~ Literacy Bar ~

ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。


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甲斐享「ママ友も色々と大変ですね」

大変じゃないのは特命係だけですからね。

ママ友にかぎらず、人間関係とは何処にいってもついて回るものです。腹の底には含む所があっても表面上は調子をあわせたり、家族のために感情を殺したりするという、今回のママ友たちの関係性も、職場に置き換えると特殊でも何でもないですよね。相手が誰であっても我が道を征く杉下や、親子関係がどうであれ、警察庁次長の息子であるカイト君には判らないかなぁ。そもそも、ママ友という言い方がアレなだけで、これを『御近所づきあい』と考えると、大変なのは『よくあること』なんじゃないでしょうか。勿論、職場や御近所づきあいやママ友の間でのイジメや囲い込みを肯定しているワケではありません、念のため。
今回は出だしは結構興味を惹いたのですが、途中から尻すぼみ。アリバイに関しても、遠景&子供が証言にした目撃情報はアテにならないという二時間サスペンスもののレベルでした。まぁ、犯人も自ら偽装メールでトリックを施していたので、一応、恰好はつきましたけれども、見ている側は『陸君が見たのは犯人の変装』=『その時間にアリバイがある人間が犯人』というロジックでスルッと犯人が判っちゃったからなぁ。如何に作中の杉下やカイト君が知る術がないこととはいえ、見ている側としては些か興醒め。佐々木さんが生きていたから何とか変化をつけて終わらせられたとはいえ、奇を衒った感がある割にベタ過ぎるオチ。コーヒーポッド越しの課長とか、カメラのアングルでは色々と面白い技があったのに残念。今回のポイントは1つ。

1.疑心暗鬼

結局、誰も彼も勝手に相手の思惑を忖度して、勝手に委縮して、勝手に絶望して、勝手に犯行に及んでいました。人間関係ではよくある構図とはいえ、もう一言二言つけ足したり、確認をしておけば、こんな悲劇(というほどのことでもないか)に至らずにすんだ筈です。日本人の信条は察しと思いやりとはいえ、直接に言葉を交わしたほうが遥かに多くの情報を交換できるのは確か。言葉の選択は慎重を期すに越したことがありませんが、意味もなく黙り込んでいるよりも遥かに有益でしょう。それが子供のためであれば猶更です。まずは『子供のため』という杉下の総括に珍しく首肯できました。
ちなみに謎の佐々木さんを演じた三輪ひとみさんは『7人の容疑者』以来の御出演。懐かしい。佐々木さんが生きていたのはちょっと驚きでしたが、芹沢君絡みの事件も被害者(今回のは加害者でもありましたが)は生きていたからなぁ。それを思い出してしまいました。

次週は特番でお休み。何かカイト君がエラい目に遭いそうですが、カイト君のピンチに見せかけて、実は杉下がカイト君の力を欲するという構図になると嬉しいです。相棒あっての杉下であることを示せますからね。
今夜も『名探偵モンク』を見て寝ます。ゲストキャラの吹き替えが田中敦子さんなんですよね。耳福耳福。

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今回のMVPは石田三成。

何? 今回は登場しなかった? その通りです。登場しなかったからこそのMVPなんですよ。ここで三成がしゃしゃり出てきて、太閤に政宗の讒言を噴き込んだりしたら、秀吉が家臣の讒言に左右される程度の小者ジジイになっちゃうじゃないですか。如何に耄碌したとはいえ、毛穴の一つ一つから噴きあがる圧倒的で不条理な暴力臭を漂わせてこその勝新秀吉。その迫力を押し通すために出番を慎んだ三成、おまえがナンバーワンだ。まぁ、単純に奥田さんのスケジュールがあわなかったのかも知れませんが、こういう好意的な深読みをしてしまうほどに今回も面白かった。ポイントは3つ。

1.あの伊達政宗の極めて珍しい冤罪な日々

今までは政宗がロクでもない計画を企てては太閤から体育館裏に呼び出されるというのがパターンでしたが、今回は珍しく純粋なる濡れ衣。しかし、太閤や京童から『政宗ならやりかねない』という目で見られてしまうのは日ごろの行いでしょう。自業自得、因果応報、身から出た錆、李下に冠を正さず、瓜田に履を納れずという言葉が脳裏を掠めたのは気の所為ではないと思いますが、まぁ、流石に今回は主人公に同情しました。マー君の弁舌に何時もの冴えがなかったしね。真実を主張するよりも、嘘を本当に仕立てるほうが簡単なのかも知れません。或いは聞き手に都合の悪い真実よりも、耳触りのよい嘘のほうが受け入れやすいということの表現なのかも。
それでも、主人公は結構あの手この手を頑張っているんだよなぁ。詰問の使者に対しても序盤は余裕のある態度で応じて『謀叛? ワハハ、こやつめ! 君は実に馬鹿だな!』というレベルで済ませようとしていますし、両眼の太閤が見抜けなかった秀次の事情を隻眼の俺が見抜けるワケがないとか、それを政宗にいわれたら、こっちは何も言えんよというレベルのロジックを講じていますし。何ていうのかな、一つの場面、一つの言葉それぞれを書き手側が頭を絞って捻り出しているのが伝わるんですよね。まぁ、隻眼の俺が~の件は確か当時の史書にも記されていたように記憶していますが、素の台詞も書き手の知性が反映されているから、そうした史実の台詞が浮かないんですよ。普段からの知性を感じさせない奴が突然、史実通りの気の利いた台詞を口にしてもリアリティがないんですよね。どこのぼんくらの話とはいいませんが。

