以前「ジパング画集 KAI」をご紹介しましたが、この外伝「風の道」は本誌付属のDVDに収録されています。ジパング本編終了後に描かれた、草加少佐の小さな物語です。
いつかこの作品を考察したいと思いますので、知らない方のために簡単なあらすじを書いておきます。
【あらすじ】
昭和16年10月、日米開戦前夜。枯葉の舞う中、草加は故郷の岩手へと帰郷した。変わらない家族、郷里の人々との再会・・・そして幼なじみのサトとの一瞬の邂逅。
草加は以前、サトから受け取った古い手紙から、過ぎ去った幼年時代に思いを馳せる。しかし二人の「道」は、もはや互いに交錯することのないそれぞれの道として、遠く彼方にまで続いているのだった。
【コメント】
タイトル「風の道」の「風」とは草加少佐、「道」は人生を暗示しているのでしょう。つまり、これは草加少佐の淡い初恋物語であり、秋の静謐に満ちた雰囲気が印象に残ります。
あまり書くとネタばれになるのでこの辺で止めておきますが、これと雰囲気の似た当時のプラトニックな恋愛実録を見つけました。当外伝を知らない方は、代わりにこの物語で醸し出される空気を感じとってください。
ただし、この実話は花に例えると、むせかえるユリの花といったところですが、「風の道」は秋にかすかに薫る金木犀といった具合です。ほんとに淡い感じなので、そこが違います。では下のリンクからどうぞ。