「日本人の海外移籍」と「外国人の日本移籍」の現状 | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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日本人の海外移籍と言えば、トルコの木村沙織、佐野優子、スイスの橋本直子、アゼルバイジャンの井野亜季子、松浦寛子など。

外国人の日本移籍と言えば、2010期のキムヨンギョン(JT)、2011期のドミニカのデラクルス(デンソー)の活躍などが記憶に新しいです。ヨンギョンはどんなトスでも打ちこなす打点の多さと巧みにコースを狙える器用さがあり、デラクルスは豊富なジャンプ力とパワーでトスのブレを十分にカバーできる。この2人の成功は記憶に新しいインパクトを持ちました。

今季のVリーグ、海外リーグを見て思ったのは、日本のバレーが世界の中でも非常に特殊であるということ。それは悲観的ではなく、個人的に思うのは、最大の利点だということです。

◆Vリーグ
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今季の加入した外国人を個人的な目線で評価すると、
[NEC] イエリズ
[久光] エリサンジェラ
[東レ] エンライトand× ※怪我で帰国
[車体] カナニ
[JT] ヤネヴァ
[デンソー] ネーショビッチ
[パイオニア] スタエレンス

【狩野舞子と同僚だった2011/12期トルコLのイエリズ】

※白ユニの10番がイエリズ、8番が狩野舞子。相手はナズ、ヨンギョン、ソコロワ率いるフェネルバフチェ

【2012/13期NEC×東レのイエリズ】


イエリズはどちらのリーグ?セッター?が合ってるでしょうか。。。

【原因(1)攻撃型パワーバレーの欧州とディフェンス重視の日本バレー】
活躍を見ていると、イエリズ、エンライト、カナニはよくやってるかなと思いますが、他の選手は今一つ。怪我などもあるようですが、日本独特のディフェンス重視のバレーと攻撃の速さ・低さに戸惑いもある感じ。

JTのヤネヴァが大声で試合中にセッターの山口に対して、「なぜあんなにトスが低い?打てないじゃないの!いつも言ってるでしょ」というジェスチャーで怒っていたのが印象的でした。

更には、ブロックを抜ければ欧州はほぼ決まることが多いですが、どちらかというとVリーグのバレーはブロックを抜けてからが本番。とにかくしつこいので、外国人は欧州リーグ以上の集中力が必要とされ、その中で毎週末2連戦ということが更に重くのしかかり、なかなか本来のプレーができないようです。

【原因(2)ハードなスケジュールと日本語】
更に外国人が最も懸念するのが、スケジュール。欧州は、ほぼすべての国リーグが週末1試合制。ヨーロッパチャンピオンズリーグやCEVカップなどが週の途中に入るので、CEVに加盟している国のリーグは各国週末の1試合のみです。

しかしVリーグは、週末2連戦でほぼ毎週休みなしの厳しいスケジュール。更には練習時間も4~5時間/日で個人練習を入れると、7~8時間/日というチームも。それがほぼ毎日。欧州はチーム練習は2時間程度。個人練習などさほどやらないことが多いとか。

この練習量と試合数の多さに、外国人は疲労がたまり、また日本語は難しく、なかなかコミュニケーションが取れないので、厳しいとも聞きます。日本は待遇が良く、通訳はつくんですけど。ヨンギョンなどは自己意識が高く、どの国にいってもキャプテンシーがある選手なので、プレー以外の面でも本当に素晴らしい選手だと思います。竹下が絶賛するほどの行動をよく目にしました。

その中でもNECのイエリズは非常にチームの仲間ともコミュニケーションが取れて、色々とプライベートでも食事や温泉など行っているようです。それでもフィジカルの調整が難しく、日によって波があるプレーになってます。

去年の東レにいたマノン・フリールが
「日本はとても良い経験だったけども、非常にタフだった。グループ(東レ)の中では唯一の外国人で孤独だった。通訳者がタイムアウトなどいつも同行してくれたけど、異なる考え方や文化になれるのは簡単ではありませんね」的なことをコメント

2012-06-02 フリールが経験したVリーグの感想

欧州と日本というのは、文化、食事、生活習慣、バレー環境、バレーそのものの種類など全てにおいて違い過ぎるのかもしれません。

◆海外リーグ
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佐野優子は、どこに行っても活躍するでしょう。語学も問題ないように見えます。おそらく日本のセッター陣も。でもアタッカー陣はというと、以前セリエAに行った高橋みゆき、荒木絵里香も十分な活躍できず、荒木選手はワクフの木村と同じように、当時CL優勝したベルガモで控えのOPに甘んじました。

最も期待された木村沙織も断トツの強さを誇るワクフバンクで大苦戦。最近は控えのトルコ選手WSのOnalにも負けている様子。セッターのナズのトスのブレが、日本人のフィジカルでは対応できない状態でした。

