その代表的な一つが、太陽と月が強い関係を結ぶ時期です。
出生チャートは基本的に不動のもので、これは変わることがありません。そこにはその人の人生の基本的な設計図が表れており、そこに示されるものが、その後の人生の中で「時」を得て実現していく。
たとえば「幸運な結婚」というものが表示されていれば、しかるべき年齢域に達したとき、素晴らしい男性を巡り逢い、結婚、そして子供を儲けて、幸福に暮らす。そのような絵に描いたような展開が、やがては起こってきます。
逆に不幸と感じるもの、試練と感じるようなものも、人それぞれの度合いで用意されています。たとえば大病をするような運気の人は、やがて時を得て、手術を要するような重病を患ったり、またそれ以前からそれを誘発するような喫煙や暴飲暴食といった生活を送ってしまうことも考えられます。
事故運などもそう。
これを強烈に持つ人は、やがて時を得て、本当に事故を起こしてしまいがちです。
といって、事故運を持つ人が年がら年中事故を起こしているわけではありませんよね。当然。
事故運があるからといって毎日が事故でもないし、病気しそうだからといって毎日風邪を引き続けるはずもない。
しかし、やはり「時を得る」と、これらのことが実現化していきます。
そして「時を得る」中でも、太陽と月は最も重要な役割を持っています。
太陽と月の関係は、陽と陰、昼と夜、男と女、プラスとマイナスといった、この世の二元的な構造を、私たちにきわめて象徴的に示してくれています。
太陽と月は、父と母であり、やがては自分自身と配偶者の関係にも発展して行きます。
したがって、この二つの星が良い関係を結ぶとき、「運命的な出逢い」や「恒久的な友となる人物との出逢い」なども起きてきます。ずばり結婚相手と出会う人もいれば、結婚そのものををする人もいますし、また太陽という人生目的を、実現に導く月=動機を得るといったことから、「ライフワークとの出逢い」を果たす人もいます。
いずれにせよ、人生上の非常に重要な時期が、太陽と月の良好な関係、ソフトアスペクトによって示されるのです。
その中でもとりわけ重視されるのが、太陽と月のトライン(120度)です。
トラインは単純にいえば「大吉」の幸運角です。棚ぼた式の幸運といった意味合いを持つこともあります。
この半分の60度、セクステルは調和角ですが、努力を要するといわれます。
また太陽と月の合には、さらに特別な意味があります。
やはり陰陽の極の交わりそのものなので、人生上の意志決定とか、やはり男女の運命的な出逢いなどに深く関わっています。
しかし、幸運という側面から見たときには、トラインがもっとも分かりやすいものなのです。
私の感覚では、この太陽と月のトラインは、合で生じた意志決定が、次の段階へステップアップするときの、ジャンピングボードのように思えます。
あるいは車でギアチェンジして、さらに加速していくような。
そこまでに大きな努力をしてきた人は、大きく加速し、二段も三段も飛び上がることが可能になります。
太陽と月のトライン。
これはまさに人生上の重要な「時」です。
その人を良き方向へ導くシグナルとなる「時」。
これには2種類、あります。
A.出生太陽に対して、移動した月がトラインになるケース。効力は3ヶ月くらい。
B.出生月に対して、移動した太陽がトラインになるケース。効力は3年くらい。
Aは期間が短いですが、こういったときに仕事や人生上の重要なパートナーと出会うことがありますし、今後の展開に必要な出来事が起きてくる、縁が生じてくることがあります。
Bは効力が長く、この時期に結婚する人は非常に多いのです。また全人生的な目標、ライフワークなどもこの時期に決定されることがあります。
Aは普通に生きていれば、誰でも経験します。
Bは経験する人としない人がいます。
私はBを1999年ごろに経験しました。
この頃に重要なシグナルがあったのです。
そして、今もなお、太陽と月が巡るたび、いい出逢いと、ステップアップを繰り返しています。
きっと、皆さんも、自覚することはないけれど、そういうサイクルを生きているはず。
太陽と月がトラインになるたびに。
