ピカソ その2 | れぽれろのブログ

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自分はピカソの30年代の作品が好きです。
ピカソの絵画史上の重要な仕事は、既にこの頃には終わっている気もしますが、
より自由な感じの画風と、キュビスム延長上にあるちょこっとした秩序との
微妙な組み合わせがすごく好きですね。
何というか、画面のバランスと線がすごく気持ちいいです。
色彩もこの頃は明るめです。
(一部シュルレアリスムの影響下にある不気味な絵や、戦争の絵などは別ですが)

ということで好きな絵をいくつか。


・鏡の前の少女(1932年)

鏡の前の少女

女の子の体の各部位が丸い形で現わされています。
そして顔も丸く、鏡も丸い。
横顔と正面が合わさった顔面キュビスム。
目立つ縞々。
絵のバランスがいい感じ。

・夢(1932年)

夢

柔らかな体の曲線。
ぱっくり割れた顔面。
しかし幸せそうな寝顔。

・花を持つ女(1932年)

花を持つ女

ここまで来ると人間なのか何なのか分かりません。
しかし、フニャフニャした曲線と画面配置が好きです。

・闘牛士の死(1933年)

闘牛士の死

ピカソはスペイン出身で、牛が登場する絵がかなり多いです。
ゴヤと並んで、闘牛の絵をたくさん描いた画家。
馬の雰囲気が、後のゲルニカに少し似ている気もします。

・座る女(1937年)

座る女

先日もちょこっと取り上げた絵。
正面と横顔を組み合わせた顔面キュビスム。
やたらカラフルすぎる服も楽しい。
手の雰囲気もいいですね。

・泣く女(1937年)

泣く女

絵画史上、こんなに泣いている人間はほかにありません(笑)。
強烈な絵ですね。

・ゲルニカ(1937年)

ゲルニカ

超有名作品。
ゲルニカを空爆するナチス。
慌てふためく群衆。
死ぬまでに生で見てみたい絵です。

戦後、これ以降、晩年になると、ピカソはより好き勝手に自由に
描くようになっていくように見えます。
(やや惰性で描いている感じもしないでもない)


ピカソは偉いのか?
ピカソは上手いのか?
ピカソはすごいのか?

よく問われることです。
自分は絵は描きませんし、絵画教育を受けているわけでもないのですが、
それなりにいろんな20世紀美術に接してきて言えること。
ピカソは20世紀の美術史の中で、やはり飛びぬけて面白い画家だと思います。
美術でも音楽でも何でもそうなのですが、
「偉い」「上手い」「すごい」から一旦離れてみると、
意外と面白い面が見えてきたりするものです。

好き/嫌いはあると思いますが、
ピカソは多作でいろんな絵を残していますので、
ご興味のある方はいろいろ調べてみると、
好きな作品が見つかるかも知れません。