↓こちらの続きになります。

 

 

 

 

●5/14 藤社神社

いい景色だ。

(景色?)

……。

(あれ、しゃべらなくなった)

賢所の意識を感じるな。

(あら、年の神さまではないのですか?)

 

 

年の神のことを知っているのか?

(ここは年の神さまが祭られているのではないのですか?)

「ひぬまない」(比沼麻奈為)という神社へ行ってきたか?

(はい。行きました)

比沼麻奈為とここは二つで一つ。

(あら、そうだったんですか!?)

 

 

言葉を解する者であるなら、わかるであろう。

二つにしたわけが…。

(何か意味深ですね…)

働きが違う。

(何か働きがあるということですか?)

いかにも。

働きは仕組みともいう。

生きている間に…

(急に眠くなってくる)

 

 

働きはアマテラスによって行われる。

(Zzzz…)

今、ここにいる神は藤のように風に吹かれる。

死んだ者たちを弔う形の神社だ。

ここにいる者たちは、この地より日の当たる場所へと移動する。

垣根を超え、生きた民の中に浸透する。

祭祀を司る神が、次の世に意識を運ぶ。


 

名前をなんというか?

(私ですか?)

「ひぬまない」の仕組みを知る者だな。

(しりません)

 

 

笛を吹く者たちの息の根を止めよ!

(政府のことですか?)

残酷なことも、生きながらえた者もこの先に起こる…。

(うわぁ、眠い…)

 

 

はっきり言えば、春という字を掲げた者が賢所の意識に従う。

この地を訪れる意志を持つことで、言葉…。

(Zzzz)

を引きつぐ。

羽子板のように羽を返し、賢所へ向けて放たれる。

その力は…。

(Zzzz)

つい立を乗り越えて、門が開く役目の者。

 

 

(春の字ですか?)

名前の中につづれし、過去の意識。

(春の字にはどんな過去の意識が込められているのでしょうか?)

&%$(←頭の中にミミズが這ったようなものが、二つ浮かぶ)

(アヒルクサ文字ですか?←覚えているうちに急いでしらべる。ヒ?フ?、シ?エ?)

&%$#

(文字では解読できません)

不二に込められた春は、かぐや姫。

(なんで春なんですか?)

 

 

いざわの宮に住む、アマテラスの意識。

(いざわって伊勢のですか?)

理解できたか?

(いざわと、かぐや姫って関係あるのですか?)

いざわには活き神がいる。

太古の意識だ。

(誰の意識ですか?)

そのことは言えぬ。

(ふむ…)

 

 

瀬織津姫という。

(瀬織津姫の意識がいざわの宮にあるということですか?)

いかにも。今、その地にある意識が発動しだす。

その合図が春の日だ。

(春の日ですか?「かすが」ですか?)

いつかその力を持つ者が現れる。

深いねむりから覚めるしくみだ。

(いざわには賢所と瀬織津姫の意識が眠っているということですか?)

 

 

仕組みは不二だ。

(不二とは?)

不死の魂を扱う。

(春がかぐや姫?)

春がかぐや姫。

(私のことですか?竹野神社で「かぐや姫」って言われました)

いつ言われた?

(十日前です)

春が来たということか!?

(ここは藤の花がきれいなところですね)

 

 

フジとは不二。

(不死の魂?)

長い間に世は変わり、この森も変わった。

名前をなんという?

(私ですか?)

かぐや姫。今の名は?

(…千春です)

やはりそうか!

この意識を感じる者はそうそういない!

(ふむ、ところであなたは、どちらの神さまですか?

年の神でも賢所でもない…)

 

 

深い意味はない。深い意味はない。

千春に不二の力を授けよう。

その力をもってすれば、古の封印が解けよう。

(封印?)

そう…。

(わぁ、体に何か入ってきた!なんかビリビリしてくる…あら、エネルギーが変わった?動きがなくなったな…目が覚めたような、そういうはっきりした意識に戻された)

今、この地の封印を解いた。

賢所に届くであろう。

いざわに封印された意識が動きだす。

(それって、伊勢から動き出すって言うことですか?)

伊勢は目くらまし。

今にわかる。賢所はいざわ。

瀬織津姫と一緒にいる。

…。

(きこえなくなった)

 

藤社神社を後にして、比沼麻奈為神社へ向かいました。

 

つづく