2.言葉にできない

冒頭で記したようにMVPは登場しなかった石田三成ですが、登場した中でのMVPは文句なく、勝新秀吉。今回は随所に老いの兆候が盛り込まれていたんですが、それが怖いのよ。どう怖いって一言でいうのは難しいんですけれども、確実にいえるのは、

演じる勝新のテンションが全く落ちていない

んですよね。存在感と迫力は相変わらず。しかし、ひょいとした身振りで腰の重さを表したり、宗匠を死なせたことを完全に忘れていたり、家康とサシで話している最中にウトウトしちゃったり、演技はそのままで傍らの茶々に鼻を拭かせたり、明らかに耄碌している。でも、当の本人はそれを自覚していないんですね。上記のように演じる側のテンションが落ちていないんですから。実際、老いというもの、就中、権力者の耄碌の恐ろしさとはそこにあるんです。傍から見たら完全にダメになっているのに、本人は現役絶好調のつもりでいる。権力はそのままでも判断力が低下しているから、失政に伴う損害が桁外れに大きくなる。しかも、ヘタに諌めても逆効果。もう、こうなると手の施しようがないから、一切の意向に逆らわず、権力者の寿命が尽きるのを待つしかない。しかし、それを待っている間に権力機構そのものが致命傷を負う危険も高い。全く、耄碌した権力者とは天災や祟り神のように始末に負えない存在なんですよ。特にハナから昏君であった場合よりも、名君が昏君に堕したほうが往々にしてタチが悪い。梁の武帝とかね。

3.真犯人は誰だ?

窮地にあった政宗に起死回生をもたらしたのが徳川屋敷に建てられた謎の高札。これ、結局、誰が犯人なんでしたっけ? いや、今回の話に限定すると犯人は一目瞭然なんですよ。秀吉と家康は相手こそが犯人だと決めつけている or 自分の仕業を相手に擦りつけようとしていますが、実は作中でしっかりと犯人が自供しています。それは政宗の赦免が決まった直後の場面。

伊達政宗「俺は勝ったぞ!」

犯人はヤスマサ。

これ、賭けに勝った=完全に流罪を覚悟していたように見えて、実は姑息にも(褒め言葉です)高札をブッたてることで無理矢理にでも家康を事件に巻き込んだということでしょうか。本ッ当に食えない男ですね。でも、この解釈でいいのかなぁ? 何か、次回辺りで家康がボソッと『俺の策だよ』とか仄めかしそうでもあるし……その辺の記憶は曖昧なんですが、でも、開き直った解釈をしてみると誰が犯人なのかはどうでもいいのかも知れません。初見の頃は子供でしたので、誰が犯人か全く判りませんでした。すっげぇウンウンと頭を捻ったのを覚えています。数年後にローカル局の再放送で見た時は、秀吉か家康かで悩みました。狐と狸というか赤カブトと鵺の化かしあいですからね、あの場面。どちらかが嘘をついていて、でも、もう一方も相手の嘘を承知で政宗を救ったんだ。流石は秀吉&家康と思っていました。今回の視聴では上記のように政宗の仕業だと解釈しています。勿論、のちのちの展開でひっくり返されるかも知れませんが、それはそれで善し。重要なのは視聴者にも誰が犯人かを考えさせる構成であることでしょう。この高札で誰が得をし、誰の尻に火がつき、誰が救われたか。それを考えるだけで物語の中の価値観に触れた気になれる。登場人物と一緒に物語を楽しめる構成というのが嬉しいじゃないですか。

次回は遂に勝新秀吉退場。えー、ちょっと早くないスか……と思ったけれども、よく考えたら、既に全体の三分の二近くなんですよね。うちの地元ゆかりのDQN婿も出ていないし。しかし、これ以降の登場にも拘わらず、松平忠輝のキャラを決定的にした本作は改めて凄いよね。

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甲斐享「杉下さんは正しいかも知れない……だけど、正しければそれでいいんですか?」

