~ Literacy Bar ~

ここは、イマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

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『平清盛』第7回『光らない君』の感想には、これまでの記事の中でも最多のコメントを頂戴致しました。ありがとうございます。

尤も今回の内容は『二人の父』や『殿上の闇討ち』などの回と比べて、格別に面白かったわけではなかったと思います。じゃあ、何で皆さまからのコメントが多かったのかといえば、恐らく、


次回予告での悪左府登場の衝撃


じゃないでしょうか。実際、コメントを書き込んで頂いた方の多くが藤原頼長の登場が楽しみと述べておられました。悪左府好きの私としても嬉しいかぎりですが、しかし、想定外の反応でもありましたね。悪左府ってそんなに人気があったのかと不思議な気持ちになりました。【アッー!】なのか? そんなに【アッー!】がええのんか? とも考えましたが、この悪左府待望論ともいうべき反応には『平清盛』という作品に対して視聴者が抱いている何かが表れているんじゃないかと思いました。


一つには山本耕史さん登場への期待感ですね。山本さんが『新撰組!』で土方歳三を好演されたことは周知の事実です。同作では堺雅人さんが演じられた山南敬助も人気を博しましたが、御両名の好演の質は対極にあります。堺さんが従来のイメージを覆す温厚で良識派という新しい山南像を表現したのに対して、山本さんは大多数の人々が抱いている土方の虚像にほぼ完璧に応えたといえます。目的のためには手段を選ばない冷酷で犀利な策士。時に才気が暴走して思いもよらない災禍を招く迂闊さと若さ。『新撰組!』の土方はそういうキャラクターであったと思いますが、それは殆どそのまま、悪左府にも適用できるんですよね。俳優の才能、キャリアと役柄の組みあわせが絶妙過ぎます。『平清盛』ではプルーンパパやタフマン法皇、金麦たまちゃんのように蓋を開けてみたら凄いことになっているキャラクターはゴロゴロしていますが、キャスティングの段階で『これは!』と期待を抱かせる配役は意外に少なかったように思うんですよ。その中で殆ど唯一の例外が山本副長の悪左府であった。近年の大河ドラマで、これほどに俳優と役柄がマッチングした例は少ないんじゃないでしょうか。勿論、脚本次第で如何なる名優の演技も痛さと寒さしか感じられないものになることは昨年のアレを見れば一目瞭然ですが、山本副長と悪左府はキラー・クィーンとストレイ・キャットのように、如何なる状況でも見事な爆発を見せてくれるんじゃないかという期待感を抱くに足る組みあわせだと信じさせてくれます……信じていいんだよね?


もう一つは作品そのものに対する不満があると思います。今年の大河ドラマはよい点も多いですが、悪い点は悪い。これは認めざるを得ない。よい点はホームドラマパート、そして、悪い点は政治劇の場面ですね。帝、院、新興貴族、藤原摂関家、平氏、源氏などが何を考えて、その時の状況に応じて誰と結び、誰を追い落とそうとしたかという描写が殆どない。大河ドラマであるからには、そうした点も丁寧に描いて欲しいという欲求は多くの視聴者が抱いていると思います。

そこにきて、悪左府の登場ですよ。

凡そ、悪左府ほど、ホームドラマに似つかわしくない男も日本史上に稀です。否、一応、親父や兄貴との確執もあるのですが、そうしたホームドラマの要素になりそうなネタですらも、政争の具に利用しそうな幻想を抱かせるのが悪左府です。『銀英伝』でいえばオーベルシュタインですね。まぁ、実際の悪左府はシュターデンかケッセルリンクに近いんですが、兎も角、存在そのものが権謀術策の宮廷陰謀家である悪左府の登場で、物語も政治劇の様相を呈してくるんじゃないのかとの予想……というよりも願望が視聴者にあると思います。プルーンパパの頑張りでホームドラマパートはほぼ完璧ですから、これ以降は鳥羽ちゃん&たまちゃん&得子さんだけでなく、悪左府絡みのジメジメとした宮廷劇が展開されることを希望したいですね。

そんなわけで次回の『平清盛』では山本悪左府の扱いが最大の鍵になります。彼が如何に描かれるかで、本作がホームドラマ大河路線に終始するか、本格派大河への回帰を果たそうとするかが見えてくるんじゃないかと思います。


