◆海老蔵事件:ワイドショーの愉しみ方
営業改革コンサルタントとしては番外編、
職務として受けた相談ではありませんが、交渉ごとの重要な
お話しなので記事にすることにしました。
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実はある方が、相手からかなり不条理・理不尽な要求を突き
つけられ、困っておられます。
(もちろん内容は詳しくは書けません・・・)
裁判になれば負けることはないと思われますが、
そんなところで戦うエネルギーが無駄です。
また、そんな相手に適当なところで示談するわけにも行きません。
そこで私がアドバイスしたことは、まず、
いろいろ理由をつけて、こちらからも相手に対して、
損害賠償請求してしまえ。ということ。
しかも要求額は、相手の要求の3倍! にせよと。
(注:このやり方がいつでも通用するわけではありません)
この作戦の意図を説明しておきます。
交渉ごとで重要な要素のひとつ。それは
前提条件
この場合、相手が1000万円を要求しているとすれば、
その要求が不条理であろうがなんであろうが、
「その1000万円をどうするか?」
これが交渉の前提条件となってしまいます。
わかりますか? ここ、極めて重要なことなんです。
だから、その前提条件をぶち壊すために、こちらからも
3000万円を要求するのです。
この際、その根拠自体はさして重要ではありません。
しかも、ある程度めちゃくちゃな金額の方がよろしい。
すると、どうであれ、先ほどの1000万円に加え、
今度はこの3000万円を意識した交渉へと転換します。
つまり、こちらは最大限譲歩して、向こうの無茶な要求を
たとえ全額認めてあげたとしても、
さらにその差額2000万円を支払えということ。
ちなみにこの交渉のこちら側の、「最終的な落としどころ」は、
双方が要求を取り下げることが狙い。
1000万と3000万ですから、双方要求を取り下げた場合、
こちらが大損しますが、そもそも、こちらはお金が欲しくて
言っているわけではないので、この結論=チャラでOK。
しかしこれを、相手が要求した1000万円だけを前提条件と
して、「それを、払う、払わない」と交渉する場合、それを最
終的にゼロ(相手に要求金額全てを取り下げさせる)にま
でもっていくのは、相当難易度の高い交渉になってしまい
ます。
たとえば不動産など、ある程度相場が明確な交渉などに
おいても、とんでもない金額を最初口に出してみる。
(もちろん限度はありますが)
すると、その金額にその交渉は引きずられるのです。
これは認知心理学において、いろいろな心理実験がされ
て判っていることでもあります。
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さて。
ここでようやく、この記事のタイトル「海老蔵事件」について。
相手は、名だたる愚連隊?とその弁護士。
どのような ”えげつない交渉” を仕掛けてくるか?
また、交渉のツールとして、バカマスコミをどのように利用
してくるか?
さらに海老蔵側の対応術は?
・・・私としてはこの辺りに、興味津々。
皆さんが辟易としているワイドショーを、このように楽しん
でおります(笑)。