亀山薫「うん」(即答
神戸尊「気づくの遅いよね」
小野田公顕「いいんじゃない? アイツを真似ちゃいけないという教訓になったでしょ?」


物語の出だしの割に恐ろしく重い内容になった第5話。杉下お得意の正義の暴走が如何なく描かれていました。暴いても誰も得をしない秘密を四方八方に吹聴して回る姿は実に杉下。もう、ドン・キホーテ型やハムレット型、ジャンヌ型、カルメン型といった一定のキャラクターの類型項目に『杉下型』というのを加えて、世界の共通認識にしたほうがいいと思う。
ダンカンさんの司法取引の条件が、孫へのプレゼントに贈った靴下が強盗殺人で手に入れたものだということを隠すためというのは一見、動機としては薄弱に思えるんですけれども、それが後半で杉下の正義の暴走を象徴するアイテムになっていました。言葉は悪いですが、たかが靴下の秘密を暴いて何になる、と。その所為でどれほどの人間が露頭に迷い、心に傷を負ったことか。ラストでカイト君がダンカンさんの息女さん親子に『気持ちが晴れた』と御礼をいわれましたが、あれ、全然いい場面じゃありませんから。要するに杉下のしたことは気休めにしかなっていませんという痛烈な批判ですから。死んだ真犯人もダンカンさんも、杉下のおかげで胸のつかえが取れたのは確かとはいえ、結局はそれだけのことなんですね。社会的に何か貢献したワケではない。しかし、それでも真実を追求するのが杉下。後半、他人の迷惑顧みず、能面のような無表情を湛えて捜査に没頭するさまはヒールそのものでした。だが、それがいい。

『相棒』は杉下が善玉じゃダメなんですよ。

いや、確かに下種極まる殺人犯が相手の時は、そのかぎりではありませんが、社会派の面を主軸にする場合は、視聴者が犯人役に肩入れしたくなるくらいのほうが絶対に面白い。今回のように『何もそこまでやらなくても』と思うほどに犯人が杉下に追い詰められるか、或いは杉下の言い分よりも犯人側の主張が大人な考え方(正しいワケではない)のほうが見応えがある。その意味で今回は杉下に関しては満点です。遺留品の毛髪と病死した真犯人の血液をDNA鑑定することでダンカンさんの冤罪を立証しようとする試みも流石。これで犯人を立証するのは難しいですが、冤罪を晴らすには充分でしょう。少なくとも、現場に被害者とダンカンさん以外の第三者がいたワケですから、ダンカンさんを犯人とするに合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証を、警察と検察が欠いたといわざるを得ない。杉下は警察辞めてもヤメ検ならぬヤメ警弁護士として充分食っていけそうです。

一方で些か精彩を欠いたのがカイト君。杉下の正義の暴走はシーズン11の前半で一度経験したものの、あれは結構軽目のジャブでしたからねぇ。今回は重い重いボディブローを喰らい、杉下の先鋭的な正義についていくこともできず、そうかといって、父親のように組織保全と最大多数の最大幸福に奔走する覚悟もない。日頃からケツ洗い(裏の取れた事件の再調査)には慣れているカイト君ですが、それが恩人のものとなると尻込みしていましたなぁ。まぁ、若さでしょうかね。亀山のように杉下と自分の間に落としどころを見つけるか、神戸のように杉下が握っている証拠を黙って削除するか、今回の事件で自分なりの杉下に対する身の処し方を見つけておかないとイカンですな。でも、全部が全部ダメなワケではなくて、自分が退職に追い込んでしまった恩人に会いにいった時、カイト君は頭を下げなかった。あれはギリギリのラインで自分がしたことを判っている証拠ですね。あそこでカイト君が頭を下げたら、相手は『謝るくらいなら、最初からやるな!』といいたくなるでしょうし。
しかし、一つ気になったのが、恩人のケツ洗いという点でもそうなんですが、今回の内容は杉下と亀山が事実上の袂を分かった『最後の砦』をベースにしていることですね。あの時は取調監督官、今回は取調可視化の問題。何気に共通点が多いし、タイトルも似ているので、絶対に意識した製作された筈です。そうなるとカイト君が亀山のように杉下の元を去ってしまう前フリと考えられなくもないワケで……卒業は歴代の相棒も経験してきたことですが、せめて、杉下と対等に渡りあえるようになってからにして欲しいですね。或いは戻ってきた神戸とカイト君で新設特命係をやるとか。

ダンカンさんのキャラの掘り下げが薄かったりと、細かい場面では苦情はあるけれども、概ね満足できた今週の一言は、

月本幸子「あ、ビール切らしちゃった。ちょっと裏からビール取ってきますね」

こんなに空気の読める女性が何であんなに過酷な半生を過ごさなければいけなかったのか……これだけ空気が読めれば、ある程度の危険は事前に察知できそうなものですが。それとも、特命係に出会って、人間として開花したのでしょうか。いずれにせよ、今回一番のファインプレー場面。

上記のように今回は面白かったとはいえ、事前の予想よりも遥かに重い話になったので、些か傷食気味。BSで放送中の『名探偵モンク』でバランス取ってから寝ます。今夜はチンパンジーに殺人疑惑がかかるという、何とも珍妙な話ですからねぇ。ストットルマイヤー警部がチンパンジーを挑発する場面は笑いとハラハラを同時に味わえる名場面です。

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