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今週の『相棒』はお休みですので、自然、感想記事もありません……が、折角ですから、徒然に筆を走らせてみましょう。議題は神戸の後釜に関してです。

周知の通り、今季の最終回で神戸尊を演じる及川光博さんが『相棒』を卒業します。及川光博さんというキャスティングが如何にグットチョイスであったか、そして、神戸尊というキャラクターが亀山薫に勝るとも劣らない相棒であったかは私が論ずるまでもないと思います。そんな及川さんの卒業はもったいないの一言ですが、決まってしまったことは仕方がありません。今季の最終回で神戸尊というキャラクターを骨までしゃぶり尽くしてくれることを期待したうえで、三代目(劇中では九代目)の杉下の相棒に思いを馳せてみましょう。なお、以下の文章は願望であって予想ではないことを言明しておきます。あくまでも、私個人の妄想として茶飲み話程度に聞き流して頂けると幸いです。そして、誰が演じるかではなく、如何なるキャラを望むかという話であり、決して三代目の相棒のキャスティングを予想するものではないこともご了承下さい。


1.年齢


単純なようで実は結構重要な要素だと思う。

亀山も神戸も共に三十代後半から四十代前半に杉下の相棒を務めていますから、次代の相棒には若さを求めたい。杉下もそろそろ諦念……じゃない、定年退職の年齢ですから、もっと自覚的、能動的に次の世代の育成を考えて欲しい。亀山も神戸も男として脂の乗りきった時期でしたから、杉下の言動から学ぶべきこと(そして、絶対に学んではいけないこと)を自然に吸収していましたが、次代の相棒では明快な師弟関係が描かれると嬉しいです。その意味で後任の年齢は二十代後半から三十代前半を希望。年齢を考えると必然的にキャリア組にならざるを得ず、その点は神戸と被りますが、そこは他の面で差異をつけるということでご勘弁下さい。


2.為人


先代、現在の相棒を一言で表現すると亀山は脳筋、神戸は秀才官僚といえると思います。前者は安楽椅子探偵になりがちな杉下の肉体面でのフォロー役、後者は常識や人間感覚に疎い杉下の人事面での補佐役でした。そして、次代の相棒に求められるのは警察官の原理原則に忠実な生真面目君じゃないかと思います。作中で何度も触れられているように杉下の正義は時に暴走します。普段は如何なる理由があっても犯罪は犯罪として、暴かなくてもいい犯罪を暴き、捕まえなくてもいい犯人を捕まえる杉下ですが、その捜査方法は違法ギリギリ……否、時に明確に法で許される範囲を逸脱しています(『黙示録』の回とかね)。そうした矛盾は誰かが指摘しなければいけない。小野田という後ろ盾や神戸というフォロワーを失ってなお、杉下は己の正義を警察組織の中で貫けるのか? 貫いていいものなのか? 次季の『相棒』ではそういう点を追求して欲しい。その意味で次代の相棒は優秀ではあるけれども頭にクソがつくほどに生真面目で、そのために周りから煙たがられた挙句に特命係に配流され、そこでも杉下が何の権能もないのに捜査に首を突っ込むことにいちいち苦言を呈して、杉下が違法、或いは良識に反する捜査をやろうとする時には断固としてこれを阻む。いうなれば綺麗な内村刑事部長ですね。年齢の項目で師弟関係といいましたが、推理以外の点ではおおいに反発しあって欲しい。亀山のような人情路線でもなく、神戸のような官僚的思考でもない、純粋に警察官の良識で杉下と対立する為人が理想。杉下の正義と新相棒の正義の境界線上に亡き小野田の影が浮かびあがるような構成を希望します。


3.性別


ぶっちゃけ、ムリに男の相棒に拘らなくてもいいんじゃないかと思っています。実際、亀山の退職から神戸の配属の間、杉下がフリーで捜査をしていた期間がありましたが、この時期に放送された正月SP『ノアの方舟』で登場した田畑智子さん演じる法務省官房長補佐官の姉川聖子との臨時コンビは年齢、性別、経歴の差を越えた理想的な相棒関係、師弟関係でした。これまではたまきさんの存在がありましたから、必要以上に杉下の周辺に女性が侍ることはなかったですが、現在の女将は月本幸子ですし、その意味でも問題なし。別段、杉下と色恋をやれとかいうんじゃないですよ。上記のように次代の相棒には杉下とガンガンやりあって欲しいですが、その相手が女性というのは新鮮なんじゃないかと思います。season9に登場した仁木田栞とかいいかも知れません。仁木田は捕まってしまいましたけれどもね。


