ヤオヨロズま~め知識 |  ZEPHYR

 ZEPHYR

ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

皆様、連載中のヤオヨロズはいかがでしょうか?

あまりにも無反応なので、不安になるこの頃です(爆)。


いや、ちゃんと感想を寄せてくれる人はいるんですがあせる

その方々の声援を心のよすがに、今後も頑張って執筆して行きます。

この物語は、趣味として書いている、いわば座興の「占術師αの物語」とはわけが違います。
どっちが面白いかというのは、個人の感想なので、どちらかでも気に入ってもらえば、本当に幸いに存じます、
しかし、「ヤオヨロズ」はたぶん意味を持たされて書いているものです。

そういう半ば強制的な導きを感じます。


ヤオヨロズは次回のUPで、おそらくターニング・ポイント、折り返し地点に入ります。

次回は2回分、一度にUPします。

というのは、非常に厳しいストーリーで、とにかくそこまで書き上げないと、私自身が苦しかったからです。


ただ、登場人物も非常に多く、地名も多様に出てまいります。

皆様には歴史小説を読むような感覚で接してもらったほうが良いと思います。
登場人物も、作劇上、名前を出さないといけないけど、役目をすぐに終えるキャラクターもいます。

そういう意味で、歴史小説的な要素は持っています。


あくまでもこのヤオヨロズは、ファンタジーです。

歴史ではありません。

しかし、まったく歴史との関係が無縁ではありません。

とくに古代日本を仮舞台としておりますので、その名称など、あまりなじみのない方もいらっしゃると思います。

そこで、作ったほうがいいかな~と思いつつ、怠けていたら、娘がそのようなクレームをつけてきましたので(笑)、しょうがなく勢力図みたいなものを作ってみました。

なにせいろんな地名が出てきますし、覚えるだけで大変かと思います。

拡大していただけると、この物語の舞台となっている地域と、オロチ国、カナン、キビ、ヤマトなどの位置関係をご確認いただけると思います。

私のわかっている範疇ですが、当時の日本の海岸線は今の状態ではなく、大阪にも大きな潟湖があったことがわかっていますし、私の住む岡山の児島(吉備の児島)は本当に昔は島でした。
出雲の斐伊川の周辺も、現在とは様子が違っています。

そういったことも含めて、ざっくり地図ですが、ご用意しましたので、見ていただくと、物語の舞台をより理解していただけると思います。



スサノヲが漂着したのは、現在の斐伊川の近くです。
彼は川を遡り、クシナーダと出会います。

カナンのエステルたちが最初にやってきたのは、現在の島根県、浜田市か益田市のあたりです。
ここを中心にカナンは東西、そして南へ勢力を拡大しようとしますが、東へ進むとオロチ国の支配地域と衝突するという構造です。

またカガチが手にしてる剣が、スサノヲの持ち物であったことはお分かりかと思うのですが、難破船と共にこれが漂着したのは、カガチの支配地域の鳥取付近です。


スサノヲやクシナーダがいる「トリカミの里」は、現在の島根県の雲南市から奥出雲の一帯です。地図の紫の丸があるところ。
この背後には比婆山がありますが、この山こそ……いやいや、ネタ晴らしになるので、今は口チャックしておきましょう。

図にも宍道湖と中海は書き込んでいますが、次回の2章終了の時点では、カガチの支配するオロチ国の勢力圏は、この中海の東側、現在の鳥取県を含む東側になっています(赤の斜線部分)。
現在の岡山県(吉備)もカガチの勢力圏で、地図の中に5つの国が青い丸で示されています。

これはざっとした位置関係で、丸はその地の中心地だとお考えください。実際にはその周辺にも勢力は広がっているわけですが、イズモとの接点となりやすいのは、キビの中でもカヤです。

カヤは現在の高梁市付近という想定です。

イズモとの接点としては、もう一つのイソカミもありますが、まだエステル率いるカナン軍には手の届かない位置です。
島根全域と、山口の一部、広島の山間部などを手中に収めたカナンは、山陰と山陽の支配を広げるオロチに対して、その動脈を断とうとします。
それが、前々回の第2章の2にある、カヤの砦の陥落だったわけです。

そして、エステル率いるカナンは、今後キビに対して、どうすべきか、というのが前回のお話でした。


この地図を見てもらったら(わかりにくいとは思いますが)、現在の岡山県の地図とは異なり、物語の中でキビの中心、アナト(筆頭巫女)のいるアゾの近くまで、海は入り込んでいます。
アゾは現在の総社市あたりです。
そして私の住む児島は、島として本州から分離され、いえば、今の淡路島や小豆島と似たような状態でした。

