安部首相は、「環境立国戦略」を07年度中にまとめるよう環境相に指示したと新聞に出ていた。今月中旬の欧州訪問で、ブレア英首相やメルケル独首相など環境問題に関心の高い首脳らと会談し刺激を受けたようだ。


「日本が世界の環境問題にリーダーシップを発揮して貢献すべきだと考えている。その観点から戦略をとりまとめなければならない」


歴代首相は、まずアメリカへ出かけるのが慣例だが、その前に欧州に行ったことが画期的なことで、そこで環境立国に触発されたのはすばらしい。


環境省は「今後の国際交渉の進め方など、より高次で哲学的な内容になる見込み」とはりきっている。しかし、「高次な哲学」は世間にさんざんあるのでもうたくさん、昔の自動車産業立国、コンピュータ産業立国のような具体的なものにして欲しいと願う。


具体的とはどんなことなのか。
・カーター政権のとき、アショカのドレイトンは、環境保護庁にいて二酸化炭素排出権取引を発明して世界に広めた。戦略書にはこれぐらいの新コンセプトを書いてほしい。
・日本の環境技術をアジアの国へ輸出する戦略でもよく、これはすぐにでもできる。
・環境特区のようなものをつくり、ここへ環境投資を集中して環境産業のメッカをつくるのはどうか。滋賀県でやったらいいと思う。
・昔、鉄鋼、化学工業、自動車や半導体、コンピュタ産業を作り出したように、今度は環境産業をつくる産業政策を示す。


とかいろいろアイディアが湧く。
環境庁は大学院卒業の高学歴が多いと聞いた。そのためか抽象論が好きでデスコワーク派、事業のことを考えるのが苦手であるが、それではいけない。環境修復、環境保全のための新システムを提唱し、新産業育成の新政策を狙って欲しい。安部政権は成長戦略に取り組んでいるんですから。

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拡散モデル

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前回、アメリカの社会起業家が来日し、日米のシンポジュームを慶応大学でやった話をしたが、このとき三つのテーマの一つが拡散モデルであった。


小売と外食のフランチャイズみたいに、一つの地域で成功したモデルを拡散モデルにして広める試みだが、日本ではまだあまりないことで、新鮮な話だった。


日本では、あなたが始めたNPO活動を他の地域でもできるようにモデル化したらどうかと言うと、えぇ、そんなことやるんですかと怪訝の顔をされる。NPOをやる人はマイペースで、自分のスピードでやる人が多い。まるで蛸壺に入ってるみたいなものだ。拡散モデルにして広げることはストレスになる。人材だって不足しており、資金調達手段が整っているわけではないので、広げようと思ってもストレスは大きくなってしまう。


あなたが開発したモデルは、他の地域の問題をも解決するんだ、待っている人がいるんですよというと、でもねという感じ、この辺りが問題である。


アメリカで社会起業を評価するとき、ソーシャルインパクトは大きいか、社会を変えるアスピレーションがあるかと問われる。Yesなら資金や人材の支援がくる。


アメリカでも社会起業のモデルを拡散させるのは最近のトッピクスで、拡散のやり方が確立されてるわけではないが、前期のシンポジュームで出たキーワードはこんなものだった。
・成功モデルをネットを利用して広げる、これは日本でもすぐにでもできることである
・ストリーテラー、人を引き付ける物語をつくる、「売り物は希望」とか、病児保育をやっているフローレンスの駒崎さんは、「ワークライフバランスのある社会」、「仕事と育児が両立した社会」こそ事業の狙いだという。こういうストーリーをつくって発信する。
・分散モデル化、オイルタンク→タグボード化、大きな組織を目指すのでなく、小型組織をたくさんつくる


ネットワーク社会、分散化、フラットな組織などは、現在では当たり前のコンセプトになっているが、この流れに乗って拡散すればよく、難事ではない。


非営利組織の拡散モデルは、赤十字、ボーイスカウト、ガールスカウト、YMCAなど既にあり、非営利だから世界中に広がらないことはない。こうしたところでは、逆に分散化しすぎて統合しないという別の問題が出てきており、このブログで書いたことがあるが、多国籍の大企業の経営ノウハウを借りて再統合する動きもある。


