承知で、現場を見に行く。
そこで見たものがきっかけとなり、彼はトラウマを抱えレースは思わぬ方向へ展開していく。
この作品も映画とは大きく違っていました。
「デス・レース2000年」の方はレースのルールを踏襲していましたが主人公は明らかに別人です。
しかも映画のブラックコメディ色はなくシリアスな物語。
この原作を長編として映画化したポール・バーデルは素晴らしいエンターテインメント魂の持ち主であると断言できます。
低予算なのに原作を数段スケールアップしてデス・レースをしっかりショーとして成立させているのだから。
個人的には原作以上に「デス・レース2000年」の方が楽しめました