~ Literacy Bar ~

ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。


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『大河ドラマらしさって何だ?』という疑問の模範的回答として挙げたいのが、現在絶賛再放送中の『武田信玄』。『独眼竜政宗』が大河ドラマの最高ヒット作とすると、本作は大河ドラマの教科書といえると思います。詳細は本編を御覧頂くに如くはありませんが、兎に角、やることなすことの全てが仰々しいの一言に尽きる。第4話ラスト付近で主人公(一児の父親)が、

武田晴信「わしはどんなことをしても……湖衣姫を手に入れる!(キリッ

とメチャクチャ生真面目な表情で宣言するのですけれども、そのために晴信が取った行動は単なる夜這いなのですよ。外見が中井貴一さんというだけで、やっていることは冴羽獠と変わらん。しかし、天下国家の大事から、やりたい盛りの辛さに至るまで、押し並べて仰々しさを求められるのが大河ドラマではないかと改めて思いました。
その点、今年の『真田丸』が大河ドラマらしさに欠けることは何度も述べてきた通りです。今回でいうと大政所の人質の件。あれ、大河ドラマの王道に従うと、百姓から雲上人になりあがった秀吉一族の悲劇がメインになるのですが、普通にコメディシーンになっている。それと終盤の秀吉と家康の対面。猿と狸という天下屈指の千両役者同士の名演技が見所になる筈なのに本番に弱い大根役者が開演前日に必死こいて台本合わせをするという通説とは真逆の設定でした。敢えて王道を外してくる。それが三谷さんの作風です。この辺は以前の記事で『三谷さんは真面目な場面を書くのに照れが入る人なので、王道大河は望めない』と書いた通りの展開。
でも、それで面白くないかといわれると決してそんなことはなく、特に今回は非常に面白かった。久々に復帰した松さんの件が霞むくらいの小ネタの機銃掃射。『真田丸』は小ネタのスピーディー感が生命線なので、それを封じられるシチュエーション(合戦とか)ではイマイチな内容になりがちですが、日常と史実がパタパタと交錯する回には安定感がありますね。第一次上田合戦がアレな内容に終わったのは、三谷さんにしては真面目に合戦に取り組み過ぎたからなのか……でも、合戦シーンくらいは正面から描いて欲しいからなぁ。あ、ちなみに松さんは記憶喪失ではなく、空っ惚けているのではないかと予想します。そんな今週の『真田丸』のポイントは9。何気に史上最多かも。ちなみにサブタイの『再会』はお松さん以外にも秀吉と家康にもかかっていると思われます。


1.今週のナレーション

ナレーション「真田にとって最大の危機が訪れようとしていた」

何度目の最大の危機だ。

放送の度に最大の危機が訪れている、毎日がアルマゲドンな真田一族。本来、芝居や脚本で補いきれない情報をフォローするのがナレーションの役割ですが、本作ではナレーションもネタの提供に一役買っております。これでネタバレがなければ、結構好きになれそうなのですが……。


2.今週の秀吉

羽柴秀吉「安心せい、真田はワシが守ってやる」

家康に真田討伐を許したのは外交上のポーズという秀吉。結果的に秀吉の思惑通りの展開になりましたが、しかし、阿国の舞台を見ながら暗に権佐殺害の真相を仄めかす秀吉をはじめ、自分と会ったことを黙っておいて欲しいと頼んだにも拘わらず、当然のように秀吉に漏らす茶々といい、お前を殺そうとしたけれども、清正はイイ奴だから許してやってよとかワケの判らない理屈を捏ねる秀長といい、誰よりも大政所の心配をしているのに周囲の人間には恥ずかしくて本音をいえないツンデレ治部といい、斯くも多くの奇人変人に囲まれていたら、秀吉の『真田はワシが守る』なんて台詞、真に受けるほうがどうかしています。信繁は秀吉の言葉を信じられなかったというよりも大坂城にいる連中の人間性そのものを疑っていたのではないでしょうか。時期的に信繁ときりちゃんの接近が近いと思いますが、斯くもアレな人間に囲まれていた所為で、きりちゃんが相対的にマトモに見えてくるという展開なのかも。


3.今週の平八郎

本多忠勝「失礼ながら、片桐さまは『賤ヶ岳七本槍』の御一人であられるとか。天下の豪傑にお逢いできて光栄に存ずる」
片桐且元「は、はぁ……」


どう見ても忠勝のほうが強そうに見える二人の対談。褒められた且元のほうが居心地悪そうにしていましたが、範馬勇次郎辺りに『おまえ強そうだな』といわれて、無邪気に嬉しがるほうが人間的にオカシイので、反応としては妥当でしょう。勿論、且元の居心地の悪さは忠勝の褒め殺しのみが理由ではなく、大阪城から自分の頭越しに正反対の命令が下されたこと。この人は大坂の陣でも同じようなシチュエーションに見舞われるので、本作終盤で似たような情景をお目に掛かれるかも。尤も、その時は家康が謀る側になるのですけれども。