この総社を中心とする地域と児島の間には、「穴海」が広がっていました

穴海=穴門(アナト)です。

この穴海の支配権は、古代において絶大なものであったことは、想像に難くありません。

四国との間に瀬戸内海は開けていますが、その内部にもう一つ、極めて良好な港を多数有し、しかも現代でいう一級河川の高梁川、旭川、吉井川の3つを持っていたキビは、あまりにも豊かな土地でした。

児島という、穴海を防衛するかのような島が存在し、外敵にも非常に強い。

ここをカガチが狙わないはずがありません。

作中でカガチがキビに造営している巨大な山城は、後の鬼ノ城(きのじょう)です。
考古学的にはもっと後代のものとされていますが、その原型をカガチがすでに作ったという設定です。

この鬼ノ城にはウラという鬼がいて、吉備津彦が退治したという伝説があり、桃太郎伝説の原型だとも言われます。


オロチ国についての設定は…

カガチは北陸の新潟県に近いあたりから、ワの国支配を広げて行ったということにしています。
鉄産地との関係で、物語の進行中には、カガチ支配の中心地はタジマ(現在の京都府の日本海側付近)ということにしてあります。

カガチは設定上、神話・伝説に登場するアメノヒボコ=ツヌガアラシトです。

地図を見てもらったらご理解いただけると思いますが、オロチは北陸、近畿地方の大半、鳥取、岡山などが支配地域です。


次の図をご覧ください。



この図はこの当時の日本の勢力と、地名などを表示したものです。

ワの国というのは日本全体の名称として取り扱っています。

ツクシの国は九州
イヨの国は四国
ナカの国というのは、主に中国地方

そのように理解してください。
スサノヲが最初に言っていた「ネの国」というのは、この地上、物質的な世界のすべてを指します。また「ネの片隅の国」というのは、記紀の「根の堅洲国」から取っています(解釈はいろいろ)が、この作品の中では日本=ワの国と同義です。
 

このころすでに、後の魏志倭人伝に出てくる伊都国や奴の国が成立していたはずです。
奴の国は、物語の中で「ナの国」と呼ばれる場所で、スクナの出身地です。
これは主に福岡県であると想定しております。


「ヤオヨロズ」の舞台は日本列島の西側です。

が、東日本の地域をまったく作者が想定していないわけではありません。

日本列島にもっとも長く住んでいた「ワの民」という民族は、つまるところ列島全体の人々のことで、東日本にこの頃はそうした伝統的な民族がゆるやかな連合体を作っていました(という設定)。

ピンクの斜線をざっと引いている地域がそれです。
むろん北海道も含まれます。
縄文時代以来の、もともとのワの民が主体となっていた地域です。

西日本はこの頃、大陸がから流入する多くの民族の受け皿となっており、九州、中国地方、北陸などは日本海に面した地域から、これを受け入れて行きます(大陸の気象の寒冷化と戦乱が大きな理由)。

いわゆる弥生時代。これはもともとのワの民と大陸からこの時代に渡来した人々との混淆で作られていきます。

時間と共にこれは東へ拡大しますが、この頃は図に入れております縦線あたりで、ざっくり東西にかなり文化的な違いが生じていたという設定です。


クシナーダたちトリカミは、この東日本に多く残る原ワの民が出雲に残ったものです。

出雲と東北の訛りに似たものが多いというのは言語学的にも、よく指摘されています。

つまりこの地域には、原ワの民が残っていた。それがクシナーダたちということになります。

この時代、南九州、四国、そして東日本などに押しやられつつあった原ワの民ですが、実際には弥生時代を作る人々を寛容に受け入れて行きます(沖縄はそのままワの民の性格を強く持ち続ける)。

ちなみに沖縄がそうであるように、巫女を中心とするクニというのが、ワの民の本来の特色であったというのが、ヤオヨロズの設定です。

自然を尊び、あらゆるものに神を見出し、共存する社会。

そして、母系的な社会。

それがワの民の原風景です。

やがて日本も父権的な社会になっていくのですが、作中に多く登場する巫女たちは、その変化の時代に翻弄された巫女たちと言えます。



物語が起きているのは、紀元119年~120年にかけての秋冬です(という設定)。

卑弥呼が登場する邪馬台国時代の前夜です。

が、まあ、そのへんは作者の頭の中にある、いろいろと理屈付けするための設定に過ぎません。

そして、これは歴史ではありません。

過去と現在と、そして未来の物語です。





ポチしてくださると、とても励みになります。ありがとうございます。

人気ブログランキングへ

このブログの執筆者であるzephyrが、占星術鑑定の窓口を設けているのはFC2ブログにある<占星術鑑定に関して>の記事のみです。