主治医。 | 山あり谷あり備忘録

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2011年お正月。いきなり卵巣癌の告知を受け、日々、手作繰り状態で癌と闘うzeroの、のほほーん日記です。少しでも同じ病で悩む方のお力になれましたら幸いです。。。

本退院をしてまもなく、私の主治医が他の病院に異動になるかもしれない
という情報が飛び込んできました。

以下、私がメインとして書いているブログでアメンバー限定記事として
書かせていただきましたものを抜粋、一部修正してアップさせていただきますね。
その頃の一番の気持ちがこもっていると思われますので。。。

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ことの始まりは、患者仲間からの電話。
私の主治医であるO先生に異動の噂があると。
つい前日まで入院していて、何も聞いていなかった私には寝耳に水
のことであり、ただただ気持ちが焦るばかりになってしまいました。


私がお世話になっている病院の婦人科には、常勤5名、非常勤3名ほどの
お医者さまがいらっしゃいます。
婦人科長は医学雑誌などにも時折登場され、予約を取るのに数ヶ月の名医
と言われる方なのです。
私の主治医は、常勤の中では一番若手。
若手と言いましても、38歳。色々な病院で経験を積まれて、こちらの
病院にいらした方です。
でも、若手だからか、担当患者の腫瘍が悪性だということになると、
たいてい自動的に婦人科長の患者さんになっていく、というケースが多いように
感じたのですが、そんな中で私は、数少ない、そのままその若手医師の
患者としてとどまった一人でした(笑)。

結果...これでよかったと思っています。
どの先生よりも慎重で、過保護で(笑)、熱心で、親しみやすい(これ大事)。
節目節目には、お忙しい科長のお時間を調整し、科長診察も入れてくださったり。
やはり、名医と呼ばれる方の診察は興味がありますものねぇ(笑)。

私の両親はすでに他界しておりますし、配偶者もおりませんので、
私は告知も、その後の説明も、一人で受けるしかありませんでした。
そのことを理解した先生は、私に、病気について勉強することを求められました。
敵を知らなければ、聞きたいこともわからないでしょ?、と。
それからは、外来診察のたびに、様々な質問に答えてくださいました。
抗がん剤治療が必須だという結果になったときには、約1時間半もかけて、
マンツーマンの抗がん剤講座を開いて下さいました(笑)。

入院前に、セカンドオピニオンはどうすべきか質問した際にも、
「少しでも受けたいという気持ちがあるなら、絶対に聞いてきた方がいい。
ぼくもそのほうがいいから」とおっしゃって、一緒に受ける病院を選んで
下さったりもしました。
後から、医療関係者である知人に言われたのですが、こんな時代に
なってもまだセカンドオピニオンを聞きにいくことを快く思わない医師は
とても多いのだと。。。


退院後診察の日、異動の件について、ずばっとお聞きしました。
そのときの先生は...誰から聞いたのか、と驚かれました。

なぜ異動するのか。どこへ異動するのか。
これらの質問に関しては、あまり答えていただけないことも多いと
聞いていたのですが、私が真剣にお聞きしたところ、答えて下さいました。

先生が異動する病院からは、何度も異動の打診を受けていたそうなのですが、
ずっとお断りをしていたと。
でも、そちらの病院で、立て続けに若手の医師が辞めてしまうという事態になり、
今回ばかりは、医局の指示もあり、お受けすることになったと。

異動される病院は、とても規模が大きい病院のようでですが、正直、今の病院の
方が、最先端の研究を続けられる環境であり、ステップアップにつながるのではと
思われるのですが、、、若手医師の宿命なのでしょうか。。。

このような経緯がありますので、当然ながら、患者さんを連れて行くということは
全くないようで、私の今後についても、私の希望を聞いたうえで、後任の担当医を
決めていくということになりそうです。


本当に信頼していました。
最初に行った病院がここで良かった。
友達にすすめていただいた先生がO先生で良かった。
O先生に執刀・治療をしていただけて良かった。

どれだけ感謝の言葉を重ねても足りないくらい感謝してます。
お医者さんにとっては、それは仕事であり当然のことなのでしょうが、
患者にとっては、一つの命を大切に扱って下さったことへの深い感謝の気持ち、
それしかないのです。

感謝の気持ちを言葉だけでなく行動であらわすためには、この先きちんと
検診を受け、目安といわれる5年を無事に迎え、もう病院には戻らない身体を
つくっていくしかないのですよね。
お医者さまとは、いったん、サヨナラしなくては、ね(笑)。

あと数回の診察を受けたら、O先生との、主治医と患者という関係は終わり。
新しい先生との関係を築いていかなければなりません。
手術も主だった治療も終わってしまった今、どれだけの関係を築けるか
わかりませんが、これからの5年を、その先生にしっかりとケアして
いただくためにも、マジメな患者にならなくちゃ

心機一転。がんばろー

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というような内容の記事だったのですが。。。

O先生にお世話になった人は患者仲間では私を含めて3人。
そのうちお二人は婦人科長の患者さんですが、病棟ではO先生がフォローを
されてました。
当初は私一人で何かお礼を...と思っていたのですが、お二方より、出来れば
一緒に...との申し出がありましたので、三人で頭を寄せ合ってお礼の品を
考えました。お世話になったお礼、そして、異動される先生にとって、この病院での
思い出になりそうなものを...と。
その結果、デジタルフォトフレームに決定。
直接の患者である私が秋葉原のヨドバシへ行き、店員さんに相談にのって
いただいて購入して来ました。
後日、外来で待ち合わせをし、O先生にお渡ししました。
そしてさらに後日、私は私で、TAKANOでお菓子やジャムを購入して、O先生に
お渡ししました。奥様とお子様に...と添えて(笑)。

あ、そうだ。
友人の一人は、O先生の異動騒ぎで私があまりにも混乱してしまったので、
もしや...と思っていたそうです。
私がO先生のことを好きになってしまったのか、と(笑)。
そういうことじゃあ、ないんです(大笑)。ぷぷぷ。
本当に主治医として信頼していたというだけなのです。
そもそも、それどころじゃありませんでしたし、ね。。。(-。-;)

そして、O先生が去られた後の主治医は...
私はO先生から後任の主治医について希望を聞かれましたときに、点滴の名手
(失礼!笑)であるベテランのM先生をとお願いをしたはずなのですが、、、
どうしたわけか、予約殺到の科長先生が主治医になってました...。
良かれと思ってして下さったことなのかもしれませんが、先が思いやられました。

一年たった今、このときの不安は的中。
3ヶ月ごとの予約をとるのに毎回必死です!
予約をとったにも関わらず、2~3時間待ちは当たり前。
多忙な先生だと思うとあまり突っ込んだ質問ははばかられ、、、
過保護でお話好きな(笑)O先生に慣れてしまっていたので、最初の頃はいつも
もやもや感が残っていました。
もう最近は、診察時間が短いのは順調な証拠と思うことにしています(笑)。

まだまだ経過は観察していかなくてはいけません。
少なくともあと4年は。。。
それまで婦人科長先生にはお元気でいていただかなくては!(笑)