こんな感じで希望の設定を考えて見ましたが、しかし……、


二十代後半から三十代前半


頭にクソがつくほどに真面目な性格


才色兼備の女性


何でかな……何処かにいたような気がする……あぁ、思い出した。


室町由紀子じゃん。


人材の墓場杉下右京&ドサ回りお由紀のコンビ。これは結構、面白そうな気がするんですよね。余談ですが、室町由紀子ではなく、杉下と薬師寺涼子のコンビとかは……色々な意味で怖過ぎる。兎も角、新しい相棒は杉下と師弟関係のような年齢差で、しかし、いうべき点はガンガンと苦言を呈する美人であってくれればと願っています。


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エリン「貴方の生き方はまるで闘蛇のよう……卵のうちにお母さんから引き離されて、只管、戦うために育てられた孤独な獣。貴方はそのように真王陛下のためだけに生きてこられたのですね。もう、貴方を縛る音無笛はなくなったんですよ。どうして……どうして、この右手で自分の幸せを掴むことを考えないんですか?」


何とも初々しいフォーリン・ラヴ回でした。


ダミヤがキリクに見切りをつけたり、イアルがエリンにしかできないセィミヤへの直談判を思いついたりと、終盤に向けての伏線がバシバシ張られた回でしたが、一番の肝はエリン×イアルのカップル誕生が如何に描かれたかでしょう。

そも、男女の愛情を如何に表現するかは脚本家の腕の問われる場面です。しかも、この『獣の奏者エリン』はC層を取り込むことを想定してつくられた物語ですから、そこで男女の愛情の機微を描くのはとても難しい。恋愛経験のない子供にも、この二人は好きあっているんだと判らせるのは至難の業です。一番簡単なのは台詞にしてしまうことですが、そんな、


「お前が好きだぁっ! お前が欲しいっ!」


というビーンボール級のド真ん中ストレート(凄い矛盾した表現だな、これ)の告白が許されるのは、あの熱血ヘタレ馬鹿だけでしょう。この点、スタッフは実に細々とした表現を用いて、エリンとイアルの関係性を描いていました。


まず、ラザル王獣保護場に逃げ込んできたイアルをエリンが治療する場面。終始、リランとエクがイアルに向かって唸り声をあげます。イアルは血と鉄の匂いを纏った闖入者なわけですから、至極当然の反応なのですが、エリンの治療が進むにつれ、リランもエクも唸り声をやめます。これはリランとエクがイアルがエリンにとって大事な存在であることを認識したためでしょう。つまり、王獣の目からイアルとエリンの関係を認めさせるわけです。

次にイアルの夢現に現れる幼い日の家族の光景。家族間の愛情というのは子供にも判りやすい表現ですから、イアルがエリンに家族の思い出の欠片を見る=両名が家族に近しい関係で結ばれていると表現します。特にイアルが『自分の父は竪琴職人で父の奏でる竪琴の音色が好きだった』という台詞にエクがアルに王獣独特の鳴き声で呼びかける場面を被せることで、それを強調しています。

そして、劇中歌の『夜明けの鳥』。この歌詞の内容も母子の愛情を唄ったものですが、これは同時にエリンとイアルの出会いの契機になった歌です。この曲を流すことで、これまでの両名の交流を視聴者に想起させる。エリンとイアルが子供の時分から出会っていたというのはアニメオリジナル設定ですから、これが活きたことになりますね。

また、単純に子供向けの描写ではない証明としては、ラストに抱擁するエリンとイアル。この場面でエクとリランはエリンとイアルの姿をしっかりと見つめていますが、アルにはボクちゃん、よく判らないみたいな感じで二人を眺めさせます。ここから先は大人の世界、つまり、子供のアルには判らないでいいゾーンということを表現しているのでしょうね。

台詞に頼ることなく、子供にも判る型で男女の愛情を描きながら、一線を越えそうな場面から先はお子様お断りという感じに仕上げています。明らかにプロの犯行ですね。


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ミレーヌ・アロイ「これは命令違反です。軍では命令が絶対。貴方は指揮官の命令に背き、艦を危険に晒した。アセム・アスノ伍長、次の命令があるまで自室謹慎を命じます。行動には責任が伴うことを自覚すべきです」