あるいは、ハーバード大学は非営利だが、希少価値ゆえ拡散モデルになりえないようなこともある。


非営利の拡散モデル問題といってもいろいろあるが、現在開発されたばかりの社会起業が世界に広がってゆくのは、ホットイッシューであるのは間違いない。


こうした思潮は日本では欠けており、アメリカの挑戦にもっと学ぶべきことだと思う。

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社会変革のデザイナーたち

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昨日、こういう名のシンポジュームが慶応の三田であり行ってきました。


ジャパン・ソサイエティ、慶応大学、国際交流基金日米センター共催イベントで、ジャパン・ソサイエティは100周年を記念し08年にかけていろんなイベントをやるようですがその1回目で、慶応は150周年記念事業の一環でした。


日米の社会起業家が登壇しお互いにやり方を語る会でした。セッションは3つあり、「社会問題の発見と解決のデザイン」「社会起業のスケールアウト(拡散モデル)」「ソーシャル・ファイナンス」で、それぞれ日米2人の社会起業家が出てきて、マイウェイを語ってました。


ビル・ストリックランド(Bill Strickland、マンチェスター・クラフトマンギルド、ビッドウェル・トレーニングセンター社長、ホワイトハウスで「次世代の人物」賞をヒラリー・クリントンから授与)が、ピックバーグで社会の底辺にいる青少年にテレビ番組製作やデザイン、工芸、ミュージシャンの技術を教え、能力のエンパワーメントを行って被雇用力をつける教育センターをつくった話、これから全米、世界中へ展開するそうです。安部さんの再チャレンジ政策、これやったらいいと思って聞いてました。


キャメロン・シンクレア(Cameron Sinclair、Architecture for Humanity共同創設者、04年フォーチュン誌の「世の中をよくした7名」に選定)、英国で建築学を学び、ニューヨークに移住し、ホームレスの避難住宅、津波災害地を復興する都市計画デザイン、アフリカのエイズ病院のデザインなど、インターネットで世界中の建築家によびかけて叡智を集める事業をやってますが、デザイン、アーキテクチャーの概念を社会を変える設計にまで広げる話でした。専門化が自分の持分を広げて社会を変革するデザインまでをやるんだという思潮は、新しいものでその代表のような話でした。


法律→制度→社会が変わるでなく、社会を変える知的なデザイン、専門家の叡智によって市民に直接呼びかけて、インターネット時代にこんなことは容易にできます、思いを集めて成果を出す、その一番初めのデザイン、アーキテクチャーとは斬新な考え方です。


とても全部は書けませんから面白いと思った話を一つだけ書きます。それは三番目に登場したアラン・ウェーバー(Alan Webber)の話です。彼はハーバード・ビジネス・レビューの編集長のあと、ビジネス誌 Fast Companyを創刊し成功した人で、この雑誌では社会起業家賞選定などやってます。


「現状維持は高コスト、変化こそ安いコストになる」(旧来のやり方で社会サービスを提供することが高コストになり、代わって新しい解決の仕方でやると安くなる意味)、「(社会起業の資金調達は)助成金申請書を書くのでなく、問題解決の新しいビジネスモデルを資本家にぶっけてカネを出したもらう」「非効率な助成財団は、ぼやぼやしてると社会問題を解決するのでなく、問題の一部になってしまう」。。。


こういう言い方は大好きで気に入りました。マーケット・オリエンテッドな社会起業の雰囲気をよく伝えてくれた話で、アメリカでは、こんな思潮が社会に広がり、みんなのコンセンサスになりつつあるんだろうと想像しました。小さな政府と民営化、これは破壊ですが、それが進化し、もう完全に創造する時代に入っており、創造のいろんな挑戦が行われてるんだと思わせてくれる話でした。


ちょうど、この会合の前日、「宮崎は変わらんといかん」といって、そのまんま東さんが知事に当選したばかりのときで、宮崎市民の直感もこれで、保守王国なんてもう昔のことで、政治家と官僚、企業は遅れてるが、市民はずっと先に行ってるんだと思ったのです。


このシンポジューム、日本がかかえ出口のなさそうな問題解決には、すぐに使えるいいアイディアがたくさんあり、久しぶりに、先が見えたぞと気分よく帰宅しました。

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失業者を料理人にする

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ドイツ在住の日本人のブログを読んでたら、イギリスのカリスマシェフ、ジェイミー・オリバー(Jamie Oliver)がベルリンにレストランをオープンした話が出てました。


