和歌山県太地町の町立くじらの博物館で飼育中の、雌のシャチ「ナミ」が、繁殖研究のため名古屋港水族館(名古屋市)に5億円で譲渡されることが2日までに分かった。国内のシャチの飼育頭数がわずか8頭と極めて少ない状況で、研究成果が期待されている。ナミは1985年に太地町沖で捕獲され、体長は5・60メートル、体重は2・7トン、推定年齢は26歳。水族館側は「海外で5億円以上の取引例があったという情報があり、決して高額ではない」と話している。

 名古屋港水族館は7年前にもくじらの博物館から年間5000万円で雌のシャチ「クー」をレンタルしていた。しかし交配相手を確保できないままクーは08年に病死。水族館側は研究継続のためナミの譲渡を打診していた。

 ナミは1985年に太地町沖で捕獲され、飼育年数は23年で推定年齢は26歳。シャチは学術研究などの目的に限って、水産庁の許可を得て捕獲できるが、生け捕りには高度な技術や大掛かりな設備が必要とされる。同庁によると、許可が出ても捕獲に数年かかることもあるという。

 水族館側は「野生のシャチの捕獲が難しく、環境保護団体などの反発も予想されるため譲渡をお願いした」と経緯を説明。金額は「取引事例がほとんどなく、価格は公表されていない。海外で5億円以上の取引例があったという情報があり、決して高額ではない」と、破格の額ではないとの見方を示した。

 水族館は、早ければ4月にも移送し、排卵日を特定するためのエコー検査など、繁殖に向けた研究に取り組む方針。国内で飼育中のシャチはナミのほか、自然繁殖に成功した千葉県の鴨川シーワールドの7頭のみだ。

 三軒一高太地町長は「クジラの町として、希少種であるシャチの個体数を増やす使命がある」と話している。

 “前任者”の「クー」も1997年2月、太地沖で捕獲され、2003年10月に同水族館にやってきた人気者だった。08年9月に病死すると、献花台が置かれて大勢の親子連れが別れを惜しんだという。

 昨年10月に「ナミ」の購入が検討されていることが判明。名古屋港水族館を管理する名古屋港管理組合では、購入費を新年度予算案に盛り込んで太地町と本契約を結び、夏頃に一般公開したい考えを示していた。

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