4.今週のスズムシ

真田昌幸「『策がある』といったな。あれは嘘だ。それよりも、上洛を渋って、もっともっと真田の値を吊りあげる。倍プッシュだ。勝負のあとには骨も残さない」
真田信幸「聞けぇー! 人の話を聞けぇー!」


久々にあれは嘘だが炸裂した上田パート。秀吉の対家康外交の余慶を蒙ったに過ぎないにも拘わらず、秀吉が真田の価値を認めたと勘違いをしてしまう昌幸の迂闊さよ。信濃の地政学上の価値を高めることを有力大名との交渉の『手段』にしてきた昌幸ですが、どうやら、真田の価値を高めることそのものが『目的』に変化してしまっているようです。流石はスズムシ。尤も、この情勢判断の甘さは信繁からの手紙が届かないことも一因でしょう。秀吉の馬廻りという政権の中枢近くにいる諜報要員から一切の音沙汰がない以上、真田のやり方は秀吉に黙認されていると考えるのは自然な反応かも知れません。この辺、信繁からの手紙がないことをスズムシが己の都合のいいように曲解するシーンがあってもよかったのではないでしょうか。惜しい。
一方、大好きな弟から手紙がこないことで、本能的に事態のヤバさを察しているのがお兄ちゃん。流石ブラコン。お兄ちゃんは信繁が大好きだからね。仕方ないね。折角、おこうさんが唇の腫れを口実にしな垂れかかってきたのに、

真田信幸「……あまり触らないほうがいいと思うぞ」

とマジレスしちゃう辺り、この人は本当に女の扱いが不得手。そこは黙って押しt【自主規制です】


5.今週の秀吉一家

石田三成「人質ではございません。家康が上洛している間、向こうにお預けするのです」
羽柴秀吉「ほんの一時の人質じゃ」
寧々「人質ではないですか!」
羽柴秀次「……ということは、ほんの一月くらいのことですよね? 物見遊山ですよ。それくらいの気分でいかれれば」


後述するMVPには及ばないものの、小田原評定になりかけた大政所説得の転機となった秀次有能。今回の技能賞確定です。まぁ、浜松では物見遊山のレジャー気分どころか、本多作左が人間キャンプファイヤーの準備をしながら、手ぐすね引いて待ち構えているのですが、結果的に未遂に終わったので、それは些細なことです。大政所の面通しに旭姫を利用して、その反応を覗き見するシーンといい、や徳鬼。尚、このシーンは珍しく、源二郎やきりちゃんが同席しない設定。この場に彼らが居合わせたら、寧々の『実の母親に人質に行けなどと、よう申せますね!』という批判の説得力が欠けてしまうからでしょう。真田家における実の母親は立派な人質要員なので。や真鬼。


6.今週のきりちゃん

茶々「源二郎、誰じゃ?」
真田信繁「きりといって幼馴染です」
茶々「二人はいい仲?」
真田信繁「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あぁ、ええ、まぁ」
きり「えっ?」キュンッ
茶々「……へぇー(あっ、察し


きりちゃんのウザキャラ設定が報われた!

今まで多くの視聴者からウザがられ、マスコミからも大河バッシングの材料にされてきたきりちゃんの存在が初めてプラスに働いた瞬間! 画面の前で大爆笑してしまいましたよ! 今の君はピカピカに光っている! 胸をキュンとする仕草が何ともウザ可愛いぜ。一歩間違えると寄せてあげるブラのCMに見えなくもないモーションですが、今までのウザさの積み重ねがあったからこその輝きでしょう。
それにしても、このシーンの茶々が怖い。ついでにBGMも怖い。生半な謀略シーンよりも不気味なBGMを被せてきます。もしかすると茶々も秀吉に負けず劣らずのサイコパス設定かも知れません。権佐の一件は彼に色目を使ったというよりも、自分がチョッカイかけた男が秀吉にボコボコにされるのを見るのが楽しいのではないでしょうか。そうなると、きりちゃんが今回の件で茶々のターゲットにされた可能性大。信繁、自分の嘘の責任は取れよ。


