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明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。
さて、本年最初の紹介は、かの有名なロシアの文豪トルストイ(1828-1910)です。といっても小説ではなく、箴言集です。上中下の三巻に分かれていますが、上には上巻だけ貼っておきますね。
トルストイは30代から40代に掛けて『戦争と平和』と『アンナ・カレーニナ』という2大傑作長編小説を世に送り出します。しかし、その後は、原始キリスト教を規範とする独自の教義を打ちたて、純粋な小説というより、上記の教義を全面に打ち出した教訓譚というべき作品を書いていくことになります。本書は、その後半のトルストイの流れを汲んだ箴言集です。
1月1日から12月31日まで、1日ごとに10個前後の箴言が書かれていて、さらに1週間に一度「1週間の読み物」と題する比較的長いお話が読めます。
各箴言は、トルストイの教義を示すもので、トルストイ自身が作った箴言だけではなく、聖書、中国やインドの経典、哲学者や文学者の書物などからの引用、ことわざなど多岐に亘ります。内容は、簡単に言えば聖人君子たれという内容の繰り返しで一度に読み進めるとかなり辛いものですが、個々の言葉には興味深いものが多いです。
1日ごとに区切られているので、それに合わせて1年かけて読むのがいいのかもしれません。私は日付を守りながら読んでいたわけではないのですが、それでも、読み終わるまでに本当に1年近くかかってしまいました。
ただ民主主義には否定的だったり、芸術を社会に従属させる姿勢であったりと、晩年のトルストイの教義を理解するうえでは重要だと思います。
1週間の読み物は、短編小説や書簡などの全編や一部が掲載されており、比較的長いだけあって、それ自体面白いものが多いです。こちらも、教義的ではあるのですが、読み物だけあって箴言に比べれば希薄で素直に読めます。
快楽読書には向きませんが、はまる人にははまる本ではないでしょうか。
文読む月日 (中) (ちくま書房)/トルストイ
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文読む月日 下 (ちくま文庫)/トルストイ
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