~ Literacy Bar ~

ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。


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昨晩、NHKの地元局で直江兼続を演じる村上新悟さんのインタビューが放送されていました。残念なことにチャンネルをあわせた時には既に〆に入っていたようで、これからの見所を聞かせて下さい的な質問の場面しか見られなかったのですが、村上さんからはラスト十話分の台本があがっていないので僕にもどうなるか判らないという、実に恐ろしい返答が返ってきました。ある意味、兼続の決め台詞である『斬り捨てますか』よりも恐ろしい、スケジュール的な意味で。実際、今回は内容的には今季の中でも上位にランクインしていいくらいの面白さでしたが、先々のスケジュールを慮ると、秀吉の耄碌ネタで一話費やしている暇があるのかと思わないでもありません。本当に今年中に終わるのか不安になりました。ちなみに上田旅行の際に同じ不安を穂積さんにぶつけたら年度末までやればいいんですよと満面の笑顔で返答されました。それも怖い。兎も角、本編の出来以外で大きな不安を抱いた今回。不安というか、一番の不満点は次回予告。吉野大夫が……あれ、予告ネタバレにも程があるでしょう。まぁ、序盤のサスケ死ぬ死ぬ詐欺のような視聴者を騙す仕掛けがあるのかも。そんな今回のポイントは5つ。ちなみに今週はMVP不在です。意外にこれといって突出したキャラクターはいなかったので。


1.悪意がない分、タチが悪い

「あなた、春殿のこと、お気に入りでしょ? 判りますよ?」
こう「確かに……お梅さまに似ていらっしゃいますねぇ」ウフフ
真田信繁(黙ってろ)
「ちなみに私は……前の奥方さまに似ているのですか?」ツーン
真田信幸(黙ってろ)
「(キョロキョロ)義母上は御公家の出とお伺いしました」
「父は菊亭晴季です」ドヤァッ
真田昌幸(黙ってろ)


室賀さん暗殺の舞台にされたお梅ちゃんの時とは別の意味で、実に居たたまれない空気に満たされた信繁と春ちゃんの祝言。特に息子たちにはとっくに経歴詐称が露見しているとは露知らず、菊亭晴季の息女であると公言する薫さんが居たたまれない。見た目にもバレバレの上司のヅラをヅラと指摘できないジレンマに近いものがあります。更にお梅ちゃんの時は渾身の雁金踊りで夫へのナイスアシストを果たしたおこうさんが今回は痛恨のオウンゴール。ここに稀代のトラブルメーカーにして、天才的なサークルクラッシャーであるきりちゃんが居合わせたらと思うと、恐ろしくて夜も寝られません。内実はどうあれ、今回の祝言が表面上の秩序を保ち得たのは、きりちゃんが空気を読んで欠席した結果でしょう……というか、きりちゃんを(厭々ながらも)祝言に誘った信繁、マジ、空気が読めない子。
空気を読むといえば、おこうさんと稲のマウントバトルで凍てついた空気を解凍させようとした春ちゃんの機転が光りました。顔や首を動かさず、目を左右に走らせて、周囲の様子をさり気に窺う辺り、単なる不思議ちゃんではなく、小動物的な勘のよさを備えた子なのだと思います。しかし、

石田三成「春は悪い娘ではないが……『アレ』は苦労するぞ」

とはどういう論拠に拠る忠告なのか気になる。


2.今週のきりちゃん

「『どこへいってもうっとおしい!』といわれるきりさんですね!」
きり「」


治部よ、こういうことか。

勘はよくても、普通の人がいいにくいことをあけすけに口にしてしまう。それが春ちゃんの欠点。先項で触れた治部の危惧はこれを踏まえていたのでしょう。そういう点は本人が述べたように、

