徒然日記 ~2015/02/26~ | ~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

過日、日本を訪れた観光客が東京都心で『爆買』したというニュースが揶揄の混じった語り口で各局で放送されていましたが、四半世紀前に海外でブランド品を買い漁る日本人が如何なる目で見られていたかを考えれば、とても、偉そうなコトをいえた義理ではないと思います。彼らにしてみればおまえらがいうなの一言に尽きるでしょう。田子浦にヘドロを垂れ流して稼いだ金銭でゴッホやルノアールを買い漁り、自分が死んだ時には画も一緒に焼いてくれと放言した日本人が、世界中から如何なる批判を浴びたのか、多くの人は忘れてしまっているのかも知れません。外国人に日本の凄さを語らせる薄ら寒い企画を臆面もなくパクりあう前に、TV局には報道するべきことがあるのではないでしょうか。
生臭い話題から入った今回ですが、内容は通常通りの温め感想。しかも短目。題材は2つ。

1.『花燃ゆ』雑感(ネタバレ有)

豊臣秀吉「笑うたら負けよ」

はい、負けました。今週の『花燃ゆ』は大河ドラマの常道、作品のクオリティという観点は兎も角、私個人は不覚にもゲラゲラと笑いながら見てしまいました。松陰と久坂のハイテンション文通コントがいちいち可笑しい。どう見ても煽りコメントにマジレスするコテハンユーザーの構図。久坂を煽る松陰の笑顔が最高に楽しそう。正直、何を描きたいのかが全く判らない本作にあって、今回は両人の手紙の遣り取りをコメディに焼き直そうという、製作者の描きたいことがハッキリしていた描写でした。本作では珍しいオリジナル解釈。勿論、オリジナリティは安定した作風があってこそ映えるものなので、本作の歴史描写の貧弱っぷりを鑑みると一過性の笑いで終わる可能性が濃厚ですが、笑ったからには私の敗北。今季で一番マシな内容でした。

2.『風立ちぬ』雑感(ネタバレ有)

先週の金ローで地上波初放送となった『風立ちぬ』。拙ブログが選出する2013年のラジー賞を受賞した本作ですが、庵野監督の演技がダメなだけで、内容は素直に面白いんですよ。登場人物の感情表現を極力抑え目にして、周囲の現象や事件で彼らが何を思っているかを表現するのは、今では実写でもよう用いられなくなった映画の文法。それでいて、設計図や試作機から脳内でフライトシミュレートを試みる場面の繋ぎ目などは、アニメでしか自然に表現できないようになっている。実写へのコンプレックスとアニメへのプライドを綯交ぜにした情熱で映画を製作し続けた宮さんの最期の長編に相応しい作品。
劇場、DVD、地上波と三回目の視聴でしたが、その度ごとに違う発見があるんですね。今回、一番目を惹いたのが主人公と本庄のラブラブっぷり。二人で脚立に登る場面は薄い本を出してくれといわんばかりの体勢でした。別に宮さんがBL好きというのではなく、画ヅラで男同士の友情を表現しようとしたら、自然と出てくるポージングなんですね。これが穿った見方でないのは、主人公のメガネを外した寝顔を見ているのは家族と妻の他には本庄しかいないということからも明らかだと思います。主人公が心底気を許している相手という意味なんでしょう。庵野監督のダメ演技っぷりがアレな本作ですが、上映当時の記事でも考察したように、宮さんは自分の主張は全部画と動きで表現できるというコトを表明するために庵野監督に白羽の矢をたてたのかも知れません。ちなみに当該記事はこちら。お暇がありましたら、御笑覧下さい&決して内容を真に受けないで下さい。

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