【皇太子さまドイツご訪問前会見 詳報】 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





(下)原発問題「速やかな収束」願う



【問2】

 ドイツからは皇太子同妃両殿下に招請がありましたが、雅子さまの同行は見送られました。雅子さまは震災後、専門家からのご説明をお受けになり、殿下と一緒に被災地に足を運び、被災した人々と向き合ってこられました。またこの間、愛子さまの登校のお付き添いも続けていらっしゃいます。こうした状況の中、お一人でのご訪問となりましたが、皇太子さまのご心境を雅子さまの震災後のご様子と合わせてお聞かせください。

 

【皇太子さま】

 いま、お話のあったとおり、雅子は今回の震災で困難な状況におかれていらっしゃる方々に思いを寄せていきたいという気持ちが強く、東京都内、埼玉県内の避難所へのお見舞い、そして先日の宮城県へのお見舞いなど、体調を勘案しながらも、できる限り取り組んできております。また、愛子の登校への付き添いも続いております。

 こうした中、今回のドイツ訪問については移動距離、訪問期間、訪問中の諸行事などを総合的に勘案し、お医者さまとも相談した結果、私一人で訪問することとなりました。

 今回、ドイツ国政府からご招待をいただいたことを雅子も大変ありがたく思っており、お伺いできないことを、私はもとより雅子も残念に思っております。


【問3】

 3月11日の東日本大震災以降、天皇、皇后両陛下をはじめとして、皇室におかれましては、被災地のご訪問など精力的にご活動なさっておりますが、被災後まもない時期でのドイツご訪問をお決めになられた理由、どういったことに特にご興味をお持ちかということ、今後の皇室の役割やご公務のあり方について、殿下のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

 

【皇太子さま】

 今回のドイツ訪問のご招待をお受けするにいたった経緯や、私自身のドイツ訪問への思いについては、さきほどお話ししたとおりです。

 また、公務については、これまで、これまでもお話ししてきましたとおり、両陛下のなさりようを拝見しつつ、私として、真摯(しんし)に取り組んできたところであり、これからもそうしてまいりたいと思います。

 公務としての外国訪問については、皇室の役割のひとつとしての国際親善の観点から、重要であると考えておりまして、特に今回の訪問は、日独交流150周年という記念の年に、名誉総裁という立場で、日独両国間のきずなを深めることにお役にたつようつとめたいと思います。


【関連質問1】

 2問目の質問と少し重なりますけれども、殿下は2月の誕生日会見の際、雅子さまの公務について、病気療養中であり、愛子さまの通学に付き添われていることから、限られたものとならざるを得ない状況とおっしゃいました。

 例えば被災地への訪問は愛子さまの学校がお休みの日に行かれていますが、これは愛子さまのご通学を考慮されて、ということなのでしょうか。

 また、今回のような外国訪問への同行はしばらくは難しいということになりますでしょうか。

 

【皇太子さま】

 被災地への訪問については、先ほどもお話ししましたように、雅子も、被災地で大変な思いをしておられる方々に対して格別な思いを持っておりまして、被災地の訪問については、できる限りやっていきたいというふうな気持ちを持っております。

 被災地について、訪問については、これは現地での受け入れの状態なども考える必要がありますので、そのような意味でも現地の県なりといろいろ協議をしながら、訪問に適当な時を選んで考えております。

 外国訪問については、先ほどお話ししましたように、公式訪問となりますと移動する距離ですとか、現地でのいろんな諸行事への出席、それから、そのほかいろいろな状況を勘案する必要がありますので、いずれにしましてもその日程などを勘案し、そしてまた、これはお医者さまの意見を伺うことが大切ですので、お医者さまなどと相談しながら今後のことについては考えていきたいと思っています。


【関連質問2】

 今回のご訪問は150周年という目的で行かれるわけですけれども、ちょうど大震災があったということと、ドイツでは反原発の動きがかなり盛んだということで、どうしても日本から皇太子殿下が来られるということは、それに関連付けられた見方をドイツでされるんじゃないかという気がするんですが、われわれ日本人はですね、原発に関して殿下にご意見を求めることは非常に難しいというのは理解しているんですが、ドイツの方はそういうことはよく分かっていないと思いますが、仮に原発に関して何らかの意見を求められるようなケースがあったとすると、殿下としてはどのようなお答えをされるおつもりでしょうか。

 

【皇太子さま】

 まあ電力の問題ですけれども、そういう原発の問題については、きわめてこれは今現在、政府の中でもいろいろ考えられているところでありますし、ある意味ではこう非常に政治的なものにもなってきていると思うわけです。

 ですから、やはり政治と一定の距離を置くべきである私の立場としては、今回の原発のことに関するコメントについては、お答えは控えたいと思いますが、ただ一言、やっぱりこの原発の問題ができるだけ速やかに収束することを心から願っております。








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