ジェイミーは、BBCの料理番組に出てブレイクした若手シェフで、ハーブやスパイスを使ってシンプルなメニューをつくるので有名です。日本のテレビでも見たことがあります。


ドイツにはイギリス崇拝者が多く、ジェームスボンドやサッカーのベッカムなど人気が高いが、英国産無国籍料理も人気があり、ジェイミーの料理本は本屋にたくさん並んでいるそうです。


ベルリンに進出したのは、首都で先進文化発信地のうえ、地価が他の都市にくらべて安いこと、さらに失業率が群を抜いて他都市よりも高いからです。ジェイミーは母国イギリスでやっている失業者を雇ってプロのシェフに育て上げるビジネスモデルをベルリンでも実践するためです。アメリカにはホームレスを料理人にする社会起業がありますが、それに近いモデルです。


ジェイミーの進出にたいし、レストラン一つを作っても失業者はなくならないという批判がドイツのジャーナリストから出てますが、自分ではやらずに他人を批判するのが好きなドイツの悪い面が出てるとブログの筆者は書いてます。


英米には失業者の仕事を創造するんだ、そのビジネスモデルはこれだという意気込みの社会起業がありますが、ドイツではまだそうした認識がない、そこでイギリス流のソフトな社会起業モデルを輸出し、ドイツ社会を刺激したいんでしょう。


ドイツではメリケル首相になり、日本の小泉首相と同じように、昨年あたりから遅れた構造改革に取り組み始めてます。ジェイミーの進出はこうした流れにぴったりです。ドイツは環境では先進国なんですから、受け入れられて社会を刺激するんではと思います。

田辺大さんのメールで知りましたが、日経関西版「スモールBIZ、大したもんや米国」で米国の社会起業家を紹介する連載記事があります。米国からまだ学ぶことがあるという提案は面白い。


日経大阪の記者がこんなことを書いたのは、関西で同様な社会起業を起こしてほしい、関西経済圏を活性化させたいと願ってるからです。


関西は、歴史の長い地域なので社会起業の遺伝子が、まだたくさん埋め込まれてる所です。昔、大阪商人がそうした行動をとってました。京都では民僧(皇室と貴族につかえた官僧と対比され、商工業者や農民に仏教を普及した)の仕事の一つが救済で、これは今でいう社会起業でした。滋賀の近江商人は三方よしを商売の理念にしてました。


こんなことは日本中どこへ行っても感じることですが、関西は特に色濃いので、日経の記者の提唱はいいアイディアです。


だいぶん前、私が社会起業家研究を始めた初期のころですが、関西の経済団体の朝食会に呼ばれて社会起業家の話をしたことがありました。会員企業の幹部数十人が集まり、これからその団体が社会起業を関西に広める活動をやるためでした。しかしメンバー企業のリストラが進み、経済団体に出向していた人が親会社に帰ってしまったりしてそれどころでなくなり、だめになってしまいました。あのときからやっていたら、今頃東京に自慢できるぐらいのことになっていたのにと悔やまれます。


さて、連載記事のコンテンツはこうです。
1月5日が第一回目、ワシントンDCにあるDCセントラルキッチン、ホームレスに料理技術を教えて自立させる事業で、社会起業では有名なモデルです。職業訓練だけでなく、つくったものはケータリングサービスで販売、年間売上高は1億2000万円。CEOのエガーさんから、ホームレスの多い大阪で、オオサカ・セントラルキッチンをつくったらと逆提案されてます。


1月6日が第二回目、カリフォルニア州バークレーにあるインパクトの創業者デイビッド・グリーン(アメリカ人)が登場、インドに5カ所の眼科病院を経営し、年間20万件超の白内障手術を手掛けるが、患者の半数は費用を一切負担していない。

白内障は、濁った水晶体を取り除き、その代わりに人工の眼内レンズをはめる。そこで、まず安いレンズの生産会社をインドで設立、年間生産枚数は60万枚、レンズの単価は先進国の100分の3と驚くほど安い。最近は、低価格の補聴器開発にも乗り出し、途上国向けに供給を始めている。患者の35%が正規料金を上回る額を払うので、半分の人は無料ですむような仕掛けもある。


グリーンは、アショカフェローですが、アショカにとっても自慢のフェローで、目下売り出し中です。


1月10日が三回目、2人が登場してるが、まず茶飲料を製造するオネスティー(メリーランド州ベセスダ、98年に設立)のセス・ゴールドマン社長で、健康志向のトレンドに乗り年間2000万本を販売、容器入りの茶飲料市場で27%の全米トップシェアを持つ。

