韓国サムスン、LGまでもがテレビ事業で営業赤字に | ☆___________「財界」日本経済を斬る!!!

韓国サムスン、LGまでもがテレビ事業で営業赤字に



~コモディティ化された商品の生産は

       台湾との連携が不可欠~



世界一~四位のテレビメーカーが赤字ならば、テレビで儲けているのは誰なのか──。



テレビ世界首位の韓国・サムスン電子が発表した二〇一〇年十二月期の連結決算は、スマートフォン(高機能携帯電話)などの販売が好調で、売上高154兆6300億ウォン(約11兆5000億円・対前年比一三%増)、営業利益17兆3000億ウォン(同五八%増)と過去最高を記録。



しかし、営業利益率が約一一%をほこるサムスンも盤石とはいえない。薄型テレビを主力とするデジタルメディア部門はマーケティング費用の増加や想定以上の価格下落で、2四半期連続の営業赤字に陥った。



また、同じく世界二位の韓国・LG電子も通期では黒字を確保したものの、二〇一〇年十─十二月期ではテレビや携帯電話の販売不振で2457億ウォンの営業赤字を計上。テレビ事業だけでも1200億ウォンの営業赤字に陥った。


二月一日時点では、まだソニーもパナソニックも一〇年四─十二月期の決算を発表していないのだが、両社とも一〇年中間(四─九月)期のテレビ事業は赤字。ソニーは「通期でのブレークイーブンは届かないだろう」(加藤優・最高財務責任者)との見通しを示している。



世界首位のサムスンから四位のパナソニックまでが赤字。一方で我が世の春を謳歌するのが、EMS(電子製品の製造受託サービス)世界最大手の台湾・鴻海精密工業だ。



ソニーは製造コストを下げることを目的に、メキシコやスロバキアのテレビ組み立て工場を鴻海に売却、現在は鴻海にテレビの生産を委託している。また、鴻海は米アップルの重要な生産委託先。アップルはスマートフォンや多機能端末「iPad」などの販売が好調で、鴻海もその恩恵を受けている。現在は日立製作所が鴻海と中小型の液晶事業で提携を検討しており、引く手あまたの状態である。


もはやコモディティ化された商品の生産には中国や台湾との連携が不可欠」(電機大手幹部)という声もあり、今後、EMSなどで台湾や中国との連携を模索するメーカーが増えそうだ。