直後に格納庫でキュアリズムアリーサとイチャイチャ。


こーゆ-ことやってっから、物語にリアリティが生まれねぇんだよ。

いや、今回の話そのものは悪くはなかったよ。ゼハートとかロマリーとかとの中途半端な学園ものに時間を費やすくらいなら、いっそのこと、今回の話を第二部の開幕に持ってきてもよかった。第一部と第二部の間にも地球とヴェイガンの争いは続いていたわけだし、拙劣に平和な日常を挿入するよりは、第二部は冒頭から戦闘モードで始まったほうが視聴者も自然に物語に入れたんじゃないかと思う。

しかし、要所要所で大事な点をスッ飛ばしているから、前後の辻褄があわない場面が多過ぎるんだよな。冒頭に述べた場面もそうですが、他にも、


士官学校入学→訓練課程カット=素人が急にパイロットになったみたい


ガンダムに固執するアセム→親父の七光りは嫌なアセム=二重人格


ヴェイガン軍威力偵察→全滅するまで放置→どう考えても見殺し


などなど、どこから突っ込んでいいのか判らない。あまりにも過程の描写を等閑にし過ぎている。そこは描いておかなきゃ視聴者が混乱するでしょという点が多過ぎる。製作者が明確に劇中で触れていないことで想像がつくのはロマリーが軍に入ったのはアセム&ゼハートに会いたいからじゃないかということだけ。他の点は完全に視聴者おいてけぼり状態です。特にアセムは父親を尊敬しているけれども、親父の七光り扱いされるのは嫌という複雑な心理を抱えているのですから、そういう機微はちゃんと判るように描いてくれないと、自分の都合で大人と子供の態度を使い分けている(by エマ・シーンようにしか見えない。

これはあくまでも想像ですが、製作者は書けないんじゃなくて、端緒から書く気がないんだと思うんですよ。この大事なことの書かなさ加減は、


「色々あって軍人になった」


の一言でシン・アスカの過去を片付けた『種運命』に近いものを感じます。シンも脚本家に愛されなかったキャラでしたしね。問題は『種運命』の場合は脚本家の愛情(或いは偏愛)が注がれる対象が他にいましたが、この『AGE』では何も誰も脚本家に愛されていないんじゃないかということです。物語を描いている人が登場人物や舞台設定に何の執着も抱いていないから、視聴者にも何も伝わってこない。それが『AGE』が盛りあがらない理由なんじゃないかと思います。


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今年の大河ドラマはよくも悪くも漫画チックな雰囲気があります。先回は完全に『ワンピース』の世界でした。今回のサブタイトルからは『BOYS BE……』の匂いがしていたのですが、さて、実際はどうであったでしょうか。


海賊討伐の功績で更なるランクアップが期待できると盛りあがる平氏一門。まぁ、海賊どもの殆どは検非違使にも突き出さずに裏から手を回してテメェたちの手駒にしたんですが、そんなことはシレッと忘れたフリをするのが大人の態度というものです。


平忠盛「生命を喪うた者たちのうえに……益々、平氏の繁栄を築いてゆく。それがこれから先の我らの使命と心得よ!」


相変わらず、忠盛パパンは格好いいなぁ。『ボクは人は斬れましぇぇん!』とか『イクサはイヤにございまするゥ』とかいってた近年の大河ドラマの主人公たちなんざ、パパンの足元にも及ばないよ。戦を生業にしている以上、犠牲はつきもの。しかし、彼らも御家のために散っていったわけですから、その喪われた生命をムダにしないためにも自分たちの信じる方途を邁進する。こんな描写、当たり前といえば当たり前なのですが、それをちゃんとやってくれることのありがたみを噛み締めています。

平氏の元に匿われている兎丸。自分たちが検非違使に突き出されないように平氏がかなりの賂を融通していることにブチぎれる。いや、アンタたちを守るためなのですが……と思いましたが、兎丸としては都が飢饉に喘いでいる現今、平氏が自分たちの繁栄のためだけに不当に富を独占しているのだとしたら、それは許せないし、その恩恵に与ることで自分たちが生かされているのだとしたら、それも許せないのでしょうね。この辺はアウトローの気概を感じます。


