新規開拓、その行き先の定め方 | 営業改革コンサルトの活動日誌!

新規開拓、その行き先の定め方


たとえば、天下のトヨタ自動車さんに、あなたの会社の商品を新しく採用してもらいたいと考えたとしましょう。


まったくツテもコネもない状態だったとして、


さて、どこにどうやってアプローチを開始しましょうか?



当社にはそういう段階の相談もよく頂きます。


そりゃそうですよね、全く経験ゼロの業界に飛び込むノウハウを有している企業は稀ですから。




自動車業界はご存知のように重層構造になっていますから、あなたの商品を直接買ってくれる、


組み込みを請け負っている下請け業者さんがターゲットでしょうか?


ただし、その下請け業者さんのプライオリティが、「言われたことをきちんとこなす」ことにあった場合、


(実際、下請け企業さんには多いタイプ)


わざわざ新しい業者と取引しようなどとは思いません。よほど価格が安くなるとかなら別ですが。




まず我々は、「その件に関する問題意識を持っているところはどこか?」と、


「仕様変更の意思決定権(あるいは影響力)を持っているのはどこか?」を考え、


そこに対してアプローチすることを考えねばなりません。



当然ながら、そうするとまずは、もっと川上の企業との接点作りを目指すべきことになります。


たいていの場合、「ええっそんなすごいところに攻めるんですか!?」と言われます^^


実際私の、ある中小企業の部品メーカーのクライアントさんでは、結果的にトヨタの研究部門との


接点作りを果たし、そこから商談が進展していきました。


もちろんそれを実現するための方法論も大事ですが、まずターゲットを定める、そこが重要なのです。


そんな川上へのアプローチがいつでも成功するわけではないですが、自社商品に自信があるなら、


そういうアプローチもアリなわけです。事実、こうやって成功しているのですから。




で、そうやってターゲットを探す場合、


その『企業群の構造的把握』が必須となります。


把握してみると、場合によっては、有力な商社さんを介したほうが手っ取り早いこともありますし、


主要部品周りのメーカーさんを攻めた方が良い場合もあるでしょう。


あなたの会社の力量や、顧客の規模などによって、具体的な攻め先・攻め方は変わってきます。


それを見極めるためにも、この構造的把握だけは、必須というわけです。

 

言い換えれば、俯瞰し、大局を見る ということでもあります。


まず動くことは必須。しかし、とりあえずで動くと、五里霧中・・・成果が上がらない・・・というケースが本当に多いのです。



これは何も、大企業を攻める時だけの話ではありません。


”新しい業界”を攻める場合などにも、どの企業から攻めるのが効率的、効果的か?


その業界を構造的に把握しながら考えねばなりません。



これを当社では、 「業界マップ」「企業マップ」 と呼び、新規開拓の際に作成してもらいます。


もちろん最初の精度は粗くて結構。実際に動きながら、把握していけばよいのです。


「どこから攻めるべきか?」ここを間違えては、成果は上がりません。




ちなみに、その業界に精通している人がいれば、もちろんどんどん使い倒してください^^)


ただしその場合注意が必要なのは、その人が、その構造の中の、どういうルートを持っているか?


の確認ですね。変なところに行ってしまっては目的を果たせませんから。