7.今週の清正

加藤清正「そんなに家康が恐ろしいのか。そんなに奴の顔色が気になるか」

家康の顔色云々よりも目の前にいる清正の顔が近いほうが遥かに気になる当該シーン。そこまで接近しなくてもいいのに……刑部といい、清正といい、治部の周辺にはホモホモしい雰囲気が漂ってしまうのは前世の因縁というものでしょう。流石は悪左府。はっきりわかんだね。『全ては殿下の判断で三成に罪はない』との助け舟を出した刑部の対応も、治部の『正妻』の座を巡る清正との抗争に見えなくもありません。何れにせよ、心の奥底では大政所の身の上を案じているのに、虎や市松には恥ずかしくて本音をいえない三成は一言足りない系のイラッと人間の典型という私の認識は正しかったようです。
初登場時には治部の邸宅でウダウダとクダを巻いていた清正ですが、今回の一件で治部との決裂を覚悟した模様。所謂武断派の清正と吏僚派の三成の対立軸の始まりとしては妥当な落としどころではないでしょうか。尤も、清正は武辺者である以上に優秀な民政家であるのは周知の事実ですし、三成も賤ヶ岳ではそれなりの武功を挙げているうえ、三成の盟友である吉継の賤ヶ岳での功績は文武両面で七本槍全員を凌ぐものがありましたので、これらを武断派と吏僚派と括るのは無理があります。私個人の独断と偏見ですが、清正や正則と三成の対立は分権派VS集権派という視点から見たほうがいいのかも知れません。勿論、今日的な意味での地方分権とは異なりますが、地方知事と中央官僚の対立のほうがしっくりきますし、靖難の役での斉泰や黄子澄と燕王の抗争のように、有力諸侯の勢力を如何に削るかに腐心する中央官僚というのは各国の歴史でも繰り返し見られるパターンですので。


8.今週のMVP

徳川家康「殿下……芝居がどんどん難しくなっております」

完全に『笑の大学』なのですが、それは。

椿さんから細かい演技を要求された向坂さんの『アナタ、私を過大評価している!』の台詞を思い出しました。いやぁ、笑った笑った。今回もスズムシやきりちゃんといった多くの笑いのツボがありましたが、一番笑ったのがココ。そりゃあ、夜更けに唐突に押しかけてきた相手に台詞を覚えろとかいわれても困りますわなぁ。しかも、信繁の阿国譲りの丹田ネタ辺りから秀吉の口調が説得というよりも催眠術のようになってきていましたし。次にテメーは『殿下がお召しの陣羽織、拙者に頂けませぬか』と言う。ジョセフ・ジョースターか。
勿論、単純な笑いのツボに留まらず、今週の家康は随所で器量の大きさを見せました。旭姫や信繁相手の遣り取りのように心底では穏やかならぬモノを孕みつつも、表面上は平静を装い、誠意を尽くせる人間は信頼に値するものです。今までは癒し要員として重宝されていた家康ですが、今回は判然とのちの天下人の輪郭を垣間見た思い。まぁ、それでも、

徳川家康「一度、安房守には兵法の極意を教えて欲しいものじゃ」(#^ω^)ビキビキビキビキ

この台詞の時は流石に溢れる憎悪を隠しきれませんでしたが。
しかし、本作は本当に大河ドラマ的な仰々しさとはかけ離れた作品ですね。内野聖陽と小日向文世という稀代の個性派・演技派の俳優を揃えたら、普通は天下人二人のド正面からの腹芸を描きたくなるものですよ。それなのに名優二人に『芝居下手』『あがり症』をやらせるとか……勿体ないけれども面白い! ホンマ、三谷さんは歪んでいるわぁ。ちなみに、この二人は『風林火山』序盤の仇敵同士。短期的には諏訪が一矢報いた形ですが、長期的には勘助の勝ちという展開は変わらない模様。


9.今週の治部

石田三成「どうしても真田に届けたい文なら、もっとうまくやれ」

先回に続き、今回も信繁の手紙にリテイクを出す治部。優しい。ガチで優しい。ツンデレとはこういう人間をいうのでしょう。本当に信繁を嫌っていたら、手紙を口実に処罰することも、偽の手紙を差し替えて真田を滅ぼすこともできる筈なのに、密書を通じて信繁を鍛えているかのようです。やだ……三成ってカッコいい。しかし、

石田三成「もっと物事の裏を読め。素直なだけでは生きてはいけぬ」

おまえにッ! だけはッ!
いわれたくッ! ないッ!


いや、これはこれで関ケ原の布石なのか。あ、それと密書にも拘わらず、宛名も差出人も本名で書いちゃうお兄ちゃん可愛い。これは三成に呆れられても仕方ないレベル。まぁ、

真田昌幸「あれだけ勢いのあった信長はどうなった? 人生、調子のいい時ほど何かが起こるものじゃ。こりゃあ、秀吉が滅びる日も近いぞ」

こんなスズムシのフォローを一人でやっているのですから、そこまで気が回らないのも已むを得ないのかも知れません。内記は兎も角、出浦さんもスズムシの暴走を止めないからなぁ。何だかんだで大泉さんが一番マトモに見えるという点で、現在の上田パートの昌幸・信幸・内記・出浦さんのカルテットが『どうでしょう』の四人にダブッてしまう今日この頃。

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少し古い話になりますが、先月末に放送された『幻解! 超常ファイル』で9・11関係のデマや陰謀論が取りあげられていました。一昔前に流行ったオカルト紹介系の番組と異なり、理論的・科学的視点で超常現象に迫るスタンスで好きで、初回から殆ど見続けていますが、今回の結論はアリキタリ過ぎというか……『デマや陰謀論に惑わされないためには疑う心を大切にしましょう』というもの。『株は安い時に買って高い時に売りましょう』と同じで、それができれば苦労はしません。むしろ、

