義父との言い争い

 

 

妻の両親にそれとなく不動産投資の話を伝えたことがあります。

 

事前に妻にもお義父さんに不動産投資の話をしておこうと思う、と話をしたとき妻の反応はよくありませんでした。

 

お義父さんは意見をはっきり言うし、主張も強い。

 

もし意見が違った場合、納得してもらうのは大変だと、いうのです。

 

たしかにその通りだと、普段の義父の言動からも容易に想像はつきました。

 

それでも、私は話をしておきたかったのです。

 

 

 

 

私達夫婦の不動産投資報告は、みんなで和やかに旅行をしている最中の出来事でした。

 

その日は箱根で観光し、雰囲気のある落ち着いた宿でおいしい夕食を食べてゆっくりみんなでくつろいでいた時です。

 

たわいのない話をしながら談笑しているときでした。

 

いつか話はしておく必要はあると思っていました。

 

でも別に認めてもらう必要はないと思っていたし、単なる報告のつもりでした。

 

反応はこんな感じでした。

 

【妻の母親の反応】

『ノーコメント(というより父親の反応が強すぎてコメントを挟めない)』

(後日、別に報告する必要はなかったんじゃない。自分で決めたことなら好きにやればいいのよ、とフォローしてくれました。)

 

【妻の父親の反応】

『銀行から借金して賃貸経営するということ?』

『銀行の借り入れを甘くみないほうがいい』

『事業経営はあらゆるリスクを想定し対処できるようにしておかなければならない』

『今すでにいい会社に勤めているし十分な給与ももらっているのではないか?』

『なぜ不動産投資などリスクを冒してまでお金を稼ぐことに執着するのか?』

『家族を露頭に迷わすことになるかもしれないぞ』

『もし僕があなたの立場なら、リスクは冒さず勤め先の仕事にまい進する』

 

 

お義父さんからの反応が強烈すぎていきなり面喰いました。

でも、すぐに気を取り直して一つ一つ十分時間をかけて話し合うことにしました。

ただ、お義父さんは理屈というより、感情的な面で納得できなかったようです。

 

お義父さん自身、従業員100名程度の中小企業を25年以上経営してきて、本当に大変な思いをしてきたようでした。銀行の借り入れについてもいい思い出はなく、むしろ苦しい経験をしたと教えてくれました。

 

僕にとって予想外だった理由は、実際に義父自身が(無借金ですが)不動産投資をやっておりそれなりに理解はあるのではないか、とおもっていたからです。


自分の娘は安定した会社員と結婚したつもりだったのに、なぜリスクを冒すのか、理解ができない、という感じでかなり強い口調での反論でした。いや、もはや抗議でした。

 

そんな男と結婚させたつもりはない、とでも言わんばかりの剣幕でした。

 

 

義父の過剰な反応には、私との大きな価値観の違いが原因のように思われました。

 

義父は仕方がなくリスクのある環境で仕事をしてきた人です。

 

創業社長として、一から取引先を開拓しサービス向上に努め、社員から裏切られてもなお支え続けるという私には到底到達できないような大変な思いをされたんだろう、と思います。

 

義父の中では、事業で成功したものの妻にも子供にも大変な思いをさせてきた、という気持ちがあったのかもしれません。

 

娘婿は、リスクのない仕事をしている(大企業勤務を義父はそう捉えているようでした)にもかかわらず、大きなリスクを背負おうとしている。

 

到底理解できない。

 

既に十分な給与も確保している中で、なぜ引き受けなくてもよいリスクを引き受けようとするのか?理解不能。どうなっているのだ。

義父からすれば危険なことに手を出す前にやめさせなければ、そんな想いだったと想像します。

 


 

 

 

これまで私と義父の関係は良好でした。

 

私の仕事内容についてもよく理解してくれていて、よく業界の情勢についてニュースがある度によく議論をしていました。

 