アゼルバイジャンリーグの松浦寛、井野も選手層の薄さに苦労しながらも、上位と下位のレベルの差に苦戦中のようです。特に松浦寛子にとって、海外リーグがどのように見えたのかが興味があります。元々ロシア国土だったので、ハイセット地獄だったようにも見えました。またディフェンスの連携でもなかなか日本とは違う井野もディフェンスシフトに戸惑いがある感じです。

【CL2012/13予選第4節 ワクフバンク×RCカンヌ】


【原因(1)パワーバレーとコンビバレー】
Vリーグとは逆に欧州はまだまだセッターの質が低いというか、トスのブレやゲームメイクの仕方が全く違う。ブロックを中心としたハイセットのバレーが多く、パワーと身体能力を要します。

そこに木村沙織は苦戦しました。ただあまりにもバレーの種類が違うので、なかなか難しかったと思います。ただ2月ごろの終盤戦から非常にバレーにも慣れたせいか、スパイク決定率なども50%を超え、ブロックなども少し止まり始めたようです。今なら結構期待できるかもしれませんが、ワクフではチームが固まってしまっているので、なかなか難しい。

ただこれも経験なので、木村沙織にとっては今後の財産になると思います。

【原因(2)バレー環境と多国籍のコミュニケーション】
まずワクフバンクの体育館を見て、驚きませんでした?なんという狭い体育館と。確かにトルコNo.1の都市イスタンブールの中心地にあるので、広さを確保できないということもありますが、ワクフバンクは総合スポーツクラブでもないので、十分な広さが確保できません。

ガラタサライやフェネルバフチェは、大きなサッカークラブを中心にバスケやハンドボールなど様々なスポーツが存続するプロスポーツクラブ。ガラタサライはサッカーでもCL8強まで残ってる強豪なので世界的にも有名なクラブです。日本のバレー環境がいかに素晴らしいかがわかります。久光はバレー1チームでコート3面くらい使える体育館に見えました。

この環境の違いと多国籍のコミュニケーションです。使用外国語はおそらく英語。もしくはトルコ語。欧州の教育は、母国語、英語は確実に話せるようになる環境を作ってますので、通常の子供教育を受けていれば、ほとんどの人が2か国語以上話せます。日本の独立したガラパゴス化の教育環境が世界に出るという面ではマイナスに働いてるようです。

英会話もできない日本人教師でなく、英語しか話せない英語教師が必須。生徒達が自主的に先生とコミュニケーションを取るには、英語しかないので、自然と能力がつきやすくなります。ネイティブな発音も体験できるし。

それに外国人は、物事をはっきり言うことが個人の存在感を表すという教育で育っているので、自分の意見を言わないと存在感がない。何を考えているのかわからないと捉えられてしまいます。だから気を使う日本人の内向的な一面は、海外ではある意味逆効果で、???の意味不明人扱いされることも。

特にCL優勝するチームでは、かなりきつい性格でしょう。人が良すぎると、そういうのも影響してくると思います。高橋みゆきや竹下とかなら問題ないでしょう。
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ざっと書くとこういう感じでしょうか。後は日本食と欧州の食事の違いもあります。自分は日本を大好きですが、日本人は島国で独特の文化。それ故に移民も受け付けない姿勢が、外国人との交流が少なく、スポーツの海外移籍においてはマイナスに働いてるのかもしれません。

全日本選手になって、五輪に出たいというレベルまでの希望を持つ子供たちは、色んな強化ありますが、英語を積極的に勉強したほうがいいと感じます。自分ももう少し子供の頃にやってれば、もう少し早く覚えたかなという気もします。

ただ1つ言えるのが、海外移籍もさほどない2011/12期でもメダルは獲れたということ。サッカーなどは海外移籍などでレベルの高い技術、フィジカルを経験し、確実に強くなっているのを感じますが、女子バレーは日本特有の技術が通用する特殊な分野のスポーツだと感じてます。

まだ現代のバレーのボールスピード・パワー・高さであれば、2012年日本女子バレーのディフェンス型でも通用しました。2013年以降おそらく世界の高さは主要国の大きな世代交代すると思われます。その影響がどのように出るのか!?それは2013年のWGPくらいにはわかるんじゃないでしょうか。11月までの全日本期間が長い今年は、来季の2014世界バレーまでの期間が短いので、ほぼ今年の11月のWGCCの全日本主力が2014世界バレーの主力になると思います。

これからのバレーの世界大会も8月末~9月に2014世界バレーと2015W杯、2016リオ五輪は7月末から行われます。個人的に考えるのは、まずVリーグの開催時期を10月~3月の5か月間で終了し、週末1試合にしたらどうかということ。

そして最低4月初旬からは全日本始動。それでも4か月程度しかない。リオ五輪への準備は、ロンドン五輪までのように世界大会が11月という時期と違って、3か月も速くなるため、それ相応の対応をしていかなければならない。今年の全日本はそういう意味でもチャレンジできる時期でありながら、わずか1年5か月後にせまった2014イタリアでの世界バレーに向けて、準備をしていかなければなりません。

そこで真鍋ジャパンの真の力を問われるでしょう。

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