シャア・アズナブル「人間は他人を信じないからさ。信じないから疑い、疑うから他人を悪いと思い始める。人間を間違わせるのさ」

という腋毛の処理を欠かさないグラサンノースリーブの言葉通り、時に疑う心がデマや陰謀論を育む土壌になるのが人類の歴史の救いがたいところです。私が考えるデマや陰謀論がなくならない理由は単純で、

極稀に的中しちゃうから

です。総体では外したケースのほうが圧倒的に多いのに、当たった時の記憶が強烈過ぎる所為で負けの印象が残らない点で、デマや陰謀論は賭博に似ている。賭博と違うのは、外した本人が直接損害を蒙るケースが少ないことでしょう。この点、余計に厄介ですね。デマや陰謀論を駆逐するのは、人類社会から賭博をなくすのと同じくらいに困難なことではないかと思います。そのうえ、9・11が一つの発端となった戦争では、サムおじさんが武力で一国を滅ぼした挙句、開戦の口実とされた証拠品は見つからず終いとかいうチンケな捏造が罷り通っちゃったのですから、そりゃあ、デマや陰謀論を唱える人間が減らないのは残当。
先日発生した震災に関して誰かが井戸に毒を投げ込んだとかいう、ヨーロッパの人間が聞いたら、

『そのデマは既に我々が五百年前に通過した場所だ!』

と鼻で笑いそうな話が飛び交ったとの報道を耳にして、デマや陰謀論は人類社会が存続するかぎり、なくならないのだろうなぁという思いを新たにした次第。勿論、それは特定の誰かに対する論拠のない誹謗中傷の免罪符にはなり得ません、念のため。
ちなみに上記番組で紹介されたCBS集計の『アメリカ人が考える【真相が他にあると考えられる出来事】のトップ3は『9・11』と『元英国王妃事故死』と『キリストの死』。前者二つは兎も角、キリストの死に関する異説は何なのか凄く気になる。御存知の方がおられましたら、情報プリーズ。
今回も最近鑑賞した作品に関する感想をポツポツと書いていきます。まずはこれ。


雪組宝塚大劇場公演 ミュージカル・ノスタルジー『星逢一夜』/バイレ・ロマンティコ『La Esm.../宝塚クリエイティブアーツ

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昨年末の上京時にお逢いした穂積さんが猛プッシュされていた作品。まさか、TVで放送されるとは思いませんでした。穂積さん、事前に放送の情報を教えて下さいまして、ありがとうございました。
恥ずかしながら、宝塚の演目をじっくりと鑑賞したのは今回が初めてでしたが、出演者の演技力……というか美に対する表現力に度肝を抜かされました。何を如何すれば自分が美しく見えるのか、それを全員が心得ているよう。全ての役柄を女性が演じなければいけないという『縛り』を、それ以外の要素を徹底的に磨きあげることでパワーに変える『凄味』。小賢しい理屈を捻じ伏せる作品の圧倒的な魅力をJoJoファンは『凄味』(キン肉マンでは『ゆで理論』)と表現しますが、その『凄味』をリアルで体験した思いです。
勿論、単なる『凄味』で構築されているワケではなく、ストーリーのクオリティも圧倒的。本作は紀之介、泉、源太という三人の少年少女の身分違いの友情や恋愛が発端ですが、その特異点は三人の出会いが各々の運命に全く影響を与えあっていないことですね。このテの悲恋・悲劇では『あの日あの時あの場所で君と出会わなかったら、僕らの運命は変わっていた』という展開になりがちなのに、本作は違う。この三人が星観櫓で出会わなくても、紀之介は部屋住みから脱して家督を継ぎ、領国で起きた一揆の責任を取らされたでしょうし、泉は源太の子を生み、その源太は一揆の旗頭として死んだでしょう。途中経過に若干の差異は発生したかも知れません(紀之介の嫁取りとか)が、大筋の流れは変わりようがない。序盤で紀之介が幾度も両親や傅役から聞かされる『百姓と我々は住む世界が違う』という言葉は本当に正しいのです。如何に攪拌を試みようとも、彼らの運命は水と油のように混じりあうことなく、終盤の悲劇に向かって突き進んでいく。それこそ、本作で象徴的に語られる星の運行のように運命は人間の思惑とは関わりなく、斯くあるべき結末に帰結する。この抗いがたい運命の残酷さ。

人知で覆せないものこそが、本当の『運命』ではないか。
『あの時ああしていれば』という『後悔』を抱ける人生は実は『幸福』なのではないか。
本当の悲劇とは他に選択肢がないと知りつつも、その方途を選ばざるを得ないことなのではないか。