実際、私は自分の仕事について熱くお義父さんと議論することもあったので、私の仕事についての取り組みは一定程度理解と評価をしてくれているようでした。

 

普段仕事熱心で、家庭も大事にする平和主義の娘婿が一体なにを血迷って不動産投資などやるのだ、、、、という感じで猛反発してきたのです。

 

最初は私も義父の過剰反応にびっくりしつつも、あまりにも反論されるので、根本的な対応が必要だと思い私の価値観や不動産を始めるに至った動機を徐々に伝えることにしました。

 

私自身、自分や家族の人生をかけてスタートした不動産投資だったので、その強い思いも全部伝えました。

 

自分が不動産投資を目指した理由。

 

  • 会社業務の過労で、いくら大企業だからといって雇用は約束されているわけではない
  • 自分の力で稼ぐ力は今後必要になってくる
  • 会社の信用力を生かして最もリスク・リワード上有利なのは不動産投資であること
  • いざというとき障害を持つ家族を支えることができるだけの蓄え(お金)が必要だと考えている

 

 

自分で振り返ってみて、自分が過労で入院したこと自体は苦い経験でしたが、自分が目覚めるために必要な経験だったと感じています。

 

そして、支えるべき家族がいて、そのためにはいざというときのためにお金を作る必要があった。

 

財産は一朝一夕では作ることはできません。

 

お金は、『ありがとう』が顕在化したものだと考えています。

 

人から感謝されることで、給与・お小遣い・契約料・サービス料など様々な形をとりながらお金という形で現れます。

 

貯金=(他人に感謝され頂くお金)-(自分が他人に感謝した時に渡すお金)

 

 

差がプラスの場合は、自分のもとにお金が貯まっていく。

その差がマイナスの場合には、自分のもとからお金が減って、他人のもとにお金が貯まっていく。

 

そうやって、世の中は循環しています。

 

より多くの人に、多くの価値を与えることができた人が大きなお金を手元に残すことができる。

 

当たり前と言えば当たり前です。

 

会社員の場合、自分は会社の看板で仕事できるいい面がある一方、自分にはお金は残らない仕組みです。実際に価値を与えているのは、会社の役割が大きいからです。

 

自分の手元にお金をのこしたいのであれば、会社組織ではなく、個人が全面に立ってサービスを提供する必要があります。もちろん、自分の果たす役割や責任は大きくなります。

でもそれであるが故に、お金も自分のもとに集まってくるのです。

 

この辺りについても、お義父さんと一晩中議論しました。

 

ふたりとも議論好きですし、とことんまで話すタイプなので話はどんどん深まり、人生観やお金の価値観などにまえ及びました。

 

この時は、お義父さんは私に対して多少の驚きがあったのかもしれません。

でも、とても二人にとってよい口論、いや好論となりました(笑)。

 

 

この出来事がきっかけで、その後たまに不動産の決算報告などもお義父さんにするようになりました。

 

私が良く管理しているし、状況や税制等をよく理解し、適切に対処しているとわかってほしかったからです。

 

さすが元経営者。数字を言うと、すぐに頭の中で計算して次から次に重要かつポイントをおさえた質問が出てくる。

 

それに、私もポンポン回答する。

 

それで義父は安心したようです。

 

それ以降はお義父さんから何も言ってくることはなくなりました。

 

むしろビジネスの話で盛り上がるようになり、とてもいい関係です。

 

 

私の両親と妻の両親、公務員と自営業、生きてきた環境が大きく異なる4人にいろんな話ができる環境が整い、とてもよかったと思っています。

 

 

(私の両親への報告はこちら↓)

 

 

結果オーライでした。

 

まあ、人生なるようになる。というか、なるようにしかならない。

 

話さないと何も進まない。ポジティブな結果かネガティブな結果かはわからない。

 

どちらの結果になっても、すべてを受け入れる、改善していく覚悟があればどうにかなるもんですね。

 

いい経験になりました。

 

4人の人生の先輩に感謝です。