ゼロで死ね | 前立腺がん闘病封じ込め記

前立腺がん闘病封じ込め記

前立腺がんの診断を2020年1月に受けた。PSA640超、グリソンスコア8、多発的骨転移あり ステージ4で非常に悪い状態だ。手術・放射線は適応にならない。それでもあわてない、あせらない、あきらめない日々を送る。

DIE WITH ZERO  ゼロで死ね!


図書館で予約しておいた本だが、数ヶ月経って忘れた頃に通知が来て借りて読んだ。電車の中で数時間で読み終えた。


著者はビル・バーキンスというアメリカの黒人でヘッジファンドマネージャーで富豪。


どんなことが書いてあるのか。


何のためにお金を貯めるのか、


ひたすら貯めてどうなる、


あなたは、無駄に金をため込んでいる、


死ぬまでにお金を最も価値あるものと交換しておけ、


それは、経験であり、思い出だ、


思い出に満ちた、最高の人生をつくれ、


やりたいことを先送りするな、


そのために惜しみなく金を使え、


貯め方でなく、使い切り方を学べ、


手遅れになる前に、


お金は生きているうちに子供達に分配しておけ、


まぁ、こなようなことが書いてある。


アメリカ人の成功者だから、著者は富豪の一人だろう。彼の周りの人を見ても、金が増えていくばかりで、うまく使わず、そのまま死んでいく人が多いそうだ。


私には無縁な話だが、今のアメリカ人のアッパー層の多くは、株や不動産投資で金が貯まりすぎる傾向があるらしい。


金は、しっかり思い出に変えておきなさい、そして生きているうちに、喜ばれるように子や孫に与えておきなさい、ということだが、


確かに、ちまたにお金の稼ぎ方や投資本は溢れているが、貯めるな、使え、という主張は珍しいのかもしれない。


この本が全米でベストセラーであり、流行っているということだから、日本人の多くのお財布事情とは異なるのだろう。


それでも、著者の言う、お金は死んでは持って行けない、子孫に残すとしても、死ぬ前に渡しておいて、あとはしっかり思い出に変えておけ、というのは大事なことだろう。


残すほどのもののない私にはあまり関係ないが。著者の主張が一貫していてわかりやすく、米国の個人富裕層の事情が透けて見えるような、興味深い本であり、読書体験であった。