兎丸「おまえら、どんな汚いことしとんねん? 自分ら平氏だけがのしあがるために、おまえら動いておるんだったら、俺は絶対に許さんからなぁ!」

平清盛「無論、その時はそうするがよい! 俺についてきたことを決して悔やませはせぬ!」


厨二病から快癒した清盛君、完全に平氏の一員です。序盤の危なっかしい言動にヒヤヒヤさせられましたが、あれがあったからこそ、今回の台詞に主人公の成長……とはいかないまでも変化を感じることができました。やっぱりね、主人公は序盤で一度、ドン底まで突き落とさないとダメですよ。産声で戦をとめるとか、生まれた段階でスーパーウーマンとか、そんな主人公で起伏のある物語ができるわけないですよ。


平盛康死去。


早い、早いよ、佐戸井けん太さん。


白河法皇の伊東四朗さんもそうでしたが、いい役者が早く退場するは悲しい。大河ドラマで『へうげもの』をやる時には是非、前田ありなん侯利家を演って欲しいですね。その盛康の遺言で鱸丸が平氏一門に加わります。平盛国誕生の瞬間。てっきり、オリキャラのままで終わるかと思っていたら、平氏一門の中でも数奇な運命を辿った人にジョブチェンジですよ。漸く、上川隆也さんがキャスティングされた理由が判りました。これでオリキャラ枠は兎丸に専念できますね。


アバンタイトル&OP終了。

時子登場。『源氏物語』に夢中のドロンジョ様です。恋に恋する乙女。この女性が数十年ののちに孫を抱えて文字通りに【nice boat】することになるとは……時の流れって残酷ですよね。尤もドロンジョさまの朗読に字幕スーパーを出す演出は余計っぽかったかな。侍女を相手に『源氏物語』の内容を語りあうみたいな場面にしたほうが自然であったと思います。


そんなこんなで何時の日にか光る君と巡り逢う日が来ることを夢見るドロンジョ様ですが、そんな彼女に道端でぶつかってきたのが、


平清盛「どけ! どけ! 腹は痛いし……厠は遠過ぎ……ぁ」


『BOYS BE……』路線終了のお知らせ。


のちに継室になる女性の眼前で野糞をする大河ドラマの主人公って何年ぶり……否、何十年ぶり……ていうか、今までに存在したか? 幾ら何でも主人公の扱いが酷過ぎるぞ。けしからん。もっとやれ。


海賊討伐の恩賞を賜る忠盛パパン……とはいっても、今回、恩賞を受けたのは忠盛ではなく、清盛。別段、清盛の功を評価したわけではなく、忠盛を出世させて武士を公卿に連ねるのは人事のバランスからも貴族のプライドからも拙いと鳥羽上皇は判断したようです。この説には私も賛成。歴史パートの脆さが目につく本作ですが、この描写があったのは嬉しかった。全てを承知のうえで承諾する忠盛&清盛にあんまりチョーシに乗んなよ、オメーらは所詮は皇家の狗だと釘をさす忠実もよかったですが、ここでブチぎれなかった清盛に成長を感じました。しかし、幾ら何でも清盛の格好は小汚過ぎるぞ。流石にここはもう少しマシな衣装を用意してやれよと思いました。


高階基章&明子登場。

清盛の最初の妻ですね。義父になる高階基章は『独眼竜政宗』の鈴木重信&『翔ぶが如く』の大村益次郎を演じた平田満さん。常連さんが出てくるとホッとします。貧乏貴族という点が強調されていますが、これは終盤の展開でも判るように旭日の勢いの平氏と従六位の近衛将監に過ぎない高階基章の娘との縁談が如何に釣りあわないものであったかを表すためでしょうね。

出会ったその日のうちに清盛に娘を嫁に貰ってくれと頼む高階基章。夕餉の汁を吹く清盛。脚本的には唐突な感は否めませんが、キャラの心境としては吹くのが当然。つーか、清盛のほうも明子に一目惚れのご様子。こっちのほうは『BOYS BE……』路線を継続中。


しかし、物語は純情路線から一転。

そう、この大河ドラマがR15指定されてもおかしくない鳥羽ちゃん&たまちゃん&得子さんの愛憎劇場のお時間ですよ。

得子ちゃんが女児を出産する。乳母にあやされる叡子内親王。男児を生めなかったのでメチャクチャ不機嫌そうな得子ちゃん。この1分足らずの場面で昨年の大河ドラマを凌駕しているな。現代の価値観はさておき、当時はこうだったんだよ。こういう価値観をきちんと描いてこそ、物語の終盤で清盛が地位や身分に拘わりなく、明子を選ぶことのタメにもなるんだよなぁ。

