夢の話 その2 | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

今日も夢の話。
といっても夜見る夢ではなく、今日は「将来の夢」のことを書きます。

小学校の頃など、「将来に何になりたいか」などということを
書いたりする機会があると思います。
自分の記憶によると、一番最初の将来の夢は、
野球選手と書いた記憶があります。
小学校低学年。時は1985年。阪神タイガースが優勝した年。場所は大阪。
この頃、クラスの男の子全員が「将来に夢は野球選手」と
書くような空気だったのです。
自分はスポーツに興味はなく野球なんかしないのですが、
空気に従い同じことを書いたような気がします。
みんな野球を見て野球の話をし、休憩時間には六甲おろしの歌声が教室に響く。
そんな時代。(←実話です 笑)
ということで、今でも野球だけはルールを知ってますし、六甲おろしは歌えますし、
バースや真弓の応援歌も歌えたりします。

その後、小学校の頃の夢は「美術館・博物館で働く人」になります。
こういうことを書いた作文が残っています。
父が美術好きで、家に美術全集なんかがあったりして、
ときどき展覧会などに連れていってくれました。
美術館・博物館の雰囲気が好きで、作品が好きで、
こういう環境で働けたらいいなという漠然とした思いが作文として残っています。
実際、どういう仕事をしているかを全く理解せずに書いているのですが・・・。
父はすぐに死んでしまいましたが、今でもその影響からか、
美術館や博物館に行くことは好きなのです。

中学生になると、作家になりたいと思うようになります。
本を読むのが好きだったからなのですが、確固とした情熱があるわけではなく、
仕事に出ていかずに家の中で原稿用紙に向かって、あれこれグニャグニャと
書いてるだけの仕事なんて楽やな、くらいの気持ちでした。
(←ものすごく消極的な理由・・・)
こんな後ろ向きな夢が現実化するはずもなく、すぐにあきらめてしまうのですが、
それでも国語や社会などが好きで、将来は文系を希望し、
高校は文系クラスに進むことになります。

高校生になり、将来の夢が具体化します。
自分が中学生・高校生の頃どんな状況だったかというと、
父は既に死んでおり、母が働いていましたが、女性の労働賃金は安く、
経済的にも切り詰めないといけない状態。
おまけに母は体があまり丈夫ではなく、ときどき入院したりする。
さらに、弟がいるのですが弟は学校にいっていない。
と、こんな感じで、いろいろと問題を抱えた家庭なのでした。

そんな中、将来の夢は・・・
 経済的に安定していること
 煩わしい家族関係・人間関係から自由でいられること
 趣味を楽しめる余裕があること
 就職に苦労しないこと
 上記を満足できれば、職種は何でもいい
という形で明確に具体化されます。
当時は90年代平成不況のど真ん中。
これらを満足するにはそれなりの大学に入り、
それなりに安定的な企業・組織に就職する必要があります。
文系よりは断然理系の方がいい。
ということで、担任の先生に頼み込み、高校2年生のときに
理系クラスに編入させてもらうことになります。
ラッキーなことに、自分は意外と数学ができたことが功を奏し、
理系クラスに入ることを許されました。
自分はどちらかというと、周りに流されてなんとなく生きているような
子供だったのですが、今考えると、このときが唯一自分で明確に意思決定し、
人生の選択を行った瞬間だったと思います。

もう一つ幸福だったのは、父の死亡退職金と生命保険で
そこそこのお金が残っていたことです。
しかし兄弟が私立大学だとお金が足りないので、
何とか公立大学に行こうと頑張ることになります。
(公立は私立に比べるとびっくりするくらい学費が安い。)
で、いろいろありつつも無事公立の大学に合格し、工学部に進みます。
しかし、授業内容がハイレベルで、しかもそもそも工学部の授業内容に
大きな興味があったわけではなかったので、
大学に合格してから結構苦労することになるのですが・・・。

そして現在。
高校生の頃の夢がどうなったかというと、幸福なことに、
実は完全に夢が実現しているのです。
就職にさしたる苦労はしませんでしたし、仕事はハードですが
比較的給与は安定しており、経済的にも余裕がある状態。
休日もそれなりに休めますし、一人で好き勝手に生きています。
美術館などにもフラフラと遊びに行ってますし、作家ではありませんが、
ブログで好き勝手な文章を書いている。

しかしこの生活にも問題があります。
会社の経営も盤石ではなく、何度も構造改革(リストラ)を実施しましたし、
自分もいつクビになるやも分かりません。
幸福なことに今は比較的健康ですが、もし体を壊したら・・・。
何かが間違うと、今の生活はガラガラと音を立てて崩れる可能性がある。
30を超えましたが、家族・友人・親戚・その他コミュニティとの関わりは
どちらかといえば希薄なほう。
本当はもっと社会と繋がっていくような生き方をしないといけないと思いつつ、
今割と幸福なので今の生き方を変えられない。

ということで、今の自分の問題は、次の夢・目標がないこと。
ときどき「これでいいのか」などという思いに囚われたりします。
人間とは贅沢なものですね。