デカバンは狙って釣れ!!



ある年のことでした。

何時も正月は帰省して日本海の離島で地磯釣行が慣わしになっていたのですが、この年は大晦日から大時化に見舞われ、帰省期間中とうとう一度も竿を出す事が出来ない正月となりました・・・

悶々としながら故郷を後にし、春からホームグラウンドにしている和歌山へ行こうと逸る気持ちを抑え仕事に専念しておりました。

ところが、行こうと思う予定日が近づくと雨だ、風だ、低気圧だとことごとく嫌われ、とうとう夏前になってしまった。

私は一応小さいながらも会社を営んでおりますのである程度融通は利くのですが、以前皆さんが想像出来ないような道楽をしておりましたので、その反省から仕事を休んでまで遊ばないと心に決めていたのです。
そうなると自然と釣りに行ける日が定休日で、しかもお天道様のご機嫌次第になってしまうわけであります・・・

しかし、石鯛釣りはあくまでも遊びです。
誰に自慢する訳でなく、ただ行ける時に自分流の納得できる釣りが出来れば十分なのです。

しかし!しかし!

限られた行ける日に行けないなんて・・・

あまりにも辛いじぁあ~りませんか!

行けたと思ったら外道のコロ鯛だ、イラだ、青ブダイだとことごとく石鯛に嫌われ、とってもストレスの溜まる1年を経過しておりました・・・

お盆の帰省時も、長男である私は年老いてきた両親の代わりに行事事だの親戚付き合いだのでろくに竿も出せず、出した唯一の日は潮が動かず、べた凪でとても石物が食い込む雰囲気ではなく、とうとうノーヒットでお盆帰省終了と、本当に踏んだり蹴ったりであった。

お盆明けに和歌山へ行こうにも、またまた低気圧だ台風だとことごとく嫌われた・・・

行きつけの渡船屋の船頭に恨めしく電話やメールを入れるも・・・

〇〇さん今年はホンマについてないな~
もう今日で何回目やろ?
お客さんようけおるけど、あんたみたいについてない人そないおらんで!アハハハハ

などと哀れがられる始末であった・・・


今年の石鯛釣りを諦めかけてた10月に実家から1本の電話が鳴った・・・

この歳になってくると、故郷から電話があるとドキッ!とするのであります。

親父に何かあったのか?母親に何かあったのか?親戚に何かあったのかと・・・

>はい、もしもし・・・

お~ワシや、お母さんが先日、町の定期健診で肺ガンの疑いがあると云われて精密検査せなあかんらしいは。

>えっ!肺ガン?
>肺ガンやったら、脳に転移するで!
>まだそこまで分からんのか?

わからん、田舎の病院に専門医がいてないから紹介状もらってきた。

>え~!それってかなりヤバイんちゃうんか?

わからん。診てもらわな・・・

>分かった・・・何かあったらまた連絡してくれ・・・


嫌な予感が最悪では無いにしても当たってしまった・・・つづく

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