集団コース | Y’s Lab.

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当研究所は、すべての方を対象に、社会で生きぬくための有効なスキルをご提案、ご提供するための施設です。
臨床心理士が独自に開発したSSTプログラムを提供し、皆さまの「生きる力」の育成に尽力いたします。

集団コース@豊田校
 
3月第3回目の講座。
毎回書かせていただいておりますが、ここ最近一気に寒が戻る日があり、そんな折ニューヨークのドカ雪非常事態のニュースを観て驚いた一週間でした。

コートはいつになったら片づけられるのだろうかと思う今日この頃です。

#春がなかなかこないDASH!

小学校高学年/中学生コース
●SST/ATの融合プログラム
昨年から引き続き、講師による劇を観た後に劇全体の集約、さらに登場人物の心情を汲み取り、課せられた課題について思考し、講師相手にロールプレイし、さまざまな力を培っていくプログラムです。
3月全3回の評価テストを実施しております。
~テスト内容~
①困難場面で冷静に対処するスキル
②断るスキル
③2者間の仲裁
第3回目の最後の評価テストとなります、「2者間の仲裁」についての評価テストを実施しました。

過去一番難しいテーマとなりました。

高学年も頭を抱えるテーマであったと思います。単なるケンカの仲裁ではなく、ケンカをした(講師)両方にそれぞれ非があり、その非をきちんと説明し、その後どのような行動を取ればよいのかを提案するというスキルを求められました。

状況説明の際はどちらか一方に肩入れするわけではなく、淡々と悪かったところを説明していくことができました。その後の行動の提案については、講師側が当初想定していたものとは異なった提案も出てくることもあり、非常に興味深く彼らの新たなる一面を見ることができたと感じております。


●SST@search
本プログラムは、前回のプログラムで培ったスキルとして、意見をまとめ発言する力、皆で話し合い結論を導き出す力、優先順位を決定していく力を踏まえたプログラムとなっております。
個人で意見を出し、他者へ発信。皆で話し合い、重要なものを選別していくところからスタートします。そこからゲーム的な感覚で講師陣に質問をしていき(search)、最終的に必要としているものをグループ全員で探し当てていきます。
今回のテーマは「山」について。
話し合いは以下の順序にて進めさせております。
①自分を意見を考える
②全員で話し合いをする
③講師への質問を通して、答えを導き出す
④話し合いの中での自己評価
⑤講師からの評価と自己評価との比較及び意見を述べる
⑥お友だちの良い部分や心に残ったところなどをほめる

前回は平日コースのお子さまが入られたりと、集団メンバーが若干変化した高学年コース。初めて会う人々の中で発言するときは、緊張し、思ったように自分の意見を率直に発言することができず、残念な想いをする姿を見ることもあります。

今回は少人数であったため、一人ひとりの発言量が多くなりました。いかなるメンバーであっても伝えたいことはしっかりと伝えることができることが何よりも大切なことです。

 


小学校中学年コース①
●SST/ATの融合プログラム

二者間の仲裁をするということは、大人でも非常に難しいことだと言えます。今回生徒さんの中には、「喧嘩はやめてほしい」・「仲直りしてほしい」という思いはあれど、友だち同士の間の仲裁に苦慮している場面が見られました。どうやら片方の友だちの味方になってしまう、何故その行動が良くないと思ったのか友だちそれぞれの立場に合わせて複数理由があるけれど上手く伝えられないといった様子でした。それぞれの立場に合わせて、物を黙ってとるのは良くない、大切な給食費を使うのは止めた方が良い、友だちに感じの悪い言い方をするのは良くないといったことを冷静に伝えらるかがポイントです。
2者関係の中に入り仲裁をする場合、どうしても公平で冷静な立場が求められます。その微妙な立場でありながら、上手に相手が受け入れやすい言葉を言語化していく態度が必要です。逆に自分が入らないからこそ、客観的に状況を説明できている面も見られました。


●SST@search
グループの中で、それぞれの自分の得意不得意が明確化されてきました。そのため、「アイデアを考えるのは苦手だけれども、周囲と協調した行動がとれる」・「みんなのアイデアからリーダーシップをとって考えをまとめられる」と言った自分の得意な部分をそれぞれが意識した行動がとれています。話し合いの姿勢も、1人で解決することを意識するのではなく、グループとして協議することが出来ているからの結果です。今後の課題としては、沢山の意見が出やすくなったからこそ、複数の情報に惑わされてしまう点です。情報の整合性や確実な事をしっかり把握しながら整理していく力が求められます。

 


小学校中学年コース②
●SST/ATの融合プログラム

二者間の仲裁において、互いの言い分を平等に聞きつつも、俯瞰的且つ平等な視点でみていくことは不可欠です。

その点において、強めの口調の講師のほうには良くなかった点を伝えることは難しかったようでした。相手の物を奪うといった視覚的に見て分かる悪い点を把握し、指摘することはできますが、言い方や態度からそれを感じ取るのは容易にできることではありません。

自分なりに感じたことを、意見として相手に優しく伝えることはできるようになってきたので、今後は、会話の文脈から状況を読み取っていける力を身につけていきたいです。

●SST@search
話し合いの仕方はかなり上手になってきたと思います。思いついた意見はしっかりと発言し、仲間の発言にはしっかりと耳を傾けて、力を合わせて解決していこうという様子も見られます。

自己評価の仕方も慣れてきて、的確になってきました。自分を客観的に見つめるということに関しては成長を感じられます。

次のステップとしては、グループの他のお友だちの様子をしっかりと見て、良いところを褒めることができるようになれるよう外に眼を向けることです。今は、自分のことで精一杯で仲間に目を向ける余裕がない、あるいは友だちを褒めるのは照れくさいためか、発言をためらいがちですが、少しずつ抵抗をなくしていきたいです。

 

 

小学校低学年コース
●SST/AT融合プログラム

本日の課題において、双方に非があることを認識し、それらを説明することは大変難易度が高いことです。
そのため、多くのお子さんが、人の物を勝手にとってしまうという、比較的分かりやすい非についてのみ指摘する結果となりました。
しかし、もう一方の人物にも非があったことを確認をすると、納得することができていました。
難しい課題ではありましたが、説明する際の口調や話の順序など、今まで学んだことを活かし、一生懸命言葉を発する姿が見受けられました。
それぞれのお子さんの成長を実感したプログラムとなりました。


●SST@search
発言することが得意なお子さまが多く、本日も、大変活発な話し合いができました。
また、意見を述べるだけでなく、他者の発言に対する反応もよくできており、終始生き生きと話し合いを展開することができました。

低学年は話し合い後に相手を褒めることがこれまで難しい課題でした。
回数を重ね、少しずつ褒めることへの抵抗もなくなり、本日は全員がしっかりと相手を褒めることができました。
褒められると誰もが温かい気持ちになります。自然と相手を褒めることができることは、今後確実に役に立つスキルです。

 

 

3回の評価テストを終え、子どもたちの得手不得手を把握することができました。

むろん、得手不得手は各人により異なるため、次週は個別のような感覚で各個人に必要となるスキルを補てんしていき、今年度の仕上げとさせていただきます。

 

次年度は今年度得たお子さま一人ひとりの情報をまとめながら、彼らに必要なスキルを着実に身につけてもらえるようサポートしていきます。