こんにちは。
『0円引越』プロデューサーの合田英樹です。
【激動の1ヶ月編】24 あの引越会社が倒産に至るまで
★破産宣告のその後①
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とうとうこの日がやってきました。
裁判所から破産命令を受ける日です。
数名のスタッフが、この日の10時に大阪本社に集合しました。
総勢10名ほどだったと記憶しています。
破産管財人である弁護士先生が来られ今後の流れを説明されました。
事前に私は、破産会社の管財人室のメンバーとして、
関西の各支社長や法人営業マンを選任していました。
これは破産会社の後処理を行うために、
裁判所から選任された弁護士先生から数名を選ぶように依頼されていました。
私の管理下以外でも、
離職票を出したりする総務部門、会社の計算をする経理部門のスタッフが集まっていました。
まずは大阪以外の関西の営業所の現場保全です。
これは各支社長、所長が手分けをして現地に行ってくれていました。
給料関係の資料、現金の回収など、必要なモノを全て大阪本社に集約します。
当然のことながら、破産した会社の車両(営業バンやトラック)は今後使うことが出来ません。
管理が手薄になることから、車両のカギの管理も必要です。
それらすべてを終えて、
各営業所に入った責任者が大阪本社に戻ったのはお昼頃でした。
必要であると思われる業務を各人から報告を受けました。
取引先法人の顧客に対しての後処理をする者、
関西だけでも総数200台近くある【車両】を、ひとつひとつチェックする者、
そして総務関係、経理関係の処理をする者。
地道な作業でしたが、皆が黙って業務を遂行してくれました。
特に難航したのが車両の確認です。
リース車両もあれば自社の車両もあります。
リース車両はリース会社の返却、
自社車両は財団債権として売却の方向で話しを進めます。
結局、自社車両(名義が破産会社の物)の台数は90台、
残りがリース車両として分別出来るまで1週間かかりました。
ここで管財人に一つお願いしました。
私:「先生、車両の売却の業者って何社ありますか?」
管財人:「通常は2社以上の入札です。」
私:「それなら管財人が連れてくる買い取り業者を1社、
破産会社推薦の会社を1社でどうですか?」
管財人:「それで結構ですよ!どこかアテはありますか?」
私:「はい。いつも使っている業者さんですから。」
こんな流れである車買取業者の方に電話を入れました。
その会社は、民事再生を受けた時に若干負債をかぶっていました。
民事再生申し立て後、他の債権者にはある程度手を尽くしてお返ししましたが、
この会社だけにはこの段階でもお返し出来ていませんでした。
これは最後のご奉仕!といったところです。
本当はこんなことダメなんですけどね~
私:「破産会社の車両買い取りしてくれますか?」
買い取り業者:「ウチが入れるのか?」
私:「大丈夫ですよ!管財人にも許可をとっていますから。」
買い取り業者:「ありがとう。どうしたらいいの?」
私:「基本的には2社での入札です。
詳細を入れた車両リストを渡しますので担当者に来てもらって下さい。」
こんなやり取りをして11月に入って入札が行われました。
結果は…
推薦した業者が90台のうち70台を買い取ることになったのです。
やり方は様々でしたが、
大きく迷惑を掛けた取引先にはある程度恩返しが出来たのです。
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今回はここまでです。
いつも読んで下さってありがとうございます。