〝大混戦〟と言われる三菱商事のトップ人事の行方 | ☆___________「財界」日本経済を斬る!!!

〝大混戦〟と言われる三菱商事のトップ人事の行方



 



三菱商事(小島順彦社長)の次期社長を巡り、その候補が次第に絞られつつある。来年の最も注目されるトップ交代人事ということで、「9月9日に催された記者懇談会でも、多くの記者たちの関心は、この一点に集中した観があった」(関係者)ようだ。



現在のところ、ややリードしているのではないかと見られているのが、コーポレート(地域戦略)担当役員の中原秀人・取締役常務執行役員(58歳、東北大学法学部卒)と新産業金融事業グループCEOの小林健・常務執行役員(60歳、東京大学法学部卒)の二人。



中原氏は、ポルトガル語研修生としてサンパウロに駐在したことがあるが、現在商事の〝稼ぎ頭〟の鉄鋼原料炭分野をほぼ一貫して歩んできた。この間ニューヨークとバンクーバー駐在の経験がある。



また現職前には欧州ブロック統括としてロンドンに、中国総代表として北京に滞在した。小島社長がつねづね海外地域戦略を重視する姿勢を示していることも有利な条件だ。



一方、小林氏は機械部門の船舶部を振り出しにロンドン駐在を経て船舶・鉄鋼部門を歩んできた。シンガポール支店長も経験している。



以降、プラントプロジェクト本部長、船舶・交通・宇宙事業本部長などの要職を重ね、二年前から現職にある。商事が投資事業会社化する中で重要な役割を果たしており、社内の人望も高い。



こうしてみると二人の力量には甲乙付け難い。ただ、同じ機械部門出身の現在の佐々木幹夫会長―小島社長を除いては、同部門が続いたケースは過去に例がなく、このあたりをどう判断するかである。



むろん〝ポスト小島〟候補はコーポレート担当役員(CEO)の上田良一・取締役常務執行役員や、経営企画本部長の小野誠英・常務執行役員など他にも名前が挙がっており、前述の二人との距離も開いているわけではない。



まさに三菱商事始まって以来の大混戦となっており。これからが〝勝負の時〟である。