健康飲料だとそれだけで社会起業のにおいがするが、登場したわけは、利益は、モンタナ州の先住民族に支払い、損益はトントン、「社会に対して誠実な会社でありたい」からです。


もう一人は、カリフォルニア・メンドシーノ郡でワインを製造している醸造所フェッツァー・ビンヤーズ、太陽光発電で必要な電力の30%を賄う。有機栽培のぶどう+自然エネルギーを組み合わせた先進農業を開発したのが登場した理由です。


この2人については知りませんでした。世界中に広がるというほどのモデルではありませんが、草の根の社会起業としてこんなのがたくさん登場してるのでしょう。


1月12日の四回目がアショカ(アーリントン)を創設したウィリアム・ドレイトン、ここはアショカ・フェローで有名です。すでに60ヵ国に1800人おり、昨年は過去最高の142人をフェローに選出しました。事業は加速している感じ。


フェローに社会起業を開発する資金を3年間援助するのが仕事ですが、昨年の事業費は3400万ドルで、これは大企業や起業家から集めてます。毎年こんなに集めてるなどたいしたものです。


「まだ日本人のフェローはいない。だがアショカにはいつでも日本の社会起業家を支援する用意がある」


ドレイトンは、60才代の前半ですが、育ちはアメリカの選良のもので並みのキャリアではありません。父はイギリス貴族でアメリカに移住した人、母はオーストラリアから移住したチェリストです。父には資産があったのでしょう、世界中をめぐる冒険家として名をなした人です。


彼自身は、高校のときからインドのアショカ王(荒々しい武将で武力でインドを統一したあと、武力を反省し、平和主義に転換)にあこがれ、ハーバード大を卒業したあと世界を放浪しましたが、その後マッキンゼーに入り、ある州のコンサルティングの仕事でCO2の排出権取引を提案したところ、環境保護庁から誘われて入り、この取引のコンセプトを世界中に広めました。


レーガンが大統領になってから、環境保護予算が減り、それではつまらないと退職し、80年代の初めにアショカを創設して世界の社会起業家の支援活動を始めました。この時期にはまだ誰にも見えなかった社会起業家の有用性を見抜き、それを育てることを始めたのですから、先見性はたいしたものです。


1月13日の最後の第五回目が2人の日本人で、日本企業向けにCSRコンサルティングをやっている斎藤槙さんとインディアナ大学に勤務する大西たまきさん、非営利組織などの資金調達の仕組み作りを進めてます。


これが新聞のコンテンツですが、読者には刺激になったんでしょうか、知りたいところです。サイトはここ、ドレイトンのページですが、それ以外は上の「ニュース欄」から右側の「バックナンバー」の日付けで検索してください。
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/37679.html

夕張の石炭博物館、第3セクター(会社名は「石炭の歴史村観光」、石炭に関するテーマパーク、その一部が石炭博物館)が自己破産したため、かわって地元が設立したNPOが経営委託を受けて引きつぐそうです。


この第3セクター、借金が70億円以上もあり、どうしようもない赤字施設もあるので破産しかないのですが、生き残る可能性のあるものだけ切り離して残す作戦のようです。


NPOは、元館長、大学の先生などが中心になって、歴史資料を保存するという観点から引継ぎますが、資料保存だけでは経営の永続性の点でだいじょうぶなのかなと思ってしまいます。


再建プランは、11人の職員数を8人に縮小、入館料を800円から1000円に値上げし、年間入館者数を4万人(06年度実績5万8千人)に設定、年間予算3500万円で収支均衡(500万円の黒字?)が目論見です。


でもこんな収支計算どおりになるのかどうか、ちょっとリストラしただけで、相変わらず計算は甘い感じがします。


この博物館、1時間の見学コースで坑道体験が売りで、見学記をブログで読むと、真っ暗闇をカンテラで照らして迫力があったと好評です。もっと事業型NPOにして、いろんな事業をデザインしたらいいのにと思います。


博物館経営を自立させる試みはいろんなところで始まってます。どこでもやっていることは入館料収入だけでなく、もっといろんな収入を増やす工夫です。レストラン収入を増やしたり、展示品のミニチュアを売ったり、広間をパーティ用に貸したりという具合です。要は起業家精神を発揮せよです。


