『相棒Eleven(11)』第16話『シンデレラの靴』感想(ネタバレ有) | ~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

『刑事貴族』好きの視点だと水谷豊さんと中山忍さんの久々共演でテンションUP。田辺しのぶちゃん、懐かしいです。あの時は新卒採用されたての婦警さんが嘗てのメダリストを演じるようになりましたかぁ。そりゃあ、私も年齢とるわなぁ。個人的にはお姉さんよりも好きな女優です。『刑事貴族3』関係者で『相棒』に出演されていないのは拓と和と課長か? ちぃちぃは残念でした。あと、実君もね(黙祷)


・犯人はお前だ!(ビシッ


事情聴取の段階で犯人判っちゃいました。第三者が見ている前で既に死亡している被害者から連絡が入るとか……アリバイ工作としてはクラシカル過ぎてバレバレですよ。あまりにミエミエなんで、逆にミスディレクションかと勘ぐってしまいました。偶然ですが、今週末にBSプレミアムで放送される『刑事コロンボ・自縛の紐』も同様のトリックです。ネタバレっぽいですが、まぁ、コロンボは倒叙ミステリなんで大丈夫ですよね。


・マラソンと駅伝


実は見るのもやるのも苦手な競技です。イマイチ、面白さが判らんのですよ。短距離走は見ている分には面白いのですが。でも、競馬はスプリンター系よりもステイヤー系のレースが好きなので、じっくり見る機会があればハマるような気がしないでもありません。


・立証責任 相棒ver.


芹沢慶二「桂馬さん、スポーツクラブと氷川神社を往復する道のりにある防犯カメラを調べたんですけどね、一切、貴女の姿、映っていませんでした」

桂馬麗子「……映らないコースを走ったのかも知れませんね」

芹沢慶二「……そうですか」


潔くひきさがる芹沢君。犯罪を立証したい場合はスポーツクラブと犯行現場の間を往復する桂馬の姿を見つける必要があります。まぁ、それも状況証拠で物的証拠にはなりませんが、犯罪捜査とはそういうものです。物的証拠ばかりか状況証拠も立証できないままに相手を容疑者、犯罪者、危険分子扱いするのは極めて危険。何についての話かは秘密。


・口は災いの元


甲斐享「俺でも一時間チョイでいけると思いますよー」

杉下右京「いけますかー?」

甲斐享「いけんじゃないスかー?」

杉下右京「…………」ジーッ

甲斐享「何スか?」


ホントに走らされるカイト。古畑任三郎でも同じ光景を見た覚えがあります。おタカさんの事件かな? 古畑は今泉がブッ倒れるまで何度も走らせたので、杉下のほうがナンボか優しいと思う。地図の上だけで判った気にならず、自分の目と足で確認しなさいという杉下の先生っぷりの発露かも知れません。しかし、新米刑事が走る場面は刑事ドラマの定番でしたが、こういう形で走らされるとは……。


・アポロとアキレス


杉下右京「それが貴女のアキレス腱でしたか……」


仕組まれたドーピングの物証をネタに被害者への従属を余儀なくされていた犯人。動機の一つとしては弱いなー。取ってつけた感が否めない。メインの動機は俊英の高校生のスカウトを邪魔されたことでしたが、これも、自分たちの手元での育成にこだわらなければ、純粋に選手のことを考えていたのであれば、杉下がいうように方途は幾らでもあったと思います。他の信頼のおける陸上クラブを紹介するとかね。同じ苦しみを味わった者のシンパシィが裏目に出た&優れた素質を伸ばすコーチングの醍醐味から逃れられなかったのか。或いは犯人が直接に桂馬さんを指導していればタッチの差で金メダルを逃すこともなかったという無念がムリをさせたのかも知れません。

上記の杉下の台詞はハッとしました。アポロン電機に握られていた犯人のアキレス腱。これは瞬足で名高いアキレウスがアポローン(パリス説も有力)に踵付近の腱を射抜かれたというギリシア神話の構図そのものですね。雑目なメインストーリーの割に細かい点に拘るのは……どうなんでしょ?


・シンデレラの靴


甲斐享「襷は無事、繋がったみたいですね」


特命係の手を介して次なる世代に繋がれた襷。シンデレラ=栄光の金メダルということでしょうか。次代に託されたのが犯罪に基く直接指導ではなく、無垢なる期待と想いというのがよかったです。それにしても、今季の『相棒』は幸福の王子といい、アリスといい、児童文学ネタが多いなー。カイトの若さがサブタイに反映されているのでしょうか。


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