なかほら牧場を経営している、中洞正さんと、

奇跡のリンゴの木村秋則さんの講演会があったので、母校を訪れたのです。

その時の話です。


 

 

コロナ禍ですから、学校の正門でも講堂でも厳重にチェックされます。

キャンパス内は人は少なくて、学生は殆ど見かけませんでした。

講演会が終わって、帰ろうかと思ったところで、声がしました。


 

●7/30 年の神

久しぶりだな。

寄って行け。

(えっ、お社ですか?)

わかるか?

(はい。でもコロナ禍だから勝手に行っていいのかな…わかりました。行ってみます)

何かの催しか?

(はい。中洞さんの出版記念対談です)

いい話が聞けたか?

(はい。面白かったので、もっと聞きたかったです)

 

 

 

 

ここから社へ向かいます。

新しくなった校舎の中にポツンと鳥居と小さな社が見えてきます。

周囲はメタセコイヤの巨木が林立していて、ちょっとした森の中をイメージさせます。


 

社の所へ行くと、お掃除している方がいらしたので、しばらく脇に寄って待つことにしました。

その間にも講演に来た方々が、大学にある神社をめずらしそうに参拝していきます。


 



 

▽社の脇

来たか?

久しぶりだな。

都会の様子も変わったであろう。

(大学がすっかり変わりました)

いつか、来るだろうと思っていた。

神の意志を継ぐ者に告げよ。

人助けを…。

(ここで参拝者が訪れて、聞こえなくなりました)

そのまま、引き続きこの地にいるが…。

(聞こえてくる言葉が、とぎれとぎれです)

書けるか?

心配ないと伝えろよ。

ここのいる限り、心配はいらぬ。

心も体も異常はない動けるだけ、動け!

 



 

と、ここでお掃除が終わったようで、お掃除されていた方がこちらに振り向きました。

 

 


 

 

私「あら?先生じゃないですか!千春です。ご無沙汰しています。

なぜ、先生がお掃除しているんですか?」

 

そう、恩師です。掃除をされていた方は恩師でした!

先生も驚いた様子で、

 

先生「ああ、お元気そうですね。

いつも掃除をしているんですよ。本当は朝がいいのかもしれませんが…。

ここへ来て掃除をするのが日課になっています。

千春さん、なんでここにいるのですか?」

 

私「中洞先生の講演があったからです。終わって、帰ろうとしたら呼ばれたので来てみました。

そしたら、先生がここにいらしたので、びっくりですよ!」

 


 

 

と、年の神が社へ呼んだのは、恩師がいつも掃除に来ているのを知っていたからでした。

いつもは柵がされていて、中には入れないようになっていますが、この時は先生が、中に入れてくれました。

 

先生「私にはわからないから…。掃除が終わったので中へどうぞ」と。

 

鳥居の中に入って、びっくり!ものすごい気が流れています。

社のうしろの方から、強い気が鳥居に向かって流れています。

 


 

私「わぁ、先生、ここ、凄いパワースポットですよ!ほら、ここからこう、凄い気が流れています」

先生「いや、本当にそうです。(鳥居の紙垂を指しながら)これが揺れるのでわかります。それに農大からコロナの感染者が出ませんでした」

←クラスターにならなかたと言っているようでした。

 

私「この神は活き神ですよ。活きています。ここにいたらいいアイディアが授かるんじゃないですか?」

先生「はい、ここで掃除をしているといいアイディアが浮かぶんですよ。ここの神さまは厳しい神さまじゃないですか?」

 

 

 

私「厳しいというより、カリスマ性が強い神かなぁ?頼りになる神ですよ」

先生「カラスがよく、この周りで騒いでいるので…厳しい神じゃないかと」

 

他の人は近寄りがたいと言いたかったのかもしれません。

ここで先ほどの講演の帰りに鳥居を見つけて、参拝にくるお客さんがいます。

 

先生「あ、どうぞ、中に入ってください」

参拝客「ここにはどなたが祭られているのですか?」

 

ああ、そうか知らないんだ。そうだよねぇ。

だって何も書いてない。幟もない。

 

 

 

 

私「豊受大神です」

先生「伊勢の外宮の神様です」

参拝客男性「なぜ、ここに神社が?」

先生「昔からここにあったのですよ。千春さんの時は屋上にありましたね」

私「以前は、建物の屋上にあったのですが、建て替えで下におろしたようです」

男性「ああ、そうなんですか」

 

と、手を合わせると、

年の神「体にきをつけろよ!」と言います。

病気のことを言っているようです。

でも、この時は私も黙っていました。

 

 

 

また違う、参拝客です。

女性3人「ここにはどなたが祭られているのですか?」

先生「伊勢の下宮の神様です」

私「豊受大神です」

女性「ああ、天照大神のお食物を司る神様ですね」

先生「よく、ご存じですね。どうぞ、中に入ってください」

 

女性3人の参拝者が入ると、また、「#$%」と言っていました。

参拝者、一人ひとりに声をかけてくれているんだ。

 

先生「今日は多くの方が参拝してくれたから、神さまもよろこんでくれていると思います。

○○先生(←以前の学長です)が、ここに降ろしたんです」

私「あ、私、○○先生にも本を送りつけちゃいました!」

 

 

 

 

先生「ここを鎮守の森にしよう!って。ここは丁度、神社の森のようじゃないですか」

私「凄い、パワーだから、いいんじゃないですか?キャンパスの中に神社がある大学なんて、そうそうないと思いますよ。

学生さんも参拝にくればいいアイディアが浮かびますよ!」

先生「好きな人が来てくれればいいかなぁと思います」

←学生さんは興味がなさそうな、そんな雰囲気でした。

 

先生「○○先生は今、隣の研究室にいるんですよ」

 

 

しばらく話をしてから、掃除用具を袋に入れ、柵をしめながら、

 

先生「ここに柵を付けたのは事務です。なくてもいいかなと思うんですけど…」

私「柵があった方がいたずらされなくていいんじゃないですか?」

 

掃除用具が入った袋を肩にかけながら、

先生「いつもこうやって、持ってくるんです。アッハハハ!

それじゃ、私は研究室に戻って論文を書きます!千春さんも、お元気で」

 

と、言って先生は去っていきました。

 


 

 

▽年の神

いい出会いができたな。

(はい。びっくりしました!)

仕事は順調だ。

そのまま進め。

ここもそのうち変わる。

アマテラスも呼んでこよう。

(○○先生が呼んできてくれるでしょう!)

かたじけない。

(この大学に人が集まるといいですね)

はははっ!

ここが主(首?)だ心配するな。

(ここで急に気を感じなくなった)


 

おしまい