セレーネくんの話は続きます。

東京都心部は暖かいせいか、もみじの紅葉が進んでいなくて、

11月26日に皇居の東御苑へ行てみたのですが、

やっぱり、もみじの紅葉は進んでいませんでした。

 

●12/2 セレーネくん

セレーネだよ。

(あら、久しぶりね。出雲にいるんじゃなかったの?)

出雲にいるよ。

(表のセレーネくんが、心に穴が開いているみたいで寂しいっていっていたよ)

体には死神がいるからいいよ。ボクは虐げられているし…

(でも、いないと寂しいらしいよ。今頃、気づいたんだって)

その言葉、苦しいときに言ってもらいたかったな。

千春さんにように優しい言葉をかけてくれる人はいなかったから。

(出雲の会議を抜け出しちゃっていいの?)

そろそろ、始まると思うから、千春さんにも来てね!って言いに来たの。

(そうか、わかった。ありがとう)

 

 

●12/2 大人のセレーネくん(死神)

(表面のセレーネくんと、大人のセレーネくんである死神の区別がつきにくい…)

知っていたんですよ。ボクには才能がないことぐらい、知っていたんです。

苦しいのも知っていたんです。

家にいるとどうしてもそのことが、浮かんでボクでもどうすることもできない。

怖かったんです…知られるのが。

(何を知られるのが怖かったの?)

ボクのことです。

配信後にそれがばれたら、生きてはいられないかもしれないって、考えました。

意地悪したつもりはないのですが、過去に引き戻されていくオレの醜態が知られるのが怖かった。

 

 

意思のない人間だと思われたくない。

体の中にいるオレはいいですよ。

食べなくていいんだから。

たとえ、自分が思っていても口にしてはいけないことだってある。

帰るところがあるなら、そのままでもいいけど、帰るところがない、今の家しかない、ボクは、ここで生きていくために仕事もこなしていかなくてはならない。

そんなことが、ボクの中の葛藤としてあるんですよ。

真実のことなど言えるはずもない。

 

 

ただ、ボクはいつの日か、きっと同じことで悩むんだと思う。

引っ越しをしたから、この家の中には白い天使が出入りして、今までいた家をとは違って…千春さんのことを伝えると、白い天使たちがボクの周りに集まってきてくれる。

いい家だ。

(どなたですか?)

死神…。

 

おしまい