◆まずは「意欲」を示す
戦国時代、とある戦でのお話し。
戦いの先陣を務めた部隊が激戦の末、勝利を収めましたが、
兵馬の損害も大きく、明日の先陣は他の部隊に交代させね
ばなりません。
その様子を確認して戻ってきた者が、本陣でこんな報告をしました。
「かの部隊は、なんとか今日は勝ちましたが、兵馬の疲れも激しく、
明日も先陣を務めさせるのはとても無理と思われます。」
すると、その軍の大将は、
「これしきのことで弱々しい!」
と不機嫌な様子。
そこへ、別の者が戻ってきて、次のように報告しました。
「かの部隊は、勝ち戦の波に乗り、明日も先陣を切るぞと血気盛んです。
しかし見た目にも兵馬の疲れも激しく、ここはなんとしても押し留めて
やって頂けないでしょうか」
・・・すると、その軍の大将は、
「そうか、わかった。彼らにはたくさんの褒美をとらせ、
明日の先陣は他の部隊に任せるとしよう」
と、たいそう上機嫌になったそうです。
このふたつの報告。
言っている内容は同じです。
しかし結果が大きく異なります。
まず、意欲を先に示す。
人を動かす際の極意のひとつ。
こういうことで、結果が変わってくるのです。
「理屈」「事実」だけでは、ないのです。