近隣住民を刺殺したとして殺人罪に問われ、全国初の裁判員裁判(09年8月)で有罪判決を受けた無職、藤井勝吉(かつよし)被告(73)に対し、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は5月31日付で上告を棄却する決定を出した。懲役15年とした1、2審判決が確定する。裁判員が審理に参加した事件が最高裁で確定するのは初めて。

 上告審で弁護側は「1審は被害者の落ち度を証明する証拠の判断を誤っており、憲法が保障した適正な訴訟手続きを経ていない」と主張。2審についても「裁判員が参加した1審を尊重すべきだ」とした最高裁の研究報告に沿う形で1審を維持したとして「三審制を採る我が国の裁判制度の根幹にかかわる」と訴えた。

 これに対し小法廷は「(憲法違反や判例違反など)刑事訴訟法で規定された上告理由に該当しない」とだけ述べ、実質的判断は示さなかった。4人の裁判官全員一致の決定。

 1、2審判決によると、藤井被告は09年5月、東京都足立区の路上で、近所に住む韓国籍の整体師、小島千枝(本名・文春子)さん(当時66歳)の胸や背中をサバイバルナイフで刺して殺害した。【伊藤一郎】

【関連ニュース】
殺人未遂裁判:被告が突然、起訴内容を否認 異例の展開に
裁判員裁判:殺人罪が傷害致死に…懲役8年判決 水戸地裁
タクシー強盗:19歳米兵に懲役3~4年の実刑 那覇地裁
裁判員裁判:「責任取ってから死んで」 死刑望む被告に
強盗強姦:裁判員裁判の1審判決、初の破棄 東京高裁

辻元・国交副大臣が辞表提出(読売新聞)
高速3社の会長、社長退任へ=天下り禁止推進で―国交省(時事通信)
大野一雄さん死去 「舞踏」を確立(産経新聞)
菅首相 90歳「師匠」楢崎弥之助さんがエール(毎日新聞)
エジプト エジプト・日本科学技術大学が開校(毎日新聞)