きり「私とお梅ちゃんのいいところをすべて兼ね備えている」

といえます。言いにくいことをズバズバというけれども、相手にウザったく思われない。確かに春ちゃんはお梅ちゃんときりちゃんの上位互換ですね。もう春ちゃん一人でいいんじゃあないかな? しかし、そうなると治部も春に痛いトコを突かれたことがあるのでしょう。そうでなければ、上記の注意喚起の台詞は出てきませんからね。面と向かって『貴方が日ノ本一のツンデレと呼ばれる治部様ですね?』とかいわれた可能性大。
さて、そのきりちゃんは寧々の侍女の小西わくささんと細川ガラシャの間のお使いイベントが中心。わくささんというから一瞬気づきませんでしたが、要するにマグダレナですね。一昨年の大河ドラマの影響でマグダレナの好感度は当分の間は回復不能なレベルにまで落ち込んでいるので、今回の作品では洗礼名を使わなかったのかも。お使いの過程で何やらバテレンの教えに興味津々の様子のきりちゃん。きりちゃんのきりはキリシタンのきり?
ちなみに当該場面で何気に好きなのは、わくささんがお使いを頼もうとする場面で、寧々が『手を洗ってきます』といって席を外したこと。当時はキリシタンへの弾圧が国是となっているので、公人としては見なかったことにするための寧々の配慮なのでしょう。こういう細かい設定好き。


3.秋桜

真田信繁「殿下が心配です。近頃、同じことを何度もいう」
石田三成「昔からだ」
真田信繁「お怒りになると、御自分を制する抑えることができなくなっている」
石田三成「それも今に始まったことではない」

何度も同じ話を繰り返したり、感情の抑制が効かなくなったりと、某さだまさしの名曲のフレーズを思い出させる秀吉の言動。あれ、天下のNHKが認知症の症例として番組で紹介したとかしないかったとか……本当だとしたら随分と失礼な話だと思います。まぁ、それをコンサートのトークネタに仕立てるまっさんも大概ですが。
さて、晩年の秀吉を耄碌のセンで描くか否かというのは、戦国三傑を扱う大河ドラマが必ず通る道で、作品の質や方向性が反映される事象の一つですが、本作は三谷さんらしい異色の仕立て具合でした。

豊臣秀吉「拾が元服するまで関白は置かない。奉行衆が相談で政治を行え」
石田三成「イエッサー」


~数日後~

豊臣秀吉「拾が元服するまで関白は置かない。徳川殿を中心とした大名衆で政治を行え」
徳川家康「イエッサー」
石田三成「えっ?」


~数日後~

豊臣秀吉「拾が元服するまで関白は置かない。徳川殿を中心とした大名衆で政治を行え」
徳川家康「えっ?」
片桐且元「えっ?」
豊臣秀吉「えっ?」
石田三成(アカン)


~数日後~

豊臣秀吉「拾が元服するまで関白は置かない。徳川殿を中心とした大名衆d【略
石田三成「……もういい、休めっ!」


秀吉の耄碌が五大老・五奉行を生んだ!

何というトンデモ解釈! 確かに五大老・五奉行が秀吉の没後、マトモに機能しなかったのは事実ですが、こういうのがアリかよ! くっそう、やられたぜ。メチャクチャ笑ってしまった。いや、秀吉に振り回されている周囲の人間や、秀吉本人は全く笑えない話でしょうけれども。特に家康。『これと同じ光景を前にも見た気がする』とデラ富樫(贋者)と対面した天塩商会のボスのような思いでしょうし、三成は三成で大事なことだから二回いったのですと苦しい言い逃れをするし、極めつけは、

片桐且元「殿下より、むしろ私のほうが……先日、生まれて初めて寝小便をしました……」グスッ
石田三成「……この件はこれまで」ピシャッ


おぉう、これはひどい。

序盤を且元を宿直から連れ出したのは、単に露見を恐れたのではなく、且元に寝小便を擦りつけるためかよ。これ、ホンマひどい。でも、冤罪を擦りつけて宗匠を殺した刑部に比べたら、擦りつけるのが寝小便レベルというのが治部の可愛らしさといえなくもありません。今回も刑部は裏で信繁や治部に色々と助言を与えていましたが、よくよく見直してみると実はたいした指示は出していなかったりします。あの程度の判断さえも、自分に仰がないといけないくらいに信繁や治部を依存させてしまう刑部はやっぱり闇深です。


4.両手に花

「おこうのところにいかれていたのですか? 噂話は厭でも耳に入ります。これほどの辱めはありません! 父の全てを伝えます!」
真田信幸(人生\(^o^)/オワタ)
「もし、伝えて欲しくなければ……」
真田信幸「……な、何でもいうてみよ」オドオドビクビクガタガタブルブル
「」グワヴァッ