悲しい。しかし、悲しいからこそ、美しい。以前に『蒼穹のファフナー』の感想で述べたように美しいとは悲しいことなのだという思いを確信した作品でした。本作は二度目、三度目のほうが泣けると思います。ラストの星観櫓のシーンを冒頭から見せられるようなものですからね。穂積さんは『冒頭からラストまで周囲で啜り泣きが絶えなかった』と仰っておられましたが、多分、リピーターの観客がおられたのではないかと愚考仕る次第。
そんなアザトイばかりの泣かせが際立つ本作ですが、私個人は終盤で泉の子供たちが母親を探しに来る場面以外は辛うじて平静を保って鑑賞できました。理由は香綾しずるさん演じる鈴虫膳右衛門。いや、香綾さんや役柄がどうこういうのではなく、今の私は『どうでしょう』や『真田丸』の影響でスズムシが笑いのツボなのよ。作中で『スズムシ!』『スズムシ!』と繰り返される度にフフフッという笑いが込みあげてしまいました。この点はリアル観劇でなくてよかった。


次はこれ。

劇場版「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」オリジナルサウンドトラック/ビーグラム

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天海祐希さんがゲスト出演ということで、強引に宝塚繋がりで持ってきた今年の劇場版コナン。内容を要約すると、

赤井秀一「本当の敵は『黒の組織』ではないのか!」チャンチャンバラバラ
安室透「僕にとっては違うな!」チャンチャンバラバラ
江戸川コナン「やめなさい、赤井さん! やめなさい、安室さん! FBIと公安が角突きあわせているからって、二人が争うことなんてないのよ!」


でいいのかな。本当にね、原作読んでいても、何で赤井と安室が観覧車のテッペンでガチバトルしなきゃアカンのか全く判らなかったよ。劇場版は劇場版で自己完結する物語であって欲しいのですが……終盤の観覧車の崩落シーンはド迫力映像でしたので、その場面目当てで見る価値はあるかも。逆にいうと見所はそれくらいで、ぶっちゃけるとコナンいなくてもよかったよねという内容でした。誰が主人公だ、この作品。ちなみに赤井と安室がウダウダしていた所為で、無用のツケを支払わされた公安刑事を演じていたのは飛田展男さん。カミーユの役柄そのまんまじゃないですか。今年のコナンはガンダム好きには意外と楽しめる内容でした。
冒頭で触れた天海祐希さん演じるキュラソーは……ああいう最期かぁ。てっきり、この女性も何処かの組織、MI6辺りの『ノック』で生き残ると思っていましたが、これ以上、組織の中にスパイがウロついていると、作中における組織の威厳がなくなってしまいそうなので、仕方ないのかも知れません。『黒の組織』の人事はザル過ぎるんだよなぁ。世間ではジンニキ無能説が幅を利かせていますが、ジンが疑う相手は殆どガチモンのスパイじゃないですか。ジンニキ、ぐう有能。むしろ、ジンよりも『あの御方』が組織の足を引っ張っているのではないかと思えます。まぁ、流石に、

ジン「聞こえているか……毛利小五郎」

の件はイイワケできないレベルの失態でしたが。そういや、今回も仕掛けた筈の爆弾が起動しなかった時にポチポチとボタンを連打していましたな。やだ……ジンニキ可愛い。


続いてはこれ。

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雨戸幸一「いい加減にしろ! 神とか超人とかどうでもいい……国も政府も関係ねぇ……選手たちは必死にやってきたんだ! この国スポ目指して、必死で四年間自分を磨いてきたんだ! おまえら、そんだけの力があるのなら、内輪揉めなんてやってないで、早く元に戻せ! 早く元のジャンプ台に戻してくれ! 選手の四年間を無駄にしたくない!」

久しぶりにリアルタイムのアニメで胸にグッときたシーン。次回予告を見た時は『MASTER KEATON』の『家族』のような、国家という幻想を信じてドーピングに奔った選手の悲哀が描かれるものとばかり思っていましたが、本編は現在進行形の問題に鋭く切り込んできました。いや、ドーピングも現在進行形の問題ではあるのですが。
ここ数日、国際競技大会に関する或る案件が世間を騒がせています。勿論、重要な問題ではあるでしょうけれども、それらの報道が選手のことを念頭に置いて議論しているかと問われると心許ないものを感じました。工事費用のようなアカラサマな問題に目を瞑れという意味ではありませんし、近年の歴史を慮るに、当該国際競技大会はスポーツの枠を越えた、国際社会の駆引きのカードとして存在している側面は否定できないのですが、それでも、あくまでも主役は選手という大前提を度外視して話を進めないようにしたいと思った次第。『建前を最初から馬鹿にする人間は信用できない』というヤン艦隊の副参謀長の言葉は、永遠の真理ですね。
あ、こうしたメッセージ性のみならず、単純にアニメとしても面白かったです。特に雨戸のラストジャンプ。それまでは揃えていた両足をV字に広げるシーンは鳥肌たったよ! そうなんだよなぁ。私が子供の頃のスキージャンプは両足を揃えていたんだよなぁ。人間が超人を越える瞬間を描くのに最適の描写! 『コンレボ』は相変わらず燃えるぜ。


更にこれ。

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玉置亜子「ルシアン、どいて! そいつせない!」

このネタ絶対やると思った!

