まぼろしの邪馬台国 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


会社にタダ券があったので「まぼろしの邪馬台国」を観に行きました。

題材に全く興味はなかったけど、「ICHI」で気になる存在だった窪塚洋介が出ているので観たくなってきたのもあったし!

これはある一面「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」級のワンマン社長の一代記でありながら、吉永小百合のスター映画でもある見所満載な映画でした。
興味のない人にもどこか引っ掛かる(いい意味で)娯楽大作です。

竹中直人演じる目が見えないけど健常者以上にエネルギッシュな島原鉄道の社長は、身近にいたらちょっと迷惑なほどのワンマンぶり。
そんな彼を支える後妻の小百合。

竹中直人と吉永小百合が夫婦を演じるのは年齢的に違和感があります。

でもそんなのは観ている間にどうでもよくなる。

小百合マジックという他ない現象です。

そして今回の窪塚は、社長にたてつく組合運動かぶれ島原鉄道の社員(「魔界転生」で島原の乱の天草四郎の役を演じた窪塚だけになんだか因縁めいた感じ)。
彼もまたハマリ役でした。
さすが彼の出世作「IWGP」の堤幸彦だ。

彼の生かし方を熟知してます。

監督はこれまでの作品でかなりクセのある作風を見せてきたけど、こういうドラマがしっかりしていて役者がそろっているときは、正攻法の演出で素材の味を生かしてくれます。

ただこれまた思ったよりお客さんが入ってなかったのが残念。

題材が難しかったのか(原作が古すぎるせいか)?
タイトルがあんまり内容に即してないからか?
(タイトルの「まぼろしの邪馬台国」からイメージされる歴史ロマン的なシーンは実にあっさりしている。まあでも小百合サマの卑弥呼コスプレも登場するが)

笑って泣ける夫婦愛の物語ですごくヒットしてもいい仕上がりなだけに残念。

口コミで尻上がりな興行になればいいけど。