私生活は相変わらずのヘタレの極みにも拘わらず、幼馴染の従姉妹とツンデレ姫を同時にGETするお兄ちゃん。何というギャルゲーの主人公体質でしょうか。キリト君でもこんなにうまく物事運ばないよ。まぁ、これも日頃の功徳というものか。しかし、本当に大泉さんのオンオフの切り替えは巧い。上記の場面で稲の顔色を窺う表情なんか、登場した頃の秀次を思わせる情けなさでした。そして、

真田信幸「おこうに子ができたのだ」 ⇒ あ、お兄ちゃん死んだわ(ナムー
真田信幸「稲にも子ができたのだ!」 ⇒ あ、お兄ちゃん生き返ったわ(パアァッ


と一晩で連続命中という快挙まで成し遂げるとか。取り敢えず、おめでとうございます。
しかし、それが必ずしも家族の団結に繋がるかといえばさにあらず。守るべきものが増えたお兄ちゃんは、豊臣家の将来に対する不安から、近場の最大軍閥たる徳川家への接近を決めます。この辺、犬伏への伏線であり、今までもお兄ちゃんの先読み能力は地味に描かれてはいたのですが、もうちょい掘り下げて欲しかったかも。
そもそも、冒頭付近でスズムシが『大谷刑部と本多平八郎と姻戚になった』と喜ぶ場面がありましたが、よくよく考えると両名とも関ケ原本戦は兎も角、家康に好意的な人物なのですよね。それと三谷さんの捻くれた作風を考えると、犬伏の別れは従来とは異なり、お兄ちゃんは『大義のない戦いを仕掛ける家康にはつけない』といい、豊臣の内情を間近で見てきた信繁は『これからは家康の時代』といい、最終的には序盤のようにクジでどっちにつくかを決めるといった展開になるんじゃあないかと予想していたのですが、意外と関ケ原前後はオーソドックスにいくのかも。


5.今週のスズムシ

「お帰りが遅いのでおかしいとは思っていたのです。たまにお酒臭いのはしょうがないにしても、仄かに香る白粉の匂いは何ですか! それでは私は信じていたのです……にも拘わらず……」

真田昌幸「うるさい!」

序盤で『息子たちに妻の出自を暴露したことが知られたら、薫に殺される』とおどけていましたが、やはり、乱世の名将の血が騒いだのでしょう。伏見城の普請に急に乗り気になるスズムシ。完成した予想図は本丸ではなく、出城に防御の要を置くという、のちの真田丸の伏線と思われる内容でした。尤も、この場面、凄く前向きなスズムシの姿からポジティブシーンのように思われがちですが、直後に城ごと倒壊したことといい、出浦さんの『この出城に入れば本城は一日で落とせる』という発言が、のちに大阪の陣で信繁が徳川と内通するのではないかと疑われた伏線にもなると考えると、結構なネガティブシーンではないでしょうか。
それでも、今回は久々にスズムシがカッチョよかった!

出浦昌相「わしが惚れたのは……そんなお主だ」///

と熱い想いを口にしてしまうのも道理というものです。次回予告で吉野大夫をやってしまうのも、そんな熱い想いゆえの凶行か。はたまた、予告通りの内容だとしたら、本多正信の計略から主君を救ったのか。次回の注目株は出浦さんで決まりです。

尚、来週も地上波は繰りあげ放送。国政選挙が終わったばかりなのに何でかと思ったら、来週は都知事選があるのね。地上波組の皆様はお気をつけ下さい。

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御存じのように、三谷さんの歴史劇は既存のキャラクター像を捻ってくる&登場人物全員に見せ場があるのが特徴で、その辺は『真田丸』でも踏襲されているのは周知の事実です。今回でいうと市松こと福島正則。基本的に市松は短慮な脳筋の代名詞で、歴代の大河ドラマでも主人公サイドの人間に絡んでは手酷い目に遭うオチ担当要員にされることが多いのですが、本作では何気にイケメンのうえ、非常に人当たりのよい男として描かれていました。正直申しあげると清正と正則は逆のほうがいいんじゃあないかと思わないでもありませんが、これがキャラクター全員に捻りと愛情を入れる三谷さんの作風なのでしょう。
尤も、この作風は登場人物全員を『いい人』にしてしまいがちなのですよね。いや、スズムシや秀吉は決して『いい人』ではないですが、それでも『憎めない人』なのは間違いありません。思い返すと穴雪も温水も北条氏政も『憎めない人』でした。これはこれで、キャラクターものとしては正しいのでしょうけれども、人間の暗部を抉らなければいけない歴史劇では、時にパンチ力に欠くことになります。今回でいうと秀次誅殺の顛末。秀次が秀吉による善意のパワハラに追い込まれたのは斬新であり、充分に面白かったのですが、そのあとの畜生塚への叩き込みに説得力を欠いたのは否めません。あの流れでは妻子の誅戮にまでは至らんよなぁ。皆の善意が空回りした挙句、誰もが死んで欲しくないと思っている人間が死ぬというのは『組!』での河合切腹の回のほうが上でした。
逆にいうと畜生塚への叩き込みの経緯を除くと、今回も三谷さんらしい小技とトンチの効いた内容でした。或いは秀次誅殺回を徒に暗くならない物語に仕立てた力量に感じ入るべきなのかも。そんな今回のポイントは7つ。