しかも、元ネタと違い、襲う側が『アコ』というのが最高ですね。ラリアットでの返り討ちも含めて、ネトゲ経験者には堪らんネタのオンパレード。昨年の『下ネタ~』以来、始終ニヤニヤしっぱなしで鑑賞できる作品です。下手すると今年のベスト10入りあるかも。
尤も、本作は単純にネトゲ経験者ウケする内容に留まらず、ヒットを狙ううえで要素を考えるうえで重要なものを秘めているのではないかと思います。よく、世間ではヒットする作品にはあるあるネタが大事といわれますが、本当に大事なのはあったらいいなネタなのではないでしょうか。ネトゲで知りあったギルドメンバーが全員美少女というのは、現実にはほぼあり得ない展開(実際、私もネトゲではネカマキャラでした)とはいえ、そこでリアリティを優先したら、フィクションとしての作品が成立しないのも揺るぎがたい事実です。これは『SHIROBAKO』も同様で、あれは業界あるあるネタがウケたように思われがちですが、実際の業界はいい人ばかりじゃないでしょうし、期日通りに作品が完成するとはかぎらない(それこそ、水島監督の『ガルパン』が証明しています)し、原作者との意思疎通が叶うケースばかりではないでしょう。実際のアニメ制作の現状を踏まえたうえで、更に『こうであったらいいな』という理想を上乗せしたからこそ、視聴者は作品から現実の生臭さを感じることなく、作品を楽しく鑑賞できたのではないかと思います。この辺、業界モノのドラマで一発狙っている方々の参考になるのではないでしょうか。


最後は、これ。

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地元の局で第二話からの放送が始まった本作。第一話は永遠に見られないのよね……何ちゅうもんを放送してくれたんや、全く。
さて、世間ではおそ松女子なる言葉が流布したほどの人気を博した本作。私個人は腐でもなければ、女子でもないのですが、しかし、私も大いにハマッてしまいました。単純に面白いというよりも、懐かしいものを見たという印象ですね。勿論、懐かしいというのは『おそ松くん』のことではなく、久しぶりにコントを見たという気分。私が若い頃は『ドリフ』や『ひょうきん族』のようにゴールデン枠でコント番組が放送されるのは当然のことでしたが、ここ数年、コント番組は減少の一途を辿り、本格的なコント番組はNHKの深夜枠で放送されているに過ぎない状態。その隙間に『おそ松さん』がスポッと入り込んだ感じです。
これは別にコメディアンの質が落ちたとかいう話ではありません。個人、乃至は特定のコンビのセンスに全てを委ねるようなバクチじみた番組制作ができるほどの余裕が、現在のTV局にはないという現状の現れではないかと思います。近年のコント番組の代表作である『笑う犬シリーズ』も複数のコメディアンが参加する形態でした。TVに留まらず、漫画やアニメでもセンスに依存するギャグ作品ではなく、過去の実績を参考にしやすいストーリー作品が主流になっているのも、基幹にあるモノは同じなのではないでしょうか。そう考えると『おそ松さん』のヒットは作風のアレさと裏腹に、日本の社会経済が抱える問題点を反映した社会風刺に近い現象といえるかも知れません。あ、ちなみに私はトド松推しです。


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今週分の放送日に御当地上田市で開催された『第34回上田真田まつり』。ネットでも様々な記事や写真がUPされていますが、アメンバーのKAKさんが撮影した草刈昌幸が個人的にベストショットです。

『今日の稽古? 2016/04/24 藤岡弘、トークショー 上田「真田丸」』

鼻の頭を掻くような手の仕草が実にキュート。丹波昌幸の煮ても焼いても食えない策謀家のイメージではなく、何処か悪戯小僧のような愛嬌を漂わせる草刈昌幸の魅力をスパッと切り取った一枚です。最高。タイトルからも判るように、上田市では同日に平八郎を演じる藤岡弘、さんのトークショーも開催された模様。本作における徳川家の癒し系イメージを決定づけた家康と平八郎のご飯粒の食べっこは、藤岡さんのアドリブとのことでした。乗っかる内野さんも大概だよ! 惜しむらくは初代上田藩主の真田信之が登場しなかったことですが、きっと大泉さんは伊達政宗の甲冑を着込んで、上田城の入口で観光客を出迎えていたのでしょう。KAKさん、色々とありがとうございました。
『真田丸』絡みのニュースをもう一件。

「『真田丸』第16回のBS視聴率が自己最高の5.2% 早くも記録更新」

近年、クオリティ以上に視聴率の低迷が問題視されている大河ドラマですが、BSでの先行視聴組の数値を何らかの形で加算しないのはフェアではないと常々思っていたので、これはいいニュース。作品の善し悪しを視聴率で判断する気はないとはいえ、数字という誰の目にも判るモノで価値観を計る以上、その計算は公正であって欲しいとも思います。まぁ、ヘタに計測し直して、ワースト視聴率大河の座が『おにぎり女』から『平清盛』に返還されることになったら、それはそれで複雑な気分になるでしょうけれども。
ここ2、3回はモニョッとした内容が続いた『真田丸』ですが、今回は面白かった。確かに面白かった。凄く面白かったけれども、

