「声優」


「ナレーター」


これらはどちらも


『声』


を使って表現する仕事ですが、


似て非なるものです。


コメントや、頂くお手紙を見るに、


混同されている方も


多いようですね。


「声優」は、


真夜中に仕事行ったりしません(笑)




全ての声優=ナレーターではなく、


またその逆も然り。


技術的に見ると、


確かにクロスする部分も


ありますが、


むしろ一方の技術が


弊害となることも。


例えば…


ナレ畑にどっぷり浸かると、


安定して聞こえる音、リズム、


聞き手に


「文章」


を理解させるよう発声する癖が、


体に染み付いてしまう…


というのが私の持論。


ナレーションというのは、


詰まるところ


「インフォメーション」


なワケで。


しかしこれは、


生きた人間の生理からすると


決して自然なものではなく。


このフォーマットを


台詞に持ち込むと、どうなるか?


そう、いわゆる


「棒」


と揶揄されるやつだ。


技術面の私的見解としては…


・喋り出しの一音目が常に聞き取りやすい。


・滑舌(言葉のキレ)が無駄に良い。


・音(声)があまり濁らず割れず。丁寧感が。


これは一例ですが、


意識せず、


常にこういう感じになっている人は


ナレ病(笑)に


罹患しているかもしれません。


あ、


声の通りの良さから来る


聞こえの良さは、


ナレ病(笑)とは関係ないですよ。


それは単に、楽器そのものの


「質」


に関わることですので。


ここで話しているのは、


「演奏方法」


についてですから(笑)




生きた人間の持つ感情は、


不安定極まりないもの。


常にキレイにハッキリ喋る奴はいない。


なので自分は、


時間をかけて固めたものを


壊して、


再度グラグラ揺れ動くよう…。


この作業に、


意識的に取り組みました。


アタマでなく、


カラダとココロで喋る。


そう、「ライブ感!」


『声優』というお仕事を


本格的にさせて頂くようになり、


その必要性、大切さを、


改めて感じたことのひとつです。


生、自然に出てくる感情を


そのまま出す。


思うと実際とが一致するよう、


勉強は果てしなく続くのです!


しかし、


両方やることで、


特にナレにおいては


表現の幅が広がったのでは?


と思ったりすることも。


それが一番活かされているのが…


『ファミ通Wave DVD』かな?(笑)




ここ6、7年のナレ方面を見るに、


読み手の味を活かす方向の


いわゆる「キャラナレ」的なものが


それまでと比べて


増えたような気がします。


読み手の持つ味、


または、


タレント的付加価値、


が重視されるような。


これも時代でしょうか?




苔むすまで根をはる…


「不変」は崇高な道。


されど、


流れる時代に合わせ、


その時々の色を出す…


これもまたひとつの道。


自分のスタイルは後者に近い。


芸術家じゃないですからね(笑)


フットワーク軽く


泳いでいければ幸いだ。


そのためには、


日々の研鑽を怠らず!


多くを、様々を吸収し、


それらをフィードバックする。


しなやかで、


錆びない刀でありたい。