1.ウザい女

豊臣秀次「うっとおしい!」
きり「はい、私は何処へいってもうっとおしがられます。相手が関白さまだろうと、いいたいことは遠慮なく申します。そういう性分なんでございます!(キリッ


台詞を抜き書きするとGOとかおにぎり女とかを思い出してしまいますが、きりちゃんがいうと何故か憎めないのが、本作におけるキャラクター造型の巧みさでしょう。『優しい言葉の一つでもかけて欲しかったワケ?』と秀次に発破をかけるシーンのきりちゃん、マジ、ウザ可愛い。『あたしはアンタの母上じゃあないのよ!』とか、前世期末のヒット曲を思い出しました。全く、きりちゃんは信繁さえ絡まなければ、相応の礼儀と分別を弁えたマトモな女性なのですね。あれ? つまり、問題は信繁にあるのか?


2.今週のスズムシ

真田昌幸「おまえが(官位を)返上すれば、源二郎も同じことをする。そうなって、一番悲しむのは誰じゃ? わしじゃ! お主を豆州と呼ばせてくれ……のう、豆州よ。伏見城の普請、やはり、おまえがやれ」

兄弟の仲を思う親心と見せかけておいて、実は自分の都合しか語っていないスズムシ。そのうえ、息子に伏見城の普請を丸投げする件は鬼畜外道な所業というより他ありませんが、この程度はスズムシにとっては日常茶飯事&今回は出番も少な目なので、意外とマトモなことをいっているようにさえ思えてしまいます。むしろ、気掛かりなのはスズムシ本人。仕事を抜け出してのキャバクラ通いに血道をあげるスズムシに、次回予告の出浦さんは激おこの御様子。ヤンデレ出浦さんが如何なる手段に訴えるのかが気になります。『俺の昌幸をフヌケにした太閤許さん』と石川五右衛門ばりの暗殺事件を企ててもおかしくないレベル。


3.南方先生、出番です

「父は朝鮮より帰ってきてから、ずっと具合が悪いのです。熱がなかなか下がらなくて……本人は何も申しませんが、随分とだるそうです。それから……」

本作の刑部はハンセン病設定ではないそうですので、当時の風俗や病状から考えると唐瘡かも知れません。先回、一部の視聴者(主に私)の間で治部との冷戦説が囁かれた刑部ですが、ひょっとすると相方への感染を憚ったのでしょうか。闇深の割にいい奴です。しかし、信繁から『秀次の出奔を何処から知ったのか?』と問われた治部が何気に言葉を濁していたのも気になります。どう考えても刑部の睦言が出所しか思えないのよね。そして、刑部に誘われるままにホイホイと奥についていってしまう信繁。家康から連れションに誘われた時もそうでしたが、本作の信繁は頭が回る割に日常パートでは他人を信用し過ぎるように思います。スズムシと異なり、こういう場面での脇の甘さは誰に似たのやら。


