ハルカの空 | 雑読日記

雑読日記

読んだ本の感想など

樋口明雄「ハルカの空」です。

「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズと

銘打たれています。2作目です。

1作目読んでないし!

 

でも読んで無くても問題ありませんでした。

そしてとても面白かった。

これは是非戻らねばなりません。

 

日本で二番目に高い山・北岳を舞台にして

救助隊と救助犬の活躍を描く山岳小説です。

 

登山において発生するあらゆるトラブルを描き、

さまざまなピンチと、それを乗り越える活躍を

見事な物語にまとめており、カタルシス充分。

 

その一方で、ひとつひとつのトラブルが

登山を愛好する人たちへの警鐘・啓蒙にも

なっているように読めるところが秀逸です。

 

決して押し付けがましくなく、

あくまでストーリーの一部、

登場人物の心情の一部として綴られているので

ストンと気持ちのなかに落ちてきます。