前記事を受けて、このようなご質問がありました。
これについても、お答えしておかないと、結婚願望が強いと自覚されている未婚の方、またそのような願望を過去に抱いてすでに結婚されている方が不安になっちゃいますよね(笑)。
気を持たせずに、先に結論を書いちゃいますけれど、結婚願望の強さと離婚率の高さには、明確な因果関係はないと思われます。
あるとしても、若干という程度でしょう。
なぜそう言えるか?
結婚願望というのは、主に人の(とくに女性側に強い)夢見る能力に関わっているからです。
おとぎ話のように幸せを得たい(そのように考える人はいないでしょうが、イメージ的普遍的なロマンとして)。
誰かいい見本となるようなカップルや仲の良い両親の姿を見て育った娘さんが、「あんなふうになりたい」と願う。
これらは人の性格にも関わっていて、内省的な人ほどこうした夢を抱きやすいようです(外向的な人は夢よりも実行に傾く)。
そして夢は多くの場合、海王星の守備範囲です。
ロマンティシズム、憧れ、こうしたものを生み出す大本が海王星です。
そして離婚のもっとも大きな原因を造りやすいとされるのは、別離やアクシデント、変化や改革をもたらす天王星です。
女性の場合、太陽や7ハウス内の星がこの天王星とハードアスペクトを造っていると離婚しやすいといわれます。7ハウス内に天王星があり、ハードアスペクトが多い場合も同様です。
男性は月や7ハウスが天王星にハードの場合、同じように考えられます。
愛情の星である金星と天王星の関係も次いで重視します。
男女とも、家庭運を支配する4ハウスに天王星がある場合も、直接的ではないですが、家庭に波乱がありそうなので、離婚への布石として注意が必要ですが、7ハウスに関わるよりも間接的な作用と見ます。
つまり願望を生み出すものと離婚を生み出すものは、それぞれ担当部署が異なっているわけです。
ただ、海王星にはものの形質を雲散霧消させる効果があります。
結婚も人間関係の「ある形態」です。海王星主導で(つまり夢見る強さで)結婚された方の中には、この海王星の影響を受けて、結婚を解消させる人もいると思います。
しかし、これは太陽と海王星の関係が非常に悪い人や、7ハウスに海王星がハードな影響を与えている場合に限ります。
つまり全離婚者の数パーセントに過ぎないと考えられます。
海王星が結婚運に悪い影響をを与えている場合、もしろ結婚そのものが実現しにくい(形になりにくい)といった形で表れやすいようです。
なんとなくこれという人が見つからない、長年付き合っているけれど結婚に至らない、結婚目前まで行ったのに相手の心変わりや何らかの事情でキャンセルされてしまう。
といった事情です。
結婚願望の強さ(=海王星)は、離婚に関わるよりも、未婚に関わる傾向があるのです。
逆にその願望の強さが、現実的な相手の発見を遅らせてしまうようです。
むろん、すべてではありませんよ。
海王星が良い意味で、健全なイマジネーションを与え、それが夢の実現をもたらす人も数多く存在します。作家や芸術家は多くがそうですし、特殊な職業人でなくとも、思い描くビジョンをなぜか次々に実現できてしまう人というのがこの世にはいます。
こういった人は、ハードアスペクトであろうがソフト(イージー)アスペクトであろうが、海王星の力を使いこなしている人だと考えられます。
天王星が自分の人生の主体に強く機能する人は、夢よりももっと現実的な行動に出ます。
天王星は革命の星だからです。
旗印となるものを掲げて、目的に向かって突っ走ります。
実際、天王星的な人は極端な行動に出る人が多いのです。
行動の根本にあるのは、「離反」である場合もあります。
たとえば生まれ育った家や土地が嫌で離れたい。そんな動機で結婚に向かう。
現状や自分自身が嫌である。その代替を結婚に求める。
また天王星には、「新規」「刺激」などの意味もあり、次々に新しい刺激を求めて、異性遍歴を重ねる。
天王星的な動機です。
したがって、注意して頂きたいのは、自分のとくに結婚に関わる動機が、天王星的な部分から出ていないかということです。
たとえば、仲の悪い両親を見て育った娘が、「自分は絶対に幸せな結婚をするんだ」という思いを抱くのも、一見、普通の結婚願望の強さのようにも思えますが、背景にある動機が「こんな親、嫌いだ」「家を出てやる」などの「離反」であれば、これは海王星ではなく天王星から出ている可能性があります。
このような場合は、注意しなければならないでしょう。
離婚相を強く持つ人が、普通の人以上に結婚したがるという傾向は、私が見るところたしかにあるように思えます。理由は前記事に書いたとおり、「離婚」という現実は「結婚」という前提条件が満たされなければ実現されないからです。
じゃあ、離婚するために結婚するのかっていう話ですが、それは人それぞれだと思います。輪廻転生の重要な学びのプロセスのために、そうした経験を必要とされている方もいて、それが人生の他の重要な側面を強化したり、導いたりするということがあるからです。
それは自分(の魂)が望んでいる計画なので、キャンセルできない可能性もあります。
しかし、現実にこの世に生きている以上、私たちは魂の本質である愛と光を携え、その実現を現世的に見たいと思っているはずです。
この世で現実的な幸せを、誰との間にも築きたいはずです。
うまく行かない場合もあるでしょうが、努力を放棄してしまっては、最初からこの崇高なゲームを(あえてゲームといいますが)、投げ出してしまっているのと同じです。
どうか今目の間にいる人を大事にしてほしいと願います。