でもこういう工夫は、都会にある美術館・博物館だったり、展示品に美術的・歴史的価値があるところで成功するやり方で、夕張ではダメでしょう。


それではどうするのか、すぐに思いつくのは、地下の低温を使い、産業用倉庫にするのはどうでしょうか。これは博物館の仕事じゃないと言われそうだが、旧来のノスタルジーにとらわれないで、炭鉱の新しい用途を開発することが大切です。常磐ハワイアンセンターというベストプラクティスがあるんですから。


このくらいのことでないと、再び破綻になってしまうんではと心配です。

社会起業コンサルタントの田辺 大さん(フォレスト・プラクティス代表)から、メールでライブドアニュースで、社会起業家シリーズが始まったと教えてくれました。


第一回目は、横浜寿町のファニービーの谷津倉智子 さんが登場してます。


以後、アサザ、フローレンスと続くようですが、田辺さんは、ライブドアが社会起業家へ関心を持ち始めたのは、地殻変動だと書いてました。この企画は、ライブドアの信用回復にはいいアイディアです。


谷津倉さんは、一昨年日経ウーマン誌でベスト起業家に選定された人で有名人になってきましたが、数年前に社会起業家の会合でよく会いました。


横浜寿町は、山谷、釜ケ崎と並んで日本の3ドヤ街として有名ですが、彼女はここでIT会社を経営したり、老朽化した簡易宿泊所の空室を利用して、海外の旅行者を1泊3000円で宿泊できる「ヨコハマ・ホステル・ビレッジ」を経営してます。


寿町は、みなとみらいや中華街からすぐの山の手寄りにあり、繁華街に近く好立地です。日本人には悪いイメージですが、海外のバックパッカーにはそうでなく、立地がよく安いんですから、この事業は成功しました。


数年前には、会うとこの事業のデザインの話をし「どんな社会起業プランを設計するといいのよ」と聞いてきましたが、私は、アメリカの社会起業家なら点開発の宿泊所だけでなく、面開発の都市開発にまで広げてプランを作り、自治体や大企業にぶつけてこちらに引き込むことをやる、壮大なプランに人は驚きのってくるものですとすすめてました。


昔、アメリカの都市の中心街は犯罪の巣窟でしたが、現在ではそうでなくなり、郊外から人が戻ってきてます。これは90年代から始まっている現象で、都心の廃屋となっている工場跡地や老朽化した住宅を建て直す事業ですが、自治体がやるのじゃなく、非営利法人が数十集まってやるのが新しいやり方です。


この間ABCニュースで、アトランタの中心街の住宅地で、郊外に住んでいた成金が3件の家を買い、あわせて数億円の住宅を建てましたが、近所とのアンバランスが問題になっているという話をやってました。都心の再開発は現在でも続いてるのです。


都市再開発は、複雑な権利調整が大変で、地域の人間関係を熟知してる非営利法人がこれをやると、再開発は進みます。また社会起業家が旗を振り、都市計画の専門家、建築家、起業家、カウンセラー、弁護士、会計士などのプロがプランをつくりますが、このやり方は自治体がやる従来のやり方に比べて、自治体が持っていない多彩なプロが参加するんですからすぐれたやり方です。


アメリカの社会起業家が都市の面開発を事業にできるのは、特別な資金調達法があり、これがない日本では真似のできないことですが、アイディアを発することぐらいはやって、地域の刺激剤になってもいいのでは。


特別な資金調達法とは、大手の金融機関は、カネを集めた地域に必ず一定割合を還元することですが、金融機関は、再開発計画を持っている社会起業家へ融資するコミュニティバンクへ卸金融します。


始めた当初は、金融機関はブツブツと文句を言ってましたが、やってみると地域住民の評判はよく、貸し倒れは少なく、金利は高いので儲かり、残高はどんどん増えて行きました。


私は、日本でもそんな時代が来るんじゃないかと思ってます。そんなわけで谷津倉さんは、新しい時代の入り口に立っているようにみえたからです。谷津倉さんの事業が引き金になって、寿町の再開発プランが動き出すといいですね

夕張市の退職者

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財政破綻した夕張市の退職者が明らかになりました。
・3月末までの退職者数が152人、職員309人の半数が退職
・計画では83人だったが倍増し、09年度の目標を達成
・退職者は、部長職が12人全員、次長職も11人全員、課長職は32人中29人、主幹職は12人中9人、係長・主査職は76人中45人、一般職が166人中46人
・残っても給与の平均30%カットで、42歳モデルで年収が4割減の370万円程度になるために生活できずに転職


