◆龍馬と尖閣問題:交渉とは
NHKの龍馬伝も、いろは丸事件の下りが放映になりますね。
さてこの、いろは丸事件、交渉の「勉強」になります。
まずざっと、事件の経緯を、WIKIPEDIAを中心に抜粋します。
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慶応3年、海援隊の武器などを積載したいろは丸と紀州藩の軍艦
・明光丸が岡山県六島付近で衝突し、いろは丸は大破し沈没。
龍馬らは紀州藩に非があると主張。
武器3万5630両や金塊など4万7896両198文を積んでいたと、
その損害賠償を請求。これ自体、御三家の大藩に対し、とんでも
ないこと。
さらに龍馬は、明光丸の航海日誌や談判記録を差し押さえ、
万国公法を持ち出し紀州藩側の過失を追及。
さらには民衆を煽り紀州藩を批判する流行歌を流行らせた。
体面が悪化するばかりの紀州藩は、事故から1か月後に折れて
8万3526両198文を弁償するに到った。
以上が、おおよその、いろは丸事件の経緯。
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実は、
万国公法は、海事のことは扱っておらず、賠償金算出
の基準に使われたにすぎなかったそう。
また、最近行われた潜水調査の結果、いろは丸には、龍馬が主
張したような武器や金塊は積んでいなかった ことが判明。
ものすごいハッタリ。
弱い立場であっても、それを逆に利用して流行歌で世論を上手
に誘導(今で言えばマスコミを利用したようなもの)、
相手が良く理解できていない権威(万国公法)を上手に利用。
ましやて証拠もない海上での事件・・・かなりのやり手です。
このように龍馬は単に一本気で真面目な建国の志、と言うわけ
では決してありません。
だからこそあれだけのことが出来たわけです。
そして紀州藩にしてみれば、わけのわからない連中が騒ぎたて、
いつのまにか、そちらに非があると言い出し、さらに世間の批判
まで浴びて、多額の賠償金までふんだくられる始末。
この事件は、わたしたちに交渉の重要な考え方を教えてくれています。
たとえ、9:1でこちら側の分が
悪い状況でも、交渉のやり方次第。
言い方をかえると、
たとえ1割でもこちらに主張すべき
ことがあるならば、
そこを拠り所に堂々と押して行く。
それこそが交渉。
・・・この事件、最近起きた事件とも重なる部分が少なくありません。