女児で安心したと嫌味ったらしいことを口にする堀河局。しかし、当のたまちゃんは心底、得子さんの出産&女児の誕生を寿ぎ、大量の産着をプレゼントします。そう、たまちゃんは何処までも天然なんですよ。悪気は全然ないんですよ。単に他人の心と空気が読めないだけなんですよ。しかも、自分が皇子を生んだ時の経験を語りながら、今回は皇子を生めなかった得子さんに『貴女も頑張れ』とかいう。こーゆー無邪気な善意が如何に女のプライドを傷つけるか、たまちゃんには全く判らないですね。


御影「何故、お受け取りになったのでございますか! 斯様に嫌味たらしい祝いの品を……」

得子「嫌味ならまだよい……! あれはまこと、祝いをしに参ったのじゃ! 忌々しい……!」


嫌味の一つもいわれれば怒りのぶつけようもある。しかし、100%の善意に基くプレゼントで怒りを向ける矛先を失った得子さんは、その冥い情念を鳥羽ちゃんにぶつけます。衆目も憚ることなく、鳥羽ちゃんを押し倒すと、


得子「皇子をお産みしとうございまする……! 何としても、上皇さまと私の皇子を……!」


ドMのNTRからフェムドム属性に調教させられた鳥羽ちゃん。以上、本日の鳥羽ちゃん&たまちゃん&得子さんの愛憎劇場でした。面白かった。


佐藤義清が崇徳帝に召される。崇徳帝が詠んだ、


『瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢わむとぞ思ふ』


は高名な小倉百人一首にある一首ですね。劇中では義清は単なる恋歌ではなく、その奥に別の思いがあるように感じています。これはアレかな、鳥羽上皇との和解を望んでいるということなのかな。叔父子ではなく、普通の親と子になりたいということなのかな。この辺は先の展開を待ちたいと思います。


明子とドロンジョ様のガールズトーク。

うん、よく判らん。女のいってることはよく判らん。サッパリだ。多分、恋に恋するドロンジョ様と実際の恋と現実の間で苦悩する明子の対比を描きたかったのでしょうが、何分にも私に恋愛譚を読み解く素養がないのでよく判りませんでした。そんでもって、縁結びの願掛けとばかりに神社に向かうドロンジョ様一行が現場で清盛と遭遇。テンプレだ。ついでに清盛に反発するドロンジョ&必死に会話を繋ごうとする清盛に話をあわせてくれる明子。最終的に清盛とドロンジョ様と結ばれることを思えば、これもテンプレだ。ごめんなさい、恋愛譚はよく判りませんのです。ただし、明子との話の途中で清盛が『危うい所を一門の者たちに救われた』と素直に話したのはよかったです。俺はロンリーウルフだぜ、ヒャッハー! とかいっていた時分に比べて成長したよな。


藤原家成と宗子の会話。

恐ろしい。実に恐ろしい。本人のいない所で縁談が進んでいる。いや、当時は当たり前のことなんですが、これ、現代で実際にやられたことのある人間としてはマジで恐ろしいんですよね。親とか親戚とかって怖ーわ。この場面は藤原家成と宗子は従兄弟同士であることをベースに構成されており、憧れの従姉妹が複雑な事情の家に嫁いだことを気にしていた家成が清盛に嫁を持たせることで宗子の負担を軽くしてやりたいと考えているなど、歴史劇としては兎も角、ホームドラマとしてはなかなかの出来でしたが、この辺の事情はもっと早い段階、例えば清盛元服の場面とかで触れておいてくれたほうが、今回の場面も印象が深まったと思います。ちょっと惜しかった。


明子への恋文を佐藤義清に代筆させる清盛。

贅沢ってレベルじゃねーぞ!

