DIE WITH ZERO ゼロで死ね!
図書館で予約しておいた本だが、数ヶ月経って忘れた頃に通知が来て借りて読んだ。電車の中で数時間で読み終えた。
著者はビル・バーキンスというアメリカの黒人でヘッジファンドマネージャーで富豪。
どんなことが書いてあるのか。
何のためにお金を貯めるのか、
ひたすら貯めてどうなる、
あなたは、無駄に金をため込んでいる、
死ぬまでにお金を最も価値あるものと交換しておけ、
それは、経験であり、思い出だ、
思い出に満ちた、最高の人生をつくれ、
やりたいことを先送りするな、
そのために惜しみなく金を使え、
貯め方でなく、使い切り方を学べ、
手遅れになる前に、
お金は生きているうちに子供達に分配しておけ、
まぁ、こなようなことが書いてある。
アメリカ人の成功者だから、著者は富豪の一人だろう。彼の周りの人を見ても、金が増えていくばかりで、うまく使わず、そのまま死んでいく人が多いそうだ。
私には無縁な話だが、今のアメリカ人のアッパー層の多くは、株や不動産投資で金が貯まりすぎる傾向があるらしい。
金は、しっかり思い出に変えておきなさい、そして生きているうちに、喜ばれるように子や孫に与えておきなさい、ということだが、
確かに、ちまたにお金の稼ぎ方や投資本は溢れているが、貯めるな、使え、という主張は珍しいのかもしれない。
この本が全米でベストセラーであり、流行っているということだから、日本人の多くのお財布事情とは異なるのだろう。
それでも、著者の言う、お金は死んでは持って行けない、子孫に残すとしても、死ぬ前に渡しておいて、あとはしっかり思い出に変えておけ、というのは大事なことだろう。
残すほどのもののない私にはあまり関係ないが。著者の主張が一貫していてわかりやすく、米国の個人富裕層の事情が透けて見えるような、興味深い本であり、読書体験であった。