4.ホラチョ

豊臣秀次「菊亭は私の妻の実家(さと)! 晴季卿は私の舅だ……となると貴女は妻の……姉?」
「」


薫さん、まさかの経歴詐称疑惑が浮上! 急な来客とはいえ、系譜上『義弟』に当たる人物と顔をあわせる危険を察知できなかったのでしょうか。信繁の脇の甘さは母親譲りであったようです。昌幸の正室が菊亭晴季の息女という『通説』を巧みにコメディに仕立てる技量は流石の三谷さんですね。実際、年齢的にも身分的にもスズムシの正室が菊亭晴季の息女というのは無理があり過ぎる話ですが、これ、どこから出てきた話なのでしょう。菊亭は主君たる信玄の正室・三条夫人と同格の家柄ですので、武田滅亡後に真田が甲信地方を治めようという政治的思惑で吹聴したと私は見ているのですが。何れにせよ、真実に薫さんが菊亭晴季の息女だとしたら、秀次に連座させられた可能性もあったので、この時点で経歴詐称が露見したのは僥倖であったかも知れません。
そして、真相はどうあれ、事の次第を徳川家に報告しようとする稲と、それを阻まんとするおこうさん。

「其方、旦那様の前の奥方だったそうですね……私が知らぬと思ったか!」
こう「……そうであろうがなかろうが、私は真田家をお守りするだけにございます!」


後述しますが、序盤の病弱設定は何処に行ったのかと亭主が疑いたくなるレベルのおこうさんのハッスルぶり。取り敢えず、お兄ちゃんが居合わせなくてよかったです。この場にいたら、お兄ちゃんの胃に天正大判並みの穴が開きそうでしたので。


5.今週のMVP

真田信幸「殿下とは比べものになりませぬが、私も振り回されて、今日までやって参りました。あまりに大き過ぎる父、私の声だけが何故か聞こえぬ祖母、病がちなのかどうかよく判らない最初の妻、決して心を開かぬ二度目の妻、ここぞという場面で深夜バスの目を出す相方、朝五時起きのタレントの部屋に深夜3時まで居座るディレクター、クリームパンをつまみ食いしただけで激怒するカメラマン、そして……あまりに恐ろしい舅」
豊臣秀次「それは……難儀であったのう」
真田信幸「振り回されながら生きておるのは、殿下御一人ではありません」


己の生まれの不幸を呪う秀次でしたが、しかし、相手が悪かった。不幸自慢でお兄ちゃんに敵う人間はいません。しかも、秀次は今回で退場ですが、お兄ちゃんは確実に最終回まで出演するので、その苦悩はまだまだ続くんだなぁ。この件は面白過ぎて、何度もリピートして見ちゃいましたよ。
それでも、秀次の執り成しでお兄ちゃんと信繁のギクシャクした関係は修復成功。善意のすれ違いで身を破ることになった秀次の善意による行動が、主人公兄弟の仲を取り持つという展開は地味に泣けた。これが秀次と秀吉の間でも成功していたら……意地や見栄の拗れが親族の不和を招いたという構図を描き、且つ、笑いと涙の双方を視聴者に提供したお兄ちゃんが今回のMVPでしょう。


6.ある意味平常運転

豊臣秀吉「いつものわしと思うな」

どう見ても何時もの秀吉です。
本当にありがとうございました。


第二部初頭で寧々が評したように、今回にかぎらず、秀吉は結構残酷な仕打ちをやらかしているんだよなぁ。見せしめの殺戮も厭わないしさ。尤も、秀次事件に関しては、謀叛人なのに切腹が許されたり、通常は助命される女子までが刑戮されたりと、経緯や結末、その後の処置にチグハグなところが多いのも事実。この辺、本作では器用に史実と巷説を切り貼りして、あくまでも秀吉と秀次の善意のすれ違いが原因として構成していました。しかし、冒頭で述べたように、妻子悉く処刑に至る勢いはなかった。下手な悪意よりも善意と期待を裏切られた反動のほうが大きいというのも一理ありますが、イマイチ納得いかない。或いは『わしの怒りを孫七郎に見せつけてやる!』という台詞から慮るに、本作の秀吉は狂って秀次を殺したのではなく、秀次の死で狂ったという解釈なのかも知れません。


7.羽ばたいた飛べない鳥は

真田信繁「私には妻にしようと心に決めていた女子がおりまする」
きり「」ガタッ!
真田信繁「おまえじゃねぇ、座ってろ。刑部様の娘御は正室として迎え入れ、その者を側室としたいのです」
きり「」ガッツポーズ!
真田信繁「座ってろっつってんだよ!」