これは大河ドラマじゃない

よね? 第1期3話が大泉お兄ちゃんの騙されっぷりを楽しむ『どうでしょう劇場』であったように、第2期3話の今回は紛うことなき『三谷劇場』。登場人物が信繁や秀吉や清正である必要性が殆どないストーリー展開でした。歴史を元に描いたコメディではなく、コメディを描くために歴史上の人物を当て嵌めたとでもいいますか。いや、面白かったので、文句はないですけれども、コメディ中心の内容ゆえに感想は書きにくい。ギャグの解説ほどに空しい作業はありませんのでね。ストーリー上も大きな進展はなかったので、今回の感想もキャラクターに焦点を当てる構成でいきましょう。


1.今週の真田家

真田信繁「上杉と真田は固い絆で結ばれています!」

高梨内記「上杉が援軍を断ってきました!」
真田昌幸「ありえん! 真田とは固い絆で繋がれておるわ!」


兼続が聞いたら『俺らの間にあるのは絆じゃない! 腐れ縁だ!』と激怒しそうな真田親子の発言。何故、こうも一方的に上杉からの好意を期待できる前提で話を進められるのでしょうか。この発想はストーカーそのもの。そうか、真田は上杉のストーカーなのか。そう考えると、上杉景勝が本作のメインヒロインとして一部の視聴者に認識されているのも判るような気がします。しかし、今回は、

真田信幸「此度ばかりは上杉にも働いてもらわねばなりません」

と、常識人で鳴らしたお兄ちゃんまでも、今までに上杉が何もしてくれなかったかのような物言い。敵に回らなかっただけでもありがたく思えよ。まぁ、お兄ちゃんの口からこういう言葉が出るほどに、真田は追い詰められているということなのでしょう。


2.今週のMVP

平野長泰「言っておくが、権佐が初めてじゃないから。三人目。皆、殿下の怒りに触れて……あの世逝きだ」シュッ
真田信繁「」ヒヤアセタラー


先回、インパクトにイマイチ欠けた秀吉の恐怖ですが、今回の放送で社長の愛人(未満)に気に入られた新入社員の受難という形で描かれていました。重厚さには欠けるとはいえ、これはこれで判りやすい恐怖であり、コメディとも共存できる設定なので、如何にも三谷さんらしい描写といえるでしょう。この秀吉の恐怖表現の立役者は平野長泰。彼が権佐の一件を語らなかったら、視聴者も信繁も秀吉に恐怖を覚えなかったに違いありません。信繁からは『七本槍の最後の一人が出てきません』といわれ、三成からも『そういう奴だ』とゾンザイな語られ方をされていましたが、今回の放送では誰よりもいい仕事をしたと思います。MVPは平野長泰。異論は認めない。『賤ヶ岳の七本槍』というゴリ押しマーケティングユニット(談・加藤清正)の反動でソロ活躍は低迷した長泰ですが、今回の放送で世間的な知名度は大幅UPでしょう。暫くは糟屋武則よりも上位にランキングされそうです。
それと権佐は死んでいないんじゃあないかなぁ。事情を知らされない長泰がフカシこいているだけで、実際は郷里に帰ったに過ぎず、欠員の理由は結城秀康に手討ちにされた馬廻りの逸話に絡んでくるのではないかと推測します。そのほうが三谷さんっぽい。


3.今週のきりちゃん

きり「向こうに帰ってもすることないし」
真田信繁「こっちにいたってすることないだろ!」
きり「何処にいたってすることないなら、此処にいたっていいじゃありませんか!」


人当たりもよく、頭の回転も速い信繁ですが、基本的なところではガキンチョであることを露呈するのがきりちゃんへの対応。『源二郎さまの傍にいたいの!』という告白をスルーするところもそうですが、きりちゃん相手に口喧嘩で勝とうとするのがそもそも間違いなのです。前々回の三成のようにピシャッと何処かに閉じ込めてしまえばよいのです。今回のケースでは有無をいわさず、上田行きの籠にでも放り込んでしまえばよいのです。きりちゃんといい、茶々といい、このテの関わると面倒な女性に好かれるのが本作の信繁というキャラクターなのでしょうか。
そのきりちゃん。今回は何気に視聴者の好感度UPの内容。ちゃんと針仕事もしていましたし……というか、針仕事できたのね。そして、秀吉の前では深々と頭を下げていました。てっきり、天下人の前でも突っ立ってタメ口で話すタイプだと思っていましたよ。ゴメンね。本人曰く、大坂のほうが性に合っているとのことですが、実際そうかも。本人が図らずとも他人と一定の距離を保てる都会のほうが、きりちゃん向きなのかも知れません。


