史上最も無能な征夷大将軍
やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。
後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。
怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、
何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
Audibleで30時間超の大作。
聞き終わるまでに1ヶ月かかりました。
紙の本を読んだ方が早かったかもしれないけど、図書館で予約してあったのに待てど暮らせど来ないんだもん。
もうキャンセルしちゃいました。
でもAudibleにして良かったです。
菅沢公平さんの朗読が素晴らしくて、ドラマ見てるみたいでした。
多人数の演じ分け(しかもおっさんだらけ)お見事でした。
面白かったです!
今まで読んできた足利尊氏の中でいちばん魅力的な尊氏でした。
と、いってもこの時代はあんまり読んでないんですけどね。
南北朝ってなんか面倒くさい…(^_^;)
面倒くさくしている根源は後醍醐天皇。
二枚舌、朝令暮改、手のひら返し…
幽閉されようが島流しにされようが蘇ってくる。
もう…なんか怖いよ。
一方の尊氏はのほほんとして何とも頼りないんだけど、不思議と人望がある。
直義や師直は、尊氏のことを「間抜け」「能天気」「中身のないずだ袋」だの、それはもうけちょんけちょんに貶しているくせに尊氏のことが大好きで、ひたすら実直にフォローしている。
その三人の関係性がとっても楽しかった。
日頃やる気のない尊氏が、弟のピンチに駆けつける時だけミラクルパワー出しちゃったりね。
もう君たちずっと三人でわちゃわちゃしてて欲しかったよ。
最終章で袂を別つてしまってからは寂しくて切なくて。
南北朝、意外と面白いです。
面倒くさいとか言ってないでもっと読もうと思います!