【衆院】何故我々まで沈黙を強いられるのか【解散】 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





「夕刻の備忘録」 様のブログより。




あの日以来、政治休戦とやらが始まった。
あの日以来、全てが止まってしまった。

まるで詰将棋のように、理詰めで相手を追い込み、「もはや投了するしかない」という瞬間に、時が止まってしまった。


亡くなられた方がどれほど酷い状況下で、息を引き取られたか、それは断片的な報道を組み合わせるだけでも容易に推察出来る。それを形容するに充分な資料もある。しかし、今は止めておこう。事の惨さを共有した所で、何も生まれては来ないだろうから。あらゆる言葉が虚しくなる今は、「沈黙」に徹しよう。

しかしその一方で、如何なる理由で我々国民までが「政治休戦」に参加しなければならないのか。そもそもこの「休戦」は政治的には与党にのみ有利であり、野党が望むものは何もない。国民の生命財産を守るという政治の大目的のためにも、全野党は党利党略、私利史略を捨てて、「与党が被災者救済に全力を尽くしてくれる」ものと信じて、全ての政治案件を擲ったのである。率先して休戦を呼び掛けたのである。

元より、この国を統治する能力がない政府なのであるから、「こんな時だからこそ徹底抗戦」という理窟も成り立つのである。一日も早くこの政権を打倒し、被災地の復興を担う能力のある政権を打ち立てることこそが、この国難を克服する唯一の手段である、とも言えるのである。

従って、我々国民が沈黙すべき理由など何処にもないのである。

我々は、犠牲になられた方々に心よりの哀悼の意を示し、出来る限りの援助をし、自らには節電などまさに今必要な要件を課して、精一杯に暮らしていけばよい。そして、それと同時に政府批判を一層強め、彼等の虚偽、横暴、不作為を徹底的に糾弾していくべきであろう。全部同時にやればいいだけの話である。

経済行為に関しては、自粛だけではお金が回らなくなる、哀悼の意を示しながらも、普段の生活を取り戻すべきだという意見は強い。高校野球も行われた。プロスポーツも続々と開幕の時期を迎える。その中で何故、政治に関してだけは沈黙を強いられるのか。

今、衆議院を解散し総選挙をやっている時間的な余裕などない。一ヶ月を超える政治空白に耐えられる状況に日本はない。確かにその通りであろう。現在の政府が機能しているならば。打ち出す対策が確実に国民を救い、励ますものならば。誰も選挙など望みはしないだろう。

しかし現実はそうではないのである。被災者を苦しめ、憤らせ、絶望させるような事ばかりしている。明日の希望だけに縋って生きている人達に、トドメを刺さんがばかりに、「直ちに危険とは言えない」などと平気で繰り返している。それでは「明日はダメなのか」「何時までなら大丈夫なのか」、誰でも不安に思うだろう。

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「選挙をやっている暇はない」「解散など有り得ない」「被災者の救済に全力を尽くす」、次から次へと繰り出される空虚な言葉のその陰で、統一地方選挙だけは強行するのである。勿論、政府の構成に直接関係する衆議院と、地方選挙では比較にならない。史上空前の大規模災害とはいっても、全国的には被災していない地域の方が遙かに多いのであるから、出来る地域の選挙は予定通りに行った方がいい。確かに色々な意見があるだろう。

ならば何故、被災地域やその隣接地帯で、市役所が選挙実施不可能とまで主張している所まで、無慈悲に強行しようとするのか。選挙カーのガソリンがない、候補者の連呼など出来ない、回れない地域も多くある、こうした非常事態に対して、何故、今、選挙なのか。

国政と地方の差を理解した上でも、全く筋が通らない話ではないか。

震災前から民主党は地方選でボロ負けをすると予想されていた。今もその退潮傾向は全く変わらないという。ならば、震災対策で「得点を稼いでから」の方が有利ではないのか。そこまで自分達の対策にも、危機管理にも自信がないのか。

実は地方選挙を強行する理由は、「子供手当」なのではないか。

正規の法案を取り下げてまで、六ヶ月しか有効期間のない「つなぎ法案」を通したのは、地方選目当ての戦略ではないのか。全く何の売物もない選挙で、「子供手当」だけは通しました、「皆さんお金が欲しいでしょう!」とでも訴えるつもりなのか。

この「つなぎ法案」は、民主党自体が既にオカシイと認めている欠陥、即ち、所得制限が無かったり、外国人を対象に含んだり、「外国に居住する子弟」までその範囲が及ぶなどという制度の致命的な欠陥を、全く改善していないものである。

改善を含んだ法案を降ろして、未改善のつなぎを出す。一年の暫定的な法律のつなぎとして、期間半年の法案を出す。一体、これに何のメリットがあるのか。今、取り下げると役所が混乱するからだという。では、今選挙を強行することで役所は混乱しないのか。受給者が混乱するからではなく、役所が混乱するという理由が、どれほど異常なものか、彼等には全く分からないのであろう。

このタイミングで予算を災害対策に使わず、子供手当で現金をばらまくことに固執する政党に、休戦などという猶予を与える必要は何処にもないのである。


ガセネタや流言飛語の飛び交う時期である。
これでは四月馬鹿も楽しめない。
政府自体が「常にバカ」状態では、冗談を言う余裕もない。

それでも月は変わった。
被災地救援、日本復興の強い意志の下で、さらに加えて政府糾弾の狼煙を上げよう。もう充分だろう。これだけの時を待って、なお何も出来ない連中なのだ。非常時には「化ける」かもしれない、といった淡い淡い期待もまた決定的に裏切られたのである。

こんな時だからこそ、政府を打倒し、まともな政治を取り戻そう。
これ以上の二次被害を出さないためにも。
これ以上の犠牲者を出さないためにも。