4.今週の茶々

茶々「ねー? 権佐って死んでしまったの?」

先週まで色目を使っていた相手の生き死を尋ねる茶々の口調。ペットの犬猫が死んだんじゃねーんだからさ。いや、でも、茶々本人は色目を使ったという自覚もないと思うのよ。自覚がないからこそ、秀吉の機嫌を損ねるようなヤバい真似を平気でやらかすのでしょう。『自分が悪という自覚のない人間が最も邪悪』という言葉がありますが、本作の茶々の描写を慮るに『自分が悪女という自覚のない女性が最も悪女』といえそうです。新しいタイプのファム・ファタールかも。
尤も、このキャラクターで大坂の陣まで突っ走れるかという危惧もあり。大蔵卿局の『あの御方は……悲しむのをやめた』という台詞が茶々の隠された一面を引き出すフラグになるのか否か……三谷さんはそういう影や闇のある女性は向かないからなぁ。しかし、本当に茶々ときりちゃんはキャラクターが被る。試しに二人を脳内コンバートしてみて下さい。違和感ないでしょ?


5.今週の治部

石田三成「これを返しておく。大阪のこと、親に知らせるのは構わんが、何でもかんでも書いていいというものではない」

厳しいようでいて、実は親切極まりない本作の三成。台詞から察するに信繁は大阪の内情を赤裸々に綴っちゃったようですが、外部に機密を漏らす行為は処刑もあり得るシチュエーションなので、殺されても文句はいえません。それを内々に揉み消して、手紙まで返してくれるというフレンドリーな対応。流石はツンデレ治部。『コイツは使えそう』と見込んだ相手には相応に親切です。城の見取り図を『書き留めるな。頭で覚えろ』という指示もキチンと事前に説明している。ロクな社員研修もせずに仕事の最前線に放り込んで使い潰す類のブラック企業にも見習って欲しいです。ウチの上役とか。まぁ、逆に『コイツは役にたたん』と思われたら、長泰のように左遷部屋に送り込まれちゃうのでしょうけれども、作中三成の人事には一応の筋が通っています。演じる山本耕史さんは『助命嘆願が送られるような三成にしたい』と語っておられましたが、信尹叔父さんといい、直江兼続といい、ナンバー2キャラの光る本作であれば、あり得る話かも。
一方で先回異色の存在感を見せた宗匠はイマイチ。陸にあがった魚のように茶室を出た茶人とはこういうものという解釈もできますが、堺の珍品展のシーンはダメ。ああいう大仰な品揃えは見る側には逆に安っぽく映るもの。謁見の場でソッと献上してこそ、品物の価値が映えるというものです。


6.今週の秀長

羽柴秀長「誰もが身の丈から外れた地位と暮らしの中で溺れかけておる。それが今の大阪城じゃ」←わかる
羽柴秀長「虎之介はああ見えて、まっすぐな気性……兄のためなら生命も惜しまぬ男じゃ」←まぁわかる
羽柴秀長「容赦してやってくれ」←(゚Д゚)ハァ?


秀吉政権不動の二番手、大和宰相こと羽柴秀長登場。出典は失念しましたが、三谷さんが好きな戦国武将で上位にあげていた人物です……が、マトモなことをいっているようで、実は内容は大概であったりします。『虎之介に悪気はないから井戸に落とそうとしたこと許してやってね』とか、言い分はサイコパスと変わりません。あの兄にして、この弟あり。納得。信繁もカレリンズ・リフトで井戸に叩き落されそうになったというのに、それで言い包められちゃう辺り、存外チョロい男です。
それでも、急激に勃興した政権の空洞化という秀吉政権が内包する問題点を指摘する役柄として、秀長の登場には意味がありました。これは三成には向かない役回りです。些か食い足りなさを感じた先回ですが、あれは秀吉政権の光の部分、今回は影の部分というように二話で一話と考えると色々と合点がいきます。サブタイの『表裏』とは今回と先回はワンセットですという意味合いなのかも。


7.今週の平八郎

本多忠勝「武具を持って無暗に走ってはいかんというておろう。転んでケガでもして、この美しい容貌に傷でもつけたらどうするんだ?」オロオロ
稲姫「はい!」
徳川家康(えぇ……)
本多正信(これはひくわー)


娘にダダ甘じゃねーか!

頑固親父のイメージから、てっきり息女も厳しいと思っていたのに……いや、逆に考えるんだ。父親がダダ甘であったから、娘が高ピーに育ったんだと考えるんだ。しかし、こういう親馬鹿言動は吉田羊さんのような美人に対してではなく、小早川奈津子のようなキャラクター設定で用いたほうが面白かったと思います。まぁ、それだとお兄ちゃんが救われないので、流石にダメなのだと思いますが。何れにせよ、初登場の稲姫よりも父親のキャラ崩壊に目が向いてしまいました。色々な意味で藤岡さんはキャラが濃過ぎるんだよなぁ。


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