土星・冥王星の世代アスペクトの使い方 |  ZEPHYR

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今日は世代的な冥王星の問題について。

KENαさんから土星と冥王星のハードアスペクトがある世代のお話をコメント頂きました(貴重なお話、ありがとうございます)。
冥王星、海王星、天王星などのトランスサタニアンは地球から見ると動きが遅く、ある星座にとどまる時間も長い。そしてその間に生じている他の星とのアスペクトには、それぞれに時間的に異なった意味合いがあり、その時間枠の中で特定の影響を及ぼすと考えられます。

え? わかりにくい?

つまりこういうことです。
月は一つの星座を二日半くらいで移動します。
つまり月のその星座の受け持ち時間は、その程度しかないということです。よく三日坊主というのがありますが、そういう人はこの月の影響が大きいのかも知れません。
三日目にはもう星座が変わっているので、気分がころっと変わってしまうのです。

太陽は約一月で星座を移動。
金星や水星も平均するとほぼこれに倣います。

もし金星が、冥王星とアスペクトを取ると、その期間、金星は冥王星の力を受けて愛情を暴走させたり、場合によっては金遣いにこれまでの常識を越えたものが現れるかもしれません。
たとえば天秤座の冥王星に対して、蟹座の金星という位置関係になると、星座的にはこれは90度のスクエアですから、バランスの崩壊(天秤座冥王星)が家庭(蟹座金星)に生じるというような見方もできなくはありません。
アスペクトを厳格に結ばなくても、座している星座の関係だけでも、その一時期の傾向としては生じてくる可能性があります。
つまりこの期間が平均一月なわけです。

しかし、金星や太陽などは毎月の占いみたいなもので、そう長い効果は持ちません。
ここで問題としたいのは、そしてKENαさんがコメントくださっているのは、土星と冥王星に関してのものです。
実際、「問題」として生じてくるのは、土星対トランスサタニアンなのです。
土星はもともと人の世に「苦」「負」をもたらすための機能を有しています。これは成長のためには絶対に必要なのですが、これを受けている当の本人やその世代にとってはかなり迷惑に感じられます。
冥王星、海王星、天王星とハードアスペクトを土星が取れば、いかに迷惑な事態が発生するのは、このブログを去年あたりからお読みの方は十分にご理解されていると思います。

昨年から起きた世界的な金融危機と出口のなかなか見えない不況。
これは土星と天王星のハードアスペクトがもたらしたものです(それだけが理由ではないことも述べてきました)。

土星が一つの星座を移動するのには、2~3年かかります。順行と逆行をわりと繰り返すので、星座を出たと思ったら戻ってきたりして、その期間は太陽のように正確ではありません。
しかし、ざっくり言えば、たとば中学時代の三年、高校時代の三年の中には、この土星の世代的な影響を受けた人間がかなりの比率でそろっていることになります。
そして土星がそのときどのトランスサタニアンと、どのようなアスペクト関係の星座にあったかというのは、その世代を解読する大きな手かがりになります。

たとえば私の生まれた1962年当時、土星は水瓶座にありました。目立つのは蠍座の海王星とのスクエアです。
これは理想と現実の葛藤、そうした中で生き方を見つめ直して、あらたな理想の現実化を目指すために存在しているアスペクトと考えられます。
つまり私たちの世代は、全体としてそのような機能を有しているはずです。
実際、私がこのブログに書いているようなことというのは、そのどこかに引っかかっているような気もします。

KENαさんの指摘されている土星・冥王星のハードアスペクトは、世の中にやはり重大事を引き起こしているのですが、1946年~49年にかけて獅子座で同宮でした。
権威や王権の象徴である獅子座、ここに冥王星と土星が同宮すれば、まさに団塊の世代が示したような社会的な運動にも広がっていきます。
土星・冥王星のハードは、あらゆるアスペクトの中でも格別に深刻度の強いもので、様々な破壊的な出来事や極限的なストレス、重圧などを呼び起こします。
息苦しいのも当然でしょう。

しかし、私はこのアスペクトも無意味に苦しみだけを持ち込むために存在しているのではないと考えます。
このアスペクトのもっとも良き使い道は、二つあると思います。

一つは「限界を突破する力」として使うことです。
土星はこの世の枠組みであると共に、常識や個人が設定している認識の限界、肉体機能の限界などに関わっています。しかし、冥王星がこれに関わるとその限界を超えることができます。
自分をいじめ抜いて、それでも能力の限界を超えてゆく。そんな人には、このアスペクトは大きな力となってくれます。
記録更新者にはほしいところでしょう。
また会社や組織の中にあっても、何かの現状を打破しなければならないときに、かならず必要とされる力です。

もう一つは、「極限的に建設的な力」として使うことです。
前者は土星を冥王星で超える方法でしたが、これは冥王星の力を土星で受け取ってしまう道です。
土星にはあらゆるものをはっきりとした形や体裁に整える力があります。冥王星のともすれば暴走しがちな力を、土星側で受け取ってしまうのです。
具体的にどのような使い方になるかは、この二つの星に他の星がどう関わっているかによります。
水星が関わっていれば、私のような文章の力に。
金星が関わっていれば、新しい金融システムや抜群する経済行動。
火星ならスポーツや技能で。
とかいったところです。

土星本体だと、建設業や農業が仕事としてはこれに含まれるのですが、どちらにせよつねに「建設的なことをしよう」と意識することです。その与えられた業界や人としての役割の中で。人間関係の中で。

土星・冥王星の世代には、現状を超える力と究極的な建設の力が与えられています。
参考になれば幸いです。

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