この辺は如何にも青春群像といった感じですね。劇中当時の義清は清盛個人のマブダチですから、こーゆー贅沢な使い方もできるわけですよ。義清が『会心の出来ではない』といっていたから、この歌はドラマオリジナルなのかな。そして、返信されてきた歌を読みあげる清盛。


佐藤義清「……なるほど」(フッ)

平清盛「おい、さっぱり判らんぞぉ! ウヒャヒャヒャヒャ!」


本当に主人公の扱いが酷過ぎる大河ドラマだな。そろそろ可哀想になってきた。

見事に玉砕したことを知らされた清盛は直談判に及びます。まず、義清に歌の代筆を頼んだことを正直に詫びます。これは地味ですがいい場面。清盛の真っ直ぐな心と魅力が表れていました。こういう小さい描写の積み重ねで主人公の魅力を形成していって欲しいですね。

しかし、このあとの明子の理屈が全然わからなかったです。ごめんなさい。マジ、こういう場面は苦手なんですよね。一応、判ったつもりになて書いてみると、


明子「親父はさー、アタシが住吉大社の力がなけりゃ幸せになれねーと思ってんのよねー。そーゆーふーに育てられてきたから、アンタに求婚されても、それはアタシの魅力じゃなくて、住吉大社の御縁としか思えないわけよー。そんな神頼みの人生? アタシは真っ平御免なわけ。そんなわけでアンタの求婚には応えられねーわ。マジ御免」


みたいな感じかな。それに対して清盛は、


平清盛「知らんがな、ヴォケ。俺は俺の意志でオメーを見初めたんじゃ。ウダウダいってねーでおまえの人生半分よこせ」


と答える。何かよく判らない場面でした……が、この一部始終を『源氏物語』大好き人間のドロンジョ様が見ていた点を考えると、何時か白馬に乗った光る君が現れると夢想しているドロンジョ様に、マニュアルにもシキタリにも囚われない泥臭く光らない君、一個の人間として女性に体当たりする様子が焼きつけられた場面なのかな。つまり、ここは清盛と明子ではなく、ドロンジョ様の将来に対して伏線が張られた場面なのだと思うことにします……が、やっぱり、判りにくかったです。


清盛の結婚宣言。藤原家成からの縁談とか、花嫁の父の官位の低さに親戚衆がウダウダいう。まぁ、当然だわな。しかし、


平忠正「右近衛将監……高々、正六位ではないか」


平家貞「清盛さま、現今がどういう時であるか、判っておいででしょうな? 如何なる家と結ばれるかで一門の行く末が決まってくるのでございますよ?」


既に驕る平家の姿が見え隠れしている気もする。それでも、


平清盛「勝手を申して皆には迷惑をかけるやも知れぬが、どうか、お許しを頂きたく……お願い申しあげまする」


深々と頭を下げる清盛。DQN時代の欠片もねェ。これは視聴者としても後押しせざるを得ない。忠盛パパンの許しも出たことで、好きあっている二人は結ばれました。めでたしめでたし……で終わらねェのが今年の大河ドラマなんだよな。

家盛は純粋に兄の結婚を喜んでいますが、他の者は大なり小なり、今回の縁談に含む所がある。アンチ清盛の忠正は勿論、家貞も平氏一門の先を考えれば正六位程度の貴族との縁談を喜べる筈がない。特に怖かったのが宗子さんですよ。終始、無表情で明快な言葉も発しませんでしたが、従兄弟の藤原家成が用意してくれていた縁談をブチ壊した清盛の結婚に好意を抱けないでいます。否、もしかしたら、家盛ですらも、これで自分に高貴な公家との縁談が舞い込むことで平氏の棟梁への方途が開けるかも知れないと思っていないとはいいきれない。


源頼朝「これは平氏一門、各人の胸にさまざまな波紋を投げかけ、清盛に更なる試練を与える決断でもあった」


好きな異性と結婚できてめでたしめでたしで終わらせない、いいヒキでした。あ、ついでにラストシーンで忠盛パパンがOPの今様を吟じていたのは、清盛の結婚に嘗ての自分と舞子を見ていたからでしょうね。そして、それを敏感に感じた宗子との会話。何気ない台詞しかありませんでしたが、その分、底に秘めた感情のドロドロさを感じました。ハッピーな話題のくせに嫌に不気味な雰囲気で今回は〆。


次回!

遂にあの男が大河ドラマに帰ってくる!


悪左府「近頃の都は乱れきっておりまする。徹底して……粛清……致します」


山本副長、お帰りなさい……って、今回も山本さんの役目は粛清なのかよ! 山本さんも悪左府も大好きな私にとっては楽しみな回になりそうです。


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