真田の里での隠し扉まみれの日々が此度も伏線となった、信繁三人目の妻とのなれそめ。ここの件も些か強引というか。何故にたか一人が許されたのか、明確な回答はありませんでした。秀吉から憑物が落ちた頃合を見計らっての進言であったのでしょうか。それにしても、今回も哀れなのはきりちゃん。信繁は『追い討ちをかけるようですまん』と前置きしていましたが、本心は『これで今度こそ腐れ縁が切れる』との喜びを噛み殺しながら、結婚の報告をしたと思います。色々と準備がよ過ぎるんだよ! 先週のお兄ちゃんの言葉を借りると『そういう抜け目のなさが無性に腹立たしい』のだよ! しかも、

きり「あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ! 私が側室になる筈の男の娘が何時の間にか源二郎の側室になっていた。何を言っているか判らねーと思うが、私も何をされたのか判らなかった。頭がどうにかなりそうだった。□リンとか、たかちゃんの年齢の辻褄が合わないとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ」

これはひどい。信繁も秀吉とは別の意味で充分にサイコパスの気質あります。
そうはいっても、信繁も現時点でたかを側室にするのではなく、海外へ高飛びさせる時間稼ぎとしていた模様。頼るは呂宋助左衛門。

助左「太閤殿下のなされようは目に余る。力を持つと人は変わります。手前はそのような無理無体に対して、常に戦いを挑んで参りました。この呂宋助左衛門、あらゆる弱き者たちの守り神でござる。喜んで力をお貸し致しましょう」

いやぁ、これは確かに助左ですわ。『黄金の日日』の助左ですわ。三谷さんは『黄金の日日』が大好きと述べておられましたが、確かにあの作品の助左の物言いそのままです! 本作の秀吉は『黄金の日日』と違って、登場した段階からそんなに変わっていませんし、今回の秀次事件も権力者の傲慢ではなく、善意のすれ違いに端を発するものでしたが、そんなことはどうでもいいと思えるレベルの再現度。中盤で秀吉が『呂宋の匂いがする』とクンカクンカスーハースーハーしていた呂宋壺も、一説には現地民の便【要出典】器という話もあるくらいです。この呂宋壺に幾らの値をつけるかという助左と秀吉のガチバトルは『黄金の日日』の白眉回なので、今回の放送で興味を抱かれた方は是非、視聴をお勧めします。私的大河ドラマでもベスト3に入る作品なので。

あ、そういえば、今回は徳川秀忠が初登場でしたな。近年の大河ドラマ的には永久に封印したくなるレベルの存在ですが、彼も本作の直江兼続のように名誉回復の機会が与えられると信じたい……のですが、何やら不気味なキャラクターでした。部下相手にあそこまで頭を下げなくてもいいでしょうに。生真面目過ぎて物事の程度を知らない為人なのかも。まぁ、どう足掻いてもゲゲゲ以下になることは絶対にないと思うので、最低限の安心感はあります。

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本編そっちのけでアニメ版第二期の感想を述べさせて頂くと、第一期に比べて、相当濃密な内容になりそうな予感。全八話という異例の編成影響しているのでしょうけれども、第一話から『征馬孤影』の半分近くまでストーリーが進展していました。そのうえ、ボダン一味がルクナバードを強奪するというオリジナル展開アリ。今月号は原作換算で一〇頁しか進まなかった漫画版と様々な意味で対極過ぎる。これ、どっちが正しいの? いや、漫画版もオリジナルシーンが随所に挿入されていて、それがいちいち面白いので、充分OKですが、流石に今年中に原作三巻に進まないとラジェンドラーを自認する私には厳しい展開です。まぁ、今回でペシャワール城に入ったので、多分大丈夫だと思いますが。
そんなこんなでアニメ版第二期も始まった荒川版『アル戦』。今回のポイントは4つ。


1.血縁関係

アルフリード(あれがアルスラーン王子かぁ……アンドラゴラス王の子だから、もっとすごいの想像してた……)

アルフリードの脳内妄想とはいえガチムチのアルスラーンを見ることができた貴重な一コマ。しかも、ケツアゴ。そのうえ、アメリカンな笑い。アームストロング少佐の首から上を挿げ替えた感が半端ありません。誰得だよ。アルスラーンがこのレベルですから、アンドラゴラス本人が民草から如何なる目で見られているのか、何やらうそ寒いものを感じてしまいますが、ゾット族という盗賊一味の出自であることを鑑みると、アルフリードは国王に対する敵意と偏見を植えつけられて育った可能性もあるので、彼女の印象を一般化するのも考えものでしょう。ちなみにアンドラゴラス王を見たエトワールの反応はこちら。同じネタで漫画とアニメの双方、一粒で二度美味しいネタを盛り込んでくれた荒川センセは原作者の鑑ですね。しかし、上記の台詞は抜き書きすると、微妙な卑猥さが漂うように思えてしまうのは、私の心が王弟殿下並みに穢れ果てているからだと信じたい。