管理職がほぼ全滅とは破綻効果はすざましいもので、退職のしすぎです。再建計画をつくった人たちには予想外のことだったでしょう。次の破綻にはよい学習効果になります。


幹部不足は、抜擢だけでは間に合わないので、当面北海道庁から人がきて行政機能の低下を埋め合わせるようですが、そうこうしているうちに、民間から中途採用によって埋め合わせることになるだろうと思います。


民間の経験では、退職後新しい仕事になれるのに、普通は半年から1年ぐらいですから、1年は混乱が続きますが、これがすぎれば落ち着きますので、1年間、道庁や札幌市などから支援人材を送れば解決するのでは。


だいぶん前に、ある若手市長と起業家タイプの自治体職員の話してるとき、日本の自治体には優秀な人材がいるので、市役所内の自己変革ができるんじゃないかといったところ、血相を変えて、若手にはいるが高年齢層はだめだ、高年齢層が市役所に入ったときは高度成長していたので、いい人材は企業に行って市にはこなかったといい、ふだん市長が苦労している話しを始めました。


これは今でも印象に残ってる話で、なるほどそうなのかと思いました。若手職員が新しいことを提案してもじゃまするのは中高年の管理職だという話は、さんざん聞きました。大企業でも似たようなものですが、自治体の方が程度がひどい状態です。


こんなことで、夕張市のように管理職がいなくなるのは、悪いことばかりではなく、雨降って地固まるで、俊敏な市役所へ自己変革できるチャンスです。これから続く自治体のために、ベストプラクティスとなるモデルをつくって欲しいものです

㈱産業再生機構の解散

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日経に、産業再生機構は、予定より1年早めてこの3月末で解散すると出てました。もともと08年3月までに再建を終了すると定められていたので、期限付きの会社だったのですが、41件の再建が終了したので、はやばやと解散するのです。03年4月に設立されて4年の寿命でした。


300億円の利益余剰金が残るようで国民負担をありません。資本金は金融機関が出資した505億円ですが、これは返ってくるのでしょうか。また100数十名の従業員の行く末はどうなるんでしょうか。


再生機構でつんだ経験をもとに「ミニ再生機構」を旗揚げする動きもあるようで、専門家集団なんですから、行く末の心配はないのかもしれません。


産業再生機構の特権は、政府保証付きの借入金を使って経営不振企業の債権を買い取る点にありましたが、現在では投資ファンドが育ってきているので、もうこんな特権がなくとも企業の再建ができる世の中になり、用済みです。


私は役割を終えた社団法人を解散した経験がありますが、残念という気持ちはなく、反対に、潔い解散はすがすがしい気持ちにさせてくれました。再生機構の1年前倒し解散もそうでしょう、讃えたいと思います。

校長の7割はダメ

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年初の毎日新聞インタビュー「政治に思うートツプランナーからの提言」に、あの有名な世田谷和田中学校長藤原和博さんが登場してました。


曰く「校長になってから3年、観察でいえば7割の校長はダメ、再生には全国の中学校1万校のうち、3000人を学外から校長をつれてこないと」といってます。7割もだめ人間なんだ。


3割もと記者から突っ込まれて、いや、10年でやるので年300人、東京だけなら30人、中堅企業でも中途採用している数ですよと、少しあわててます。


藤原さん自身リクルート経由で校長になった人で、起業家タイプの人材です。土曜日には、地域のボランティア数十人を集めて子供の再教育をやったり、子供っぽい両親を招いて、大人になれる教育をやってるいるらしい。


民間からつれてくるといっても、並みの人材、例えば定年退職者ではだめでしょう。起業家タイプのアイディア豊富な人で、学校のステークホールダー、教育委員会、教員、ふけい、地域の人たちを学校に引き込み、一緒になって汗をかくようなことができる人でなくてはだめです。


こうしたやりかたは、90年代にイギリスやアメリカで成功したやり方で、日本だってきっといまく行きます。


公立校では、学校のステークホールダーの間で信頼関係が崩壊している、現場崩壊の典型的なところなので、政府がどんなに制度をいじっても問題は解決しない、必要なのは社会起業家の校長や教頭です。


藤原さんの提案はよい点を突いており、感心しました。