2019年、あけましておめでとうございます。
当ブログにアクセスして頂いている皆さま、本年もよろしくお願い致します。
新年1回目は楽しい美術の記事から。
自分は2002年にインターネットに接続してから、検索サイトはずっとGoogleを使用しています。
Googleのトップ画像は通常は単に「Google」と書かれたロゴが表示されるだけのシンプルなものですが、特定の人物などにゆかりのある記念日等の場合、このロゴが楽しいイラスト画像に変化します。
多くの場合は「Google」の文字の雰囲気を残したままデザインが変化します。
たまにデザインが変わるだけでなく、動画やミニゲームに変化する場合もあります。
過去のトップ画像はDoodleというページでまとめられています。
https://www.google.com/doodles?hl=ja
今回はここから画像を引用させて頂き、有名美術家(おもに画家、一部彫刻家)の作品をモティーフにしたトップ画像を並べてみることにします。
登場する美術家は計28人、意外と面白い作品、作家の特徴をよく捉えた作品が多く、楽しいデザインになっているように思います。
以下、発表年代の古い順に並べます。( )はこのロゴが使用された日付です。
新しいものほどより自由なデザインになっているように思います。
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・モネ (2001年11月14日)
11月14日は印象派の画家モネの誕生日、これゆえトップ画像もモネ風に変化。
イメージはモネの「睡蓮」です。
下の方に睡蓮が描かれ、文字も植物っぽく変化しています。
・モンドリアン (2002年3月6日)
続いては20世紀前期の抽象画家、モンドリアン。
黒い線と赤・青・黄・白のカラーリングが、モンドリアンの「コンポジション」シリーズを思わせます。
・ウォーホル (2002年8月6日)
ポップアートの作家ウォーホルのシルクスクリーン作品(マリリン・モンローを描いたものなどが有名)のように、ロゴがカラフルに分割しています。
・ピカソ (2002年10月25日)
ピカソの1930年代の作品に登場しそうな顔がロゴの間からのぞく。
この顔は正面と側面を同時に描いているように見えます。
・ミケランジェロ (2003年3月5日)
イタリアルネサンスの巨匠ミケランジェロ。
ダヴィデ像がモティーフとして取り上げられています。
・エッシャー (2003年6月16日)
だまし絵風の作品を描く画家エッシャーの「描く手」が引用されています。
・ゴッホ (2005年3月29日)
イメージはゴッホの「星月夜」。
2005年は日本で大々的にゴッホ展が開催された年でもあります。
・ベラスケス (2008年6月6日)
スペイン・バロックの巨匠ベラスケスの「ラス・メニーナス」がモティーフ。
元作品では後部中央やや左寄りの鏡に王様夫妻が映っていますが、この画像では代わりに「O」の文字が映りこんでいます。
・シャガール (2008年7月7日)
中央の3作品はシャガールの「私と村」「緑のヴァイオリン弾き」「誕生日」。
左端の青いGと右端の赤い家は何の作品だろう?
・マグリット (2008年11月21日)
シュルレアリスムの画家マグリットの作品のイメージ。
背景は「ゴルコンダ」、中央は「人の子」、文字は「大家族」のイメージでしょうか。
山高帽、リンゴ、空と雲、という組み合わせは、マグリットの特徴をよく捉えているように思います。
・ポロック (2009年1月28日)
抽象表現主義の画家ポロックのドリッピング(ポーリング)作品風のロゴ。
うっすらとGoogleの文字が見えます。
色合いや線の雰囲気は本当にポロック作品のようです。
・ミュシャ (2010年7月24日)
アール・ヌーヴォーの画家ミュシャ。
右側の人物はミュシャの「四季」より「夏」。
植物もアール・ヌーヴォー風のデザインになっています。
・葛飾北斎 (2010年10月31日)
北斎の「富嶽三十六景」より「神奈川沖浪裏」が描かれています。
・セザンヌ (2011年1月19日)
セザンヌの作品に登場しそうな静物:果物・お皿・壷が並び、Googleの文字を形作っています。
・岡本太郎 (2011年2月26日)
「l」の文字が太陽の塔に変化。
他の文字や太陽の塔の周辺のクネクネも、岡本太郎っぽいデザインです。
・横山大観 (2011年11月2日)
近代日本画の巨匠、横山大観の作品から「群青富士」が取り上げられています。
・リベラ (2011年12月8日)
ディエゴ・リベラはメキシコ壁画運動の中心人物。
フリーダ・カーロの夫としての方が有名かもしれません。
リベラの壁画作品は多数の人や物が描かれており、作品のどの部分からの引用かはちょっと自分には特定できません。
・キース・ヘリング (2012年5月4日)
キース・ヘリング風の可愛らしいデザイン。
赤・青・黄・緑の原色と、ポップな雰囲気。
Googleのデザインとキース・ヘリングは非常に相性が良いように思います。
・クリムト (2012年7月14日)
世紀末ウィーンを代表する画家クリムトの「接吻」が取り上げられています。
金箔の雰囲気もきっちりと再現。
・ロダン (2012年11月12日)
モティーフはロダンの有名な彫刻「考える人」。
・レンブラント (2013年7月15日)
17世紀オランダの巨匠レンブラントは多数の自画像を残した画家。
これは1659年の自画像と思われます。
・ロートレック (2014年11月24日)
フランス世紀末美術の代表者ロートレック。
左側はロートレック本人、右側は踊り子を描いたリトグラフ作品。
「GOOGLE」の文字は「ムーラン・ルージュのラ・グーリュー」へのオマージュでしょうか。
・カンディンスキー (2014年12月16日)
20世紀前半の抽象画家カンディンスキーの「コンポジションⅧ」などのイメージが、「Google」の文字風に並べかえられています。
・上村松園 (2015年4月23日)
「l」の字が、近代日本画の巨匠、上村松園の「序の舞」に変化。
他の文字も着物の柄風に変化しています。
・オロスコ (2017年11月23日)
ホセ・クレメンテ・オロスコもメキシコ壁画運動の代表者。
このデザインもどの作品の抜粋なのかはちょっと分かりません。
・藤田嗣治 (2018年11月27日)
パリで活躍した日本の洋画家藤田嗣治。
猫、メガネ、筆は藤田作品によく登場するモティーフ。
その他の静物もフジタ風で、これらがGoogleの文字を形作っています。
カラーリングや机の線の引き方も、20年代の藤田作品っぽい感じ。
・ムリーリョ (2018年11月29日)
スペインバロックの巨匠ムリーリョは聖母マリアを描いた作品が有名ですが、ここでは「窓辺の少女たち」が取り上げられています。
・クレー (2018年12月18日)
20世紀前期のドイツの画家クレーは、抽象と具象を自由に行き来するような、カラフルでリズミカルな作品が特徴。
20年代のクレー作品によく登場する矩形のイメージとカラーリングが楽しいです。
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以上、28点を並べてみました。
著名画家はほぼ網羅できている(たぶん)と思いますが、抜けはあるかもしれません。
この他にも音楽家や作家などを記念したロゴもたくさんありますので、ご興味のある方はDoodleのページで探してみても面白いと思います。