2.脳筋

ファランギース「近くの住民の話では、この周囲3ファルサングは橋がないとのことじゃ」
ダリューン「困ったな……」


『ルシタニア兵十万くらいは俺一人で何とかなる』と真顔で考えたことがあるくせに、急流とはいえ、橋を落とされた川を渡ることには難色を示すダリューン。どう考えても、前者のほうが困難だと思うのですが、彼の脳内では異なる価値観が働いている模様。直後のシーンで『剣が欲しい』とのアルフリードの要請に敵の手首ごと斬って渡すというサイコパス極まる対応も見せてくれました。ダリューンの闇は己の甲冑の色よりも深い。まぁ、受け取った手首を『がさつ者!』の一言で払い除けた、その返す刀で敵の顔面に剣撃を叩き込むアルフリードも大概ですが。
しかも、次の場面ではザンデの挑発に乗って、アルスラーンを危険に晒すという大失態を披露。ダリューン本人は後者のほうが衝撃でしょうけれども、読者にしてみたら、前者のほうがはるかにイメージダウン。『あの』ザンデの挑発に乗って持ち場を離れるって……ダリューンの知力関係のパラメータは意外と低そうです。高くても65くらい?


3.パワハラ

ヒルメス「謝ることはない。謝ったところでペシャワールの城から奴らが出てくる訳でもなかろう」
ザンデ(お優しいヒルメス殿下……)ジーン
ヒルメス(俺が指揮を執っていれば、もう少しなんとかなったかもしれん)ハァ……


どう考えても皮肉でしかないヒルメスの返答の裏を読むことなく、逆に深く感動しちゃうザンデ。今週の『真田丸』では秀吉による無自覚のパワハラに追い詰められる秀次の様子が描かれていましたが、この程よい鈍さが秀次にあれば、次週の悲劇は避けられたかも知れません。人間関係には知らないほうが幸せなこともある。誤解なく判りあえるのが人類の進化というニュータイプ理論は机上の空論。ハッキリわかんだね。
尤も、ザンデの残念ぶりに苦情を漏らすヒルメスに一切の責任がないかといわれれば、全然そんなことはありません。漫画版では触れられませんでしたが、今回の捜索にヒルメスが参加しなかったのは、先回の落馬で手首を挫いていたからです。それを心の棚にあげて、ザンデに皮肉をぶつけるヒルメスさん、マジブラック上司。直後の、

ヒルメス「ザンデはよく働いてくれてはいるが、戦果が乏しいな。ナルサスにしてやられてばかりだ」

の台詞は固有名詞をザンデをヒルメスに変えても普通に通用しますし、そもそも、ナルサスとザンデは先回一度顔をあわせただけ。そのうえ、ナルサスの詭計にかかったのはヒルメス本人です。ホンマ、ヒルメスさんの器の小ささは大陸行路を駆けめくるでぇ。


4.ふぅん、勘でわかるんだ(イジワルそうな声で)

ナルサス「嫌な予感がする!」

欄外の『パルス一の軍師、ナルサス!! 見事危機回避!!』との文句で締め括られた今回の『アル戦』。尤も、アルフリードが自分の部屋を訪ねてくる&エラムと鉢合わせするのは容易に想像できる事態なので、予感というのは方便でしょう。風呂を出ない理由を具体的に説明したら、ダリューンに揶揄われるのは必定ですからね。そもそも、ナルサスはヤンと同じように予感で動くタイプではありませんし、また、勘の働きは鈍いほうです。勘が働くタイプでしたら最新刊のラストのような結末にはならなかったでしょう。今回にかぎっても、ヒルメスがペシャワール城への侵入を目論んでいることへの予感は全く働いていませんでした。
尚、漫画版では初のお披露目となる戦化粧を落としたアルフリードの素顔。これは可愛い。可愛いは正義。意外と胸もあります。マジ、何でナルサスはこんな可